お昼寝は厄災の獣と一緒に
某凡人
第1話 帰宅途中でそれはないでしょ…
俺は
この物語の主人公だ。
ブラックなとこで働き続けて6年目。
今日だって楽しみのビールとおつまみをコンビニの袋に入れて楽しみに自宅のマンション(ペット可)に帰ってた。
今日もいつもと同じ帰り道のはずだった。
けど今、目の前でそのマンションに隕石が落ちた。
~30分前~
帰り道、家から最寄りの駅の外灯の下に見慣れない物があった。
それにこの辺りは日中お掃除ボランティアやってるから綺麗なはずだ。
段ボールだ。
もちろん中にはなにかいる。
ガサガサと音がしている。
これまで猫、犬は見てきた。
どっちも沢山飼ってる友達がいる。
毎回そこに連れて行ってる。
今回もそうなるかなと財布の残金を思い出す。
数日はうちに居てもらうことになるしそうなると餌代や健康管理やその他いろいろと…
そう思いながら段ボールの蓋を開ける
そこにいたのは白い狐のような猫のようで犬のようなよく分からない生物だった。
サイズも犬とか猫ぐらい。
段ボールにちょこんと座っている。
深い蒼い瞳、きれいな純白の毛並み
よっぽど丁寧に飼われて来たんだろう。
そんなのが捨てられてるなんてセレブが捨てたかどこかの番組の企画か。
とりあえずうちに連れて帰るかと段ボールごと持とうとすると底が抜けた。
まるで1㎏の重りがあるような勢いで。
えっこいつそんな重いの?
そんな隠れデブなのか?!
って程の勢いだった。
よく分からないから白い奴の脇に手を入れる。
きっと重かったらそれでも持ち上がらないと思うし手から伝わってくるモフモフは危険生物のそれじゃない。
腰を入れて気合いを入れて袖をまくる。
きっとそうじゃなきゃ重かった時に持てない。
全力で持ち上げたとき、少し光って見えた。
次の瞬間、手の平の中にあった重さは消えた。
込めてた力の行方はそのまま背中に行った。
後は重い物と思って軽い物を持ったときと同じだ。
後ろにバランスを崩した。
そのまま後ろの塀に勢いよく激突した。
鈍い音がだれもいない住宅街の道に響く。
きっと後々たんこぶが出来る。
そういう痛みが後頭部を走る。
白い奴は左腕で座っている。
不思議と重さは感じない。
後頭部を右手でさすりながらコンビニの袋を拾い直す。
どうやら段ボールの中には他にもなにか入っていたようだ。
そうじゃなきゃおかしい。
持ち上げたときに底が抜けたからその辺りに落ちてるはずだ。
段ボールの下やフェンスの向こうも探したけどそれっぽいものは見当たらない。
ダンベルのような物もないし鉄の塊みたいな物もない。
諦めて白い奴を左手に帰路に着こう。
そう思った時だった。
やけに空が明るい。
確か海外ででかい懐中電灯あったよな。
それかな、と感じるレベルだった。
空が赤く明るい。
そしてそれは正体を現した。
小さい隕石だった。
珍しいと眺めているとそれは俺のマンションに落ちた。
正確には貫いた。
しかもきっとあの位置は俺の部屋だ。
急いでマンションに帰る。
エレベーターは使えない。
もちろんボタンは押してみた。
連打した。
けど全く反応は無い。
普段登らない階段を一段飛ばしで上がっていく。
俺の部屋は4階の角。
焦りながら鍵を開ける。
パラパラと上から粉状の破片が落ちてくる。
けどどうやらリビングは大丈夫なようで相変わらずのソファーとテレビが暗闇でもうっすらと見える。
でもリビングでくつろぐ事が出来ない。
いつも靴を入れてるタンスはそこになくあったのは眼下に広がる空洞だった。
携帯を開いて友達に電話をする。
「今何時だと思ってんだ!ダアホ!!」
親友相手で開口一番に飛び出る言葉かよ…
彼女とイチャイチャしていたのか電話越しにかすかに女性の声がする。
まぁいいや
「家に隕石落ちたから明日は会社休むわ」
「は?冗談にしろ休みたいにしろ明らかに嘘なのは面白くないぞ」
LINEで写真を送るとすぐ既読が着いてしばらくの沈黙の後、久々に親友が驚く声を聞いた。
「…まじか」
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