シェイクスピアより蕎麦!?

高柳孝吉

シェイクスピアより蕎麦!?

あのシェイクスピアは実はオリジナル作品は「〜の女房達」だけで他の作品には全て元ネタが存在する、シェイクスピアは落語家の故立川談志師匠の様に古典(シェイクスピアより更に)をアレンジする能力に長けていた、だからこそ聖書に次ぐ大ベストセラー(笑)になったんだ、というトリビアを彼女に話していたら、「そば何束食べる?」と現実世界に引き戻され「そう言うのを花より団子って言うんだよ」、という一幕がありました。



ーー元ネタと言えば、例えば星新一先生なんかはゼロから有を創り出す、という創り方でしたが、宮崎駿さん辺りは色んなモチーフがあってそれらを錯綜させて創る(造る?)という手法。「カリ城」や「ラピュタ」なんかはその典型でコナン・ドイルやスイフト等の元ネタが存在した。決してそういった手法を否定する訳ではありませんが、宮崎さん自身が大好きで、自身の「ラピュタ」の特別編集本に特別寄稿を寄せられた作家の堀田善衛さんなんかは興味深い事に逆に、画家のサルバドール・ダリを例に挙げて無から苦悩して芸術を創り出す事の意義について語ってらした事がひどく印象に残っています。


ウイリアム・シェイクスピアは、アレンジ能力をオリジナリティにまで高めた芸術家の一人だったのかも知れません。ーー落語にも創作落語と古典落語がある様に。きっと、いろんな創り方があっていい。最終的に、出来上がった作品が優れていればそれでいいのだから。

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