第7話ニャルの本音

 「いやーさすがCOCプレイヤーですね!あの身のこなしに銃の腕前、ダイスの結果でもありますが、生身の初探索どんな感じですか?悟さん!」

 ニコニコと猫笑みを浮かべ、俺に這い寄る猫裏兎子ねこうらとこ兼ニャルラトホテプ。

 こいつ、煽ってんのか?

 「お前、煽ってんのか?」

 「いえいえ全然煽ってませんよ、なんなら凄いなーと思ってるくらいなんですよ!」

 「ふーん、心理学。」

 [心理学(42)→成功(28)

 嘘をついている。]

 「お前やっぱ嘘ついてるじゃん。」

 「既にCOCを使いこなしてるし、容赦がないですね悟さん。でも、拒絶されてるこの感覚もまたイイっ!」

 「お前はなんで、そんな某ニャルラトホテプみたいな返答してんだ、他方に迷惑だろ。」

 「何でってそれは………言わせないでくださいよー恥ずかしい……////。」

 うわ、こいつマジめんどくセー。

 「てか、何でKPであるお前が探索者やってんだ?それにCOCの世界に連れて行くとか言ってたけど、今に関しては俺の世界にCOCの要素をぶち込んだみたいになってるけど、それはどうなってんだ?」

 「あーそれですか、実はCOC世界が崩壊シカケテマシテー、どうせなら並行世界の一つと一体化させて、バランスを戻そうかなーと。」

 は?こいつ今サラッとやばいこと言わなかった?

 「えーと、つまり俺の世界にお前たちの世界が一体化した影響で、現実に夜鬼が現れたと……マジ?」

 「おおマジ、おかげでこっちの世界元気ピンピンだよ。」

 「すっげぇ頭痛くなったから、とりあえず探索に戻るけどそれでいいか?」

 「別にいいですよー全ては探索者の自由ですから。」

 ニャルとの会話を一通り終わらせた俺は寺院へと再び足を進めた。

 寺院をよく見ると、地下への入り口になっている事がわかった。しかし、中は真っ暗で、何の明かりも無しに立ち入ることは不可能で、火を起こしたり、壊れた懐中電灯を直したりする場面だけど、手持ちのスマホのライトをつけてあげて即座に解決した。

 「悟さん、貴方の探索それでいいんですか?」

 複雑そうな顔をしてニャルが話しかけてくる。

 「良いんだよ、第一に俺は死にたくないし、今回に至っては対策の施しようがあったからな。」

 そして俺たちは階段を使い地下へ降りる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る