第8話 アーリヤ王女の情報



「ターヒル王家のアーリヤ王女の情報が見えて来たぞ!どうも……妖怪が不動産王の異名を持つガイヤースグル-プ社長の息子サラーフに化けて連れ出したらしい」


「だからアーリヤ王女は警戒せずに付いて行ってしまったって事ね」


「って事は妖怪達が支配するハヤーリー王国の仕業って事かな?」


「それは無いと思う。誘拐されたのはもう1年半前の事だから、妖怪はひっそりと隠れるように暮らしていたが、人間たちに脅され利用されて仕方なく連れ出したのだと思う。妖怪が自己主張をするようになったのは最近の事だ。今までは耐えていたのだから、それから妖怪が支配するハヤーリー王国とマフィアが支配するラーメェ王国が、タッグを組んだのは最近の事だから…」

★☆


 6つの王国で構成されるサハラ王国連邦だが、アズィーム王国はオイルマネ―で潤う最大の王国。そして…ダウリー王国は発展著しい、誰もが認める豊かでゴ―ジャスかつ煌びやかな王国。


 実はその裏では、まずはダウリ―王国を我が手にと企む王国が有った。そして…やがてはアズィーム王国をもと大それた事を考える、それが妖怪達が支配する王国ハヤーリー王国とマフィアが支配する犯罪王国ラーメェ王国だった。両国が頻繁に会議を重ねている。


 そこで早速日本の妖怪が召集させられた。

 日本最強三大妖怪(鬼・河童・天狗)もしくは個体(大嶽丸・酒呑童子・玉藻前)の三妖怪に召集が。掛かった。


 大嶽丸(おおたけまる)は、伊勢国と近江国の国境にある鈴鹿山に住んでいたと伝わる鬼神。文献によっては鬼神魔王、大だけ丸、大竹丸などとも記される。

 山を黒雲で覆って暴風雨や雷鳴、火の雨など神通力を操ったという。大嶽丸の伝説は平安時代初期に起こった政変「薬子の変」が伝説化したものと考えられている。



 

 酒呑童子(しゅてんどうじ)とはどんな妖怪だったのか、順序立てて見てみよう。

 

 あるところに、伊吹弥三郎という、やまたのおろちを祭る一族の出身で、由緒正しき家柄の家系の人物がいた。 この弥三郎。やまたのおろちを祭っていたというところから、あのヤマトタケルと敵対していたとも言われる人物でもあったともいわれている。


 そんな弥三郎は、化け物で、伊吹山の山中に住み、夜になると、遠く関東や九州などまで出かけては人家を襲い、悪行を尽くしていた。 そんな弥三郎は、近江の国の娘と愛し合うようになる。 娘の父親も相手がそのような悪逆非道の数々を行う、辺りに名を知らしめる鬼神とは知らずに結婚を許してしまった。


 祝言の晩、弥三郎は酒を飲み過ぎ、その正体を現してしまった。驚いた父親は、鬼神として怖れられる弥三郎に酒を飲ませ殺してしまった。


 その時、すでに娘は弥三郎の子供を宿していた。 子供は胎内に33ヶ月も留まった末生まれたが、生まれたときには歯も生え揃い、酒を飲むことから鬼子とされ、伊吹山の山中の崖から捨てられてしまった。


 死んだかと思いきや、やがて元気に野山を走り回るようになり、山中の狼や猪なども彼になつきだし、山の神様に守護されて成長した。 この子供が、後の酒呑童子と言われている。

 

 酒呑童子(しゅてんどうじ)は、大江山、または大枝(共に京都府内)に住んでいたと伝わる鬼の頭領、または盗賊の頭目。酒が好きだったことから、手下たちから酒呑童子と呼ばれていた。


 文献によっては、彼が本拠とした大江山では洞窟の御殿に住み棲み、茨木童子などの数多くの鬼共を部下にしていたという。


 伝承では酒呑童子は最終的に源頼光とその配下の渡辺綱たちに太刀で首を切断されて打倒された。


 人をさらい、その血肉を喰らう残虐非道極まりない邪鬼。またその一方では、気さくな振る舞いから、地元の人々に深く慕われていたとされている。

 子供の頃から美少年すぎて女性から手紙をもらったのに全て燃やした所、その想いが怨念となり彼を鬼へと変貌させたという逸話も有る程。


大江山は太古の昔から神聖な山であったであろうが、今では雲海で有名な山。 その山を、平安時代に神通力をもって悪鬼を従え支配していた鬼。



 

 次に玉藻前(たまものまえ)だが、平安時代末期、鳥羽上皇の寵愛(ちょうあい)を受けていた美女で、正体は中国で美女に化けて王をたぶらかし、国を滅ぼした妖怪「九尾の狐」であった。


 彼女は今の栃木県那須野に棲む八百歳を経た大狐であり、 仏法を滅ぼさんと、インド、中国を荒らし回って日本に来たと言われている。 正体がばれた玉藻前は、那須野に帰ったが、 それを追って上総介(かずさのすけ)と三浦介(みうらのすけ)の二人の武将が追いかけ、見事、妖狐を討ち取った。


 ところが「九尾の狐」の遺骸(いがい)は石と化し、それが放つ毒気によって近づく生き物の命を奪った。それゆえに「殺生石」と呼ばれて恐れられたが、室町時代になり、近くを通りかかった名僧・玄翁(げんのう)が石を砕いて成仏させたので、その力を失ったとされる。


 当然世界各国の妖怪も入って、日本からはこの三大最強妖怪と、鬼、河童、天狗、そして中国の霊獣達も加わって恐ろしい戦争に勃発して行こうとしている。


 また、妖怪達とマフィアが手を組んだが、最近は力関係に変化が出て来ている。妖怪は想像を遥かにしのぐ能力が有る。幾ら最新鋭の武器が有ろうとも予測不能な妖怪達には手立てが見付からない。マフィアが一歩遅れを取っている。


 それでは、ハヤーリー王国とラーメェ王国が、タッグを組んでサハラ王国連邦を牛耳る手立ては有るのか?

 

 そこなのだが、アズィーム王国とダウリー王国は富と権力を欲しいままにしているが、実は…あの2つの王国は水面下では、小競り合いが有るらしい。


 理由はダウリー王国の躍進に対する妬み。アズィーム王国は只々資源に頼るだけのオイル大国で発想力に乏しい。もしオイルが枯渇したら何が残ろうか?


 それに引き換え、ダウリー王国の斬新な発想力と行動力には、只々たたずを飲んで見守るしかないアズィーム王国。


 そんな事もあり、余り友好的な関係ではない。    


 そして…その他大勢の4王国を軽んじている。

 まあ、はっきり言うと相手にしていない。だから…隙がある。そこが狙い目だ。油断をさせて攻め混む。


 一体どうなる事か?


 

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