地球防衛録
不細工マスク
第1話:襲来(1)
<現地時間の4:00頃、アメリカ合衆国、ハワイ州よりおおよそ1500km先の北太平洋にて、太陽系外より飛来した未確認飛行物体が襲来そして沈黙する。2時間後、U.E.A各国本部合同で緊急会議が開かれ太平洋に面している国々に厳重注意命令が下され、動員可能なすべての艦隊と兵士を臨戦体制に移行させた。そして飛来してから5時間後の現在—>
(アメリカ合衆国、ハワイ州、ハウメア海軍基地に停泊中の航空母艦DACー10『ワケア』内にて)
「おいおい聞いたか?宇宙人だとよ」
マークマン小隊のコルトが相棒のヒイラギに話しかけている。
「ああ、聞いたさ。予言が当たるとは想いもしなかった」
クッソ!なんてタイミングで来やがった!こちとら結婚式が控えてるってのに!この未確認飛行物体…ガチでアイツの予言通りじゃねぇか。っと、んなこと考えてんじゃねーぞ!
脳内で混乱しながらも颯爽と艦内を歩く男、名前を綾風メイソン。彼は日本人とアメリカ人とのハーフで28歳という若さでU.E.N(United Earth Navy)第五艦隊航空母艦『ワケア』の艦長に就任した。彼が向かう先はこの空母の艦橋だ。
「出航準備は整ったか?」
艦橋に入り開口一番に問う。
「最終確認が済み次第出航できます!」
艦橋にいる男が敬礼しながら答える。
「時間にして10分かと!」
「分かった。飛行隊に臨戦体制を取れとアナウンスしろ」
「了解であります!」
間も無くしてその男、名をジョーンズ、がマイクに向かってアナウンスをする。
『こちら艦橋より全飛行隊に通達、臨戦体制に移行しろ。繰り返す、臨戦体制に移行しろ』
全くお偉いさん方は今頃呑気に寝てんだろうなぁ。クソ宇宙人どもめ、来るならもっと別の場所にしとけよ。
「ジョーンズ、護衛艦三隻に通達してくれ、何があっても命優先だと」
「了解であります!」
嫌な予感しかしねぇ。予言が当たったのもそうだが、場所が…。ちゃんと痛いとこ突いてきやがったな。
(第五艦隊駆逐艦『カネ』にて)
「艦長!艦隊長から通達です。『何があっても命優先』と」
「カッカッカッ!うちの艦隊長と来たら随分と臆病じゃのう」
駆逐艦MTDー507『カネ』の艦長、アダム・R・レッカーソン。熟練の艦長で歳は今年で64。
(第五艦隊駆逐艦『カナロア』にて)
「あたしも賛成ね。敵の技量が分からない内は下手に手出しはしない方がいいわ」
駆逐艦MTDー506『カナロア』の艦長、ミラーノ・アイゼンシュタイツァー。
(第五艦隊戦艦『クー』にて)
「オウ!今回は極力戦闘を避けたいということだな!だが無理難題という奴だ!戦艦は戦ってなんぼ!」
第五艦隊戦艦ABSー101 『クー』の艦長、
『いや、お前はハウメア湾で待機だ』
「何ぃ!そうであったか」
『ってかなんで駆逐艦三隻に通達してんのにお前も傍受してんだよ』
(第五艦隊重巡洋艦MTCー10『ロノ』)
「そっちのジョーンズ君が誤って全艦通達モードにしたからだよ。僕たちも聞こえてたよ」
重巡洋艦MTCー10『ロノ』の艦長、元龍船。
(第五艦隊航空母艦DACー10『ワケア』内にて)
「え?あ!本当だ!すみません艦長!」
「まぁいい。今回の護衛艦は『カネ』『カナロア』と『ヒナ』だけだ。残りはハワイ島防衛、指揮は龍船が務める」
『駆逐艦ヒナの艦長雛、全力を尽くして護衛します!』
この雛という女性艦長はメイソンと同じく28歳で艦長に任命された優秀な艦長。
「各艦に通達、これより作戦開始とする。出航!」
大海原へ旅出て目指すは未確認飛行物体の鎮座する座標。
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