第3話 目に見えないものを

子どもの頃に飲んだ

色のないコーラ

無味無臭

妻に話すと、

そんな物は存在しないと言う

ことばにしようとすると

簡単に消え失せてしまうこの世界は

もういっそのこと

ことばになんか しなければいい

ただ、世界には

そういったことばになりにくい物を

ことばにしようとする人たちがいる

介護士だって

職人だって

そうだ

作家だけじゃなくてね


そんなお節介で

もぞもぞしている人ほどそうだ

お金にならなくても

命懸けじゃなくても

5、6番でも

いいじゃんか


人たちの輪がシャボン玉をつくって、

巨人の少女が吹いたら

ふわふわと青空に消える

日曜日

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