ドルヲタサブロー外伝2

@nakaune

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研修初日、隣には、元気がいい女子。

愛想が良く、気さくに話しかけてくれた。

私は、こういう時、殻に閉じこもって何もしゃべれないことが多い。

助かった。


あこと呼んでといった。

名前を聞かれた。

咲丘です。と答えた。

しばらく考えている。

さきおね。と言った。


私の呼び名。

さきお、か。

あこは自分のことをいっぱいしゃべる。

どこ出身で、学校の頃はこんな子で、あんなことやそんなことがいっぱいあったとか。

聞いているだけで楽しかった。

じゃあさきおの話も聞かせて。と目を輝かして聞いてくる。


私は出身地とどこの学校卒なのかと箇条書きみたいにしかしゃべれない。

それでもあこは、嫌がらず私の話を補完していろいろ継ぎ足してくれた。

あ、そこ行ったことある。あれがあるよね。それに。。という具合に。

あこは私のことを気に入ってくれたのかもしれない。

次の日も私を見つけて隣に座りまたいっぱいしゃべってくれた。

次から次に話題を変えてしゃべってくれた。

私はずっと聞き役。

それでもあこといる時間は楽しかった。


研修は講師の話を聞くばっかりでつまらないだろうと思ったけど、1週間ずっとあこと話をして飽きることはなかった。

会社は仕事をするところ。それ以外は、関係ないと思っていた。

でもあこが居て、あこが友達になった気がして、それが嬉しかった。


私はいつも人と繋がることが苦手でひとりぼっちが多かった。

でもこの会社では最初からあこが居てひとりぼっちにならずにすんだ。

あこに感謝しなきゃ。

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