ユリエッティ・シマスーノ公爵令嬢はいかにして救国の英雄となったか

にゃー

第1章 ユリエッティ、市井に下る

『ユリエッティ英雄譚を紐解く』



 ユリエッティ。



 女性同士の愛の営みを指すその言葉が、かつて実在した一人の女性の名前に由来しているというのは、このヒルマニア王国の民であれば誰もが知っていることであろう。

 同性情交の素晴らしさを説き広め、やがてはその果てに子を成す術を知らしめた救国の英雄ユリエッティ。彼女が生を受けたのはその時代の有力貴族、シマスーノ公爵家の長女としてであった。貴族王族、平民も問わぬ出生率低下に悩まされていた当時の王国において、ユリエッティ・シマスーノ公爵令嬢は幼少の頃より与えられた天命を悟り、たとえその地位を失うことになろうとも、厭わず己の征くべき道を邁進した。

 

 さりとて、“ユリエッティの英雄譚”と呼ぶべきものがどこから始まったのかと問われれば。それはまさしく、彼女が当時の貴族社会から追放され、ユリエッティ・シマスーノ公爵令嬢から唯一人の女、家名無きユリエッティへと転身を遂げたその日からだと言えるだろう。本著ではその英雄譚を、彼女と生を共にした女性たちの名を交えながら追っていく。



 ──ヒルマニア王国指定名著『ユリエッティ英雄譚を紐解く』より




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あほばかお下劣ファンタジー百合ハーレムコメディ貴種流離譚です。よろしくお願いします。本日もう一話更新しています。

全四章で完結予定。第一章は毎日更新していきますので、よろしければ明日も読みに来ていただけると嬉しいです。

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