速読メガネ
ふぃふてぃ
速読メガネ
おつかれさま
今日はこの言葉がしっくりくる。
これから描き終える人も
もう描き終えてマッタリしている人も
新しく執筆に取り掛かかる人も
ヨム側に徹した人も
カクヨム参加も不参加も
一重に生き年生きる全てに
3月の終わりには、お疲れ様がよく似合う
私はオツカレサマをよく使う。それと同義にメガネを外すがある。これは、オツカレサマより前からの習わしであり、気持ちを切り替えるには丁度良い所作。
私は昔から目が悪い。子供の時からメガネをかけていた。視力の悪い私のことを「これは遺伝だね。ごめんね」と母は言っていたが、今では感謝している。
最近では「近視乱視は人間の進化の過程の一つではないのか」とさえ思っている。
私はアレコレと考えがちだ。特に執筆中となるとニュースや映像にアンテナを立て、自分の心と対話を繰り返す。
今や情報で溢れる世の中だ。答えの提示なんてない。
「こんなことがありました」
ーー後は皆様が判断してくだい。
すぐに私のちっぽけな脳ミソはパンクする。
そうなってしまっては、オツカレサマと幾ど唱えても思考はぐるんぐるんと回る。眠れなくなる。
メガネを外すとは、言わばパソコンの強制シャットダウンのようなものだ。
プチンと外界を遮断してやれば、近視で乱視な私の映像はボヤけ、全てが他人事、夢見心地なまでにして、本当にそのまま眠ってしまうことも多々ある。
そして、起きた後に気づく目の下にできたデッカイ隈も、メガネは隠してくれる。
私にとってメガネとは視力であり
時にメガネとはファッションであり
そして。メガネとは強制的なオツカレサマである。
去年は急な人事異動で仕事が手付かずの、カクヨムも手付かずで不参加だった。しかし、今年は意を決して参加して本当に良かったと思う。
古き良きフォロワーは今でも頑張っていた。この忙しない状況でもしっかりと読み、レビューや感想を書いてくれた人もいた。
執筆は素晴らしい。
世界に鋭いアンテナを立てることができる。自分の心にじっくりと向き合うことができる。
考え過ぎてパンクしたら、メガネを外せば良い。ただ、それだけの事だ。
去年のほとんどが、ビジネス書に自分の時間は溶けていた。今年は少し有意義だ。速読をせず物語の中心を悠々と闊歩できるのは、この上ない喜びに近い。
速読を極める先に瞬読という技術がある。1ページを文字としてではなく図としてインプットする方法だ。なんて無意味な所業なんだと、今になっては思う。
私は昨日「流浪の月」という小説を読み終えた。本屋大賞というだけあって、その名に恥じる事のない大作だった。圧巻だった。陳腐な言葉だが心が震えた。
愛だの恋だの、はたまた彼氏彼女、親子とも言えない、ただ一緒にいたいという気持ちを伝える。その果てしない言葉を紡ぐ、その一文字、一文字に余念がない。無駄のない文章だった。まさに、速読すら無意味の世界だった。
と、まぁ速読を悪のように語ってはいるが、私はカクヨム内で速読をする時もある。速読でレビューも、書くくらいならできる。それは実証している。
パソコンの画面を使えば瞬読に近いことも出来るだろう。もちろん、これは自慢話ではない。
最近カクヨム内でも速読という言葉を目にする。カクヨム内での速読は善か悪か?そんなことを考え出してから一ヶ月。とうとう溢れ出している。
そして私が1ヶ月かけて考え抜いて出した答えが「合理的な世界はつまらない」だった。
速読は合理的に文字を読む。これは合理性を求めるビジネス書や資料とは相性が良い。ゆえにカクヨム内で多くの人と繋がるにも相性がよい。
しかしながら、生活を豊かにするビジネス書と心を豊かにする物語は相反すると考える。楽しいが抜け出た小説を「読み手側が作り出してしまいかねない」というリスクをはらんでいる。
これも考えてみれば経験がある。作者側の意図が汲み取れずにレビューを書いてしまったことが幾つかある。作者の返信コメントや反応で己の未熟さを感じたことを思い出す。
果たして「カクヨム」というプラットフォームが真に求めているものは何なのだろうか。
「質の高い執筆者と質の高い評論家」ならば、速読は御法度だ。芸術は細部にこそ宿る。それを見逃すリスクがある速読は定義に合わない。
では、本好きが繋がるを目的としたならば。速読と言う選択肢も入ってくるかも知れない。その方が多くの人と繋がれるからだ。さらに「ポップに肩肘はらずに楽しみましょう」ならば尚更に速読は重宝される。読み手側が不足しがちな状況の打開策となる。
考えだしたら止まらなくなる。これが私の悪い癖だ。申し訳ないが、ココまで書いたところで私はメガネを外させて頂く。
出来れば、カク側、ヨム側、カクヨム側と多彩な意見を頂戴したいところであるが、アレコレと考えるのは皆さんにも毒にもなる。
疲れたと感じたら、どうかメガネを外して頂きたい。メガネをかけてない人は「オツカレサマ」と心で唱えてほしい。
兎にも角にも、3月の末は「オツカレサマ」が良く似合うものなのだから。
速読メガネ ふぃふてぃ @about50percent
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