非常識のThe通学 (ZATSUGAKU)

EJ えしき

第1話 縄文時代もしもこんなだったら…

        (※ 登場人物は発音が似ていても実在のものとは関係ありません)

 世界は6100年以上も前から文明が始まっていたのに、日本は2300年前まで竪穴暮らしで半裸に毛皮をまとい手には石斧持ってたなんて…

いつまで土器ってたの!ジェット機と人力車で競争するくらい日本の文明遅すぎやしませんか?

 さて、時は紀元前980年以上も前、とある大陸の東の外れにある島に矢的という国あり。島でありながらいくつもの小国家が点在していて、それぞれ目立った争いも無く平和に暮らしていました。

 その頃の大陸にはすでに一大王国が存在していました。侵略の脅威にさらされ始まる中、対外的に一国としての地位を築くべくいくつかの小国が連合を結ぶことで、島全体としての中央集権国家であるようにアピールする動きが始まったのです。そこで島の国王として選ばれたのが神の血を受け継ぐ矢又異国の比味香でした。なんといっても小さな島国。精一杯の貢物を献上して、大規模国家である大陸の王様の顔色をうかがいながら、それとなくプライドのゴリ押しをしていた…小さくともひとつの国家としてなんとか大陸から認められ治まっていられた次第。

 その矢的の女王擁立に関わった影の立役者こそ、大陸から基盤づくりの応援に央九荷塗師乃見琴らのもとへやって来た、かの有名な央茂野奴士こと賑羽矢火乃見琴です。当時矢的の基盤を築いた央九荷塗師乃見琴らに協力するはずがだんだんと国王の座への欲にかられ、邪魔になってきた央九荷塗師乃見琴らを断崖絶壁の洞窟に幽閉してしまいました。そして比味香と結婚し、陰の権力者となったのです。

 ところが、さらにそこへ大陸から大型船に乗った最強の大軍団がやって来たのです。その大軍団の首長こそ神話と謎の“蚊”王朝末裔の、火子穂穂弟蓑見琴でした。自分の軍力ではかなわないと見て取った賑羽矢火乃見琴は、すぐさま彼に寝返り協力することにしました。その軍事力を利用して矢的制圧ののちに、機会をうかがって火子穂穂弟蓑見琴を抹殺し、自分が矢的の国王となる野心を抱いていたのです。かねてから自分の王国を築き、その名を自分の別称にちなんで「甘手流国」としようともくろんでいたからです。

 ところが、その野望はすでに見抜かれており、矢的の制圧前に火子穂穂弟蓑見琴の軍勢の手に掛かりあえなく斬殺されてしまいます。矢又異国女王を守って来た隣国の千人騎馬隊を誇った王も暗殺され、当時の名のある国王たちはことごとく消され、歯向かうものは容赦なく惨殺されました。

 火子穂穂弟蓑見琴が矢的を制圧し、菓子腹に都を構えたのち、比味香亡き後の矢又異国二代目女王である神の血を引く都世こと緋目太鱈椅子毛与利緋目を妻に迎えました。数知れない大勢の犠牲者の上に新しい矢的は神(の血筋の妻を娶った夫)による統治国家としての時代が幕を開けたのです。神国の誕生です。火子穂穂弟蓑見琴が初代の巣目羅宜を名のりました。さらに火子穂穂弟蓑見琴は当時の大陸側の書記に対して自らの都合合わせのために“歴史を意図的に改ざんさせた”ことで、後世における時代のズレや矛盾が生じる原因をつくってしまったのです。歴史年表が正確に作れない原因はそこにあるのです。恐らく300年以上時代を前倒しする必要があるのかも知れませんが、あくまで独り言です。

 皮肉にも日本神話の中で最高神の先祖神をあえて甘手流巣央味加美の名に仕立てあげた理由は謎ですが、初代巣目羅宜が妻の父親であった当時の矢的の男王的権力者・賑羽矢火乃見琴(比美香と同じく神の血を受け継いでいる)を手に掛けたことで一族が呪われないよう霊を弔う意味で祀ることにしたのか…今となっては真偽のほどが定かではありません。

 なんておとぎ話…はるか昔の縄文時代、文明にはほど遠い原住民だったはずが、すでにたたら製鉄の技術をもち、戦にまさか馬や青銅ならぬ鉄剣を使っていたなんてありえませんよ…ね。



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