第14話 告白
川辺の焚き火の前で、私はクラウスの膝の上で彼に抱きしめられながら、彼への想いを告げる。
「私、リーテン王国に行く前からずっとあなたのことが好きだった……」
「! そう、だったのか……。なら、あのとき俺がもっと強く反対していれば……」
「ううん、いいの。あなたが最後まで反対していてくれたおかげで、私今まで頑張ってこれたから」
「シェリー……」
「ジョン王子が20歳になったら結婚する条件で、来年結婚予定で今までリーテン王国で過ごしてきた。私のお父様もお母様も幸せそうだったから、私もあなたのこと忘れて幸せになれるのかなって期待していた。でも、現実はそう甘くはなかった」
私はここで一息ついて、再び口を開く。
「ジョン王子の好きになれそうなところが1つも見つからなかったの。だから、あなたのこと忘れようにも忘れられないで、ずっと、ずっと、想い続けてきた……。こうして再開した今は、もっと、好きになってる。愛してるわ、クラウス……」
「シェリー! 俺は……!」
クラウスは私をさらにキツく抱きしめ、何かを言いかける。
「いいの、あなたのこと困らせたくないから、聞いてほしい。私はこのままあなたの側にいられたらそれで幸せなの。あなたが女性を避け続ける理由は分からない」
「……」
「でも、こうして幼馴染の情けで側に置いてくれているのであれば、それでいい。それ以上のことは望まないわ。それが、私の幸せだって、気付いたの。だから、私はこのまま騎士団長補佐として、魔道将軍として、これからも頑張る。だから、ジョン王子から守ってね」
「シェリー……俺は……」
私はクラウスにすべての思いを告げた。もう、これで何も悔いはない。
この後クラウスに生涯独身でいたいって言われても、受け入れる覚悟はできている。
しかしクラウスから返ってきたのは、意外な言葉だった。
「俺も……シェリー、お前を愛している……!」
「えっ!?」
私はパッと顔を上げる。すると、彼の顔は今までで1番真っ赤になっていた。
「お前は、かなり色々なことを勘違いしているようだ……」
「え、そうなの……?」
「お前がこうして打ち明けてくれたんだ。俺も、もう何も隠す必要はない。悪いがもう少しこのままで、次は俺の話を聞いてくれるか」
「ええ、もちろんよ……」
次は、クラウスが想いを語る番だ。
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