教唆

@4mbjt

第1話


君はいつも私の背中を押してくれる。


髪をロングから思い切ってショートにした時も。


部活を決め損ねていた時も。


母に志望校を反対された時も。


親に内緒でピアスを開けた時も。


君は私の背中を押してくれた。


自分の意見を言うのが苦手だった私に自分の人生


だから好きにしたらいいと言ってくれた。


私がひとりで不安な時は一緒になって考えてくれた。


「ひとりじゃないよ。ひとりにしないよ。」そう


言ってくれた。


私は君のことが大好き。


君がある日「死に方も生き方のうち」と言った。


君は私の背中を押してくれる。


私は咄嗟に君の手を掴んだ。私のサンダルと君の


被っていたベレー帽が宙を舞った。

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