第4話 謎のプリンセス

一方、舞踏会では王子が花嫁候補を選んでいました。しかしどの候補も自分の王子という地位に惹かれて花嫁になろうとしているので王子は飽きていました。

そんなとき、彼の目にある女性が目に入りました。その女性は金髪を綺麗に結い上げてそのうなじはとても煽情的でした。彼女のドレスの青色はとても輝いていて派手ながらお淑やかな印象を持たせました。

(この女性こそ私の花嫁になるかもしれない)

そう思った王子は他の娘には目もくれず、その女性の元へ向かいました。

「大丈夫ですかお嬢さん。」

話し掛けると振り返った彼女の顔は厚すぎず、薄すぎない絶妙な厚さの化粧で彼女の持つ可愛さと美しさをさらに際立たせていました。

そんな彼女に一目惚れした王子は彼女をダンスに誘いました。彼女はその誘いを快諾し、二人でダンスを踊りました。

そのダンスはその場にいた者全てがうっとりするほど綺麗な物でした。彼女のオーバースカートが舞ったときには拍手が起こるほどでした。

ダンスが終わった後、会場のあちこちで二人のダンスへの称賛の声が上がる一方、王子と踊っていた謎のプリンセスの正体を知ろうとする者や彼女への嫉妬を口にする者までいました。

そんな言葉をよそに、謎のプリンセスは王子と二人で城の庭へと向かいました。

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