6, 文化祭前日
文化祭で何をやるのかを決めた日から1ヶ月。
ついに文化祭の前日になった。
この1ヶ月の間、綾香に加えてひかるも不登校になっており、誰も彼女たちと連絡がとれないでいた。
華奈美と麻実も心配はしていたが、いつもと変わらず、気に入らないことがあったら私をいじめてくる始末。
それもシンプルにノートが破られたり、ゴミ箱に教科書を捨てたりと地味なものばかり。
思い通りにならないからいじめるなんて幼稚すぎだ。
今日は文化祭前日ということで授業はなく、1日準備に当てられている。
私たちのクラスがやるのは展示物ということでみんなで巨大な千切り絵アートを作ろうという話になった。
1枚の風景の写真を元に大きな絵を美術部の子たちが描いて、その上から折り紙を千切って貼る作業をしていたのだが、思ったよりも進みが遅く、今日1日で完成させなければならないという状況だ。
みんなが作業をしている間も華奈美と麻実は喋って全然手伝ってくれない。
「ちょーつまんないんですけど〜。なんかもっと簡単なやつにすればよかったのに〜。」
華奈美が文句を言い始めた。
「まぁまぁ、みんながやってくれるから私たちはテキトーに時間潰しとこ。どうせ誰も華奈美に口出しできないしね。」
「もぉ〜!すぐそーやってうちのこと盾にするんだから〜笑
でもまぁ、確かに誰も逆らえないのは事実だし。麻実、トイレ行こ。」
「うん。」
そう言うと華奈美と麻実は立ち上がって廊下へ出て行ってしまった。
(はぁ…本当にそうだ。誰も華奈美に逆らうことはできないし、何か問題が起きても理事長の孫だからすぐに揉み消される。誰も助けてはくれない。結局みんな自分が1番かわいいんだから。)
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