先生編
第16話 二人の教師とイチャイチャ①
放課後。
俺は図書室にやって来ていた。
楪の部活動見学の付き添いは昨日で終わった。
あれだけ、いろんな部活の見学をしていたのに楪は結局どこの部活にも入らないらしい。
部活動に入る入らないは個人の自由だから別にいいけど、朝日奈もよく自分の時間を削ってまで楪の付き添いをしていたなと思う。
それだけ二人は仲が良い証拠なのだろう。
そんなわけで、放課後、暇になってしまった俺は図書室にやって来ていた。
愛理は先に家に帰ってしまったし、朝日奈も今週行われる学力テストに向けて勉強をするために帰ってしまったし、楪も朝日奈と一緒に勉強をするらしく帰ってしまった。
俺も帰ってもよかったのだが、せっかくなら先日ゲームセンターで出会った先生たちと親睦でも深めようかと思っていた。
まずは、司書の水谷と親睦を深めることにした。
(結局、この前のゲームセンターでは自己紹介をしただけで終わったしな)
あわよくば水谷おっぱいを堪能したいと考えていた。
そんな俺のターゲットは貸し出しカウンターに座っていた。
まずは話しかけてみるか。
「こんにちは。この前はどうも」
「こんにちは」
今日の水谷の服はこの前ゲームセンターで会った時のような体のラインが分かるニットではなく、まったりとしたロングTシャツだった。
「先生何かオススメの小説ないですか?」
「普段何系の小説を読むの?」
「普段はラブコメかミステリですかね」
「ラブコメかミステリね。一緒に本棚見に行く?」
「お願いしていいですか?」
水谷は頷くと椅子から立ち上がった。
ズボンはこの前と同様フレアスカートだった。
水谷の後をついて行って、小説が並んでいる本棚の前に移動した。
図書室に初めて来たけど、かなりの本の量がある。
小説の本棚だけでも十個以上あった。
「これとか、これとか、後この辺も面白いわね」
ミステリ小説がずらりと並んでいる本棚から水谷は次々とオススメの本を取り出した。
「今選んだ本は読んだことある?」
「申し訳ないですけど、全部読んでます」
「そう。あなた意外と読書家なのね」
「一応、趣味ですからね。読書」
「いいわね。趣味が読書はポイント高いわよ」
「水谷先生も読書されるんですか?」
「当り前じゃない。司書なのよ? しないわけないでしょ」
「そりゃあ、そうですよね。水谷先生は普段どんな本を読まれるんですか?」
「私はミステリとホラーが主かな。もちろん他のジャンルも読むけど好んで読むのはその二つかな」
「ホラー小説読むんですね。ホラー小説って面白いですか? 俺、ホラー小説って読んだことないです」
「面白いわよ。なんなら、ホラー小説を何冊かオススメしてあげようか?」
「それはアリですね。せっかくなら新ジャンルを開拓してみるのも悪くないかもしれません」
「じゃあ、ホラー小説を何冊かオススメしてあげるわ」
「ありがとうございます」
俺と水谷はホラー小説が並んでいる本棚の前に移動した。
この前の印象からもっとそっけない人かと思っていたが、意外と親切で親身になってオススメのホラー小説を教えてくれた。
「とりあえず、その二冊を読んでみて。面白かったら、また別のやつを教えてあげるわ」
「分かりました」
「図書室の利用は初めてよね?」
「はい」
「じゃあ、貸し出しカードを作るからカウンターに戻りましょう」
貸し出しカウンターに戻ると水谷はすぐに俺の貸し出しカードを作り始めた。
「それにしても、あんまり人がいないんですね。放課後の図書室って」
「そうね。放課後は部活があるし、図書室に来るのは、よほどの本好きな人くらいよ」
「そうなんですね」
「永海君は部活やらないの?」
「俺の名前覚えてたんですね」
「覚えてるわよ。司書の記憶力舐めないでくれる?」
そう言って水谷は少しだけ口角を上げた。
(へぇ~。そんな顔もするのか)
水谷の意外な一面を見た気がした。
「はい。貸し出しカードできたわよ」
「ありがとうございます」
「一応、貸し出しの説明しておくわね。貸し出し期間は二週間で、十冊まで借りることができるわ。借りてる本を無くしたら破損したりしたら弁償してもらうから気をつけてね。それから、一週間以上返すのが遅れると一ヶ月本を借りることができなくなるから気をつけてね。とりあえず、そんなところかしらね。図書室のルールは」
「分かりました」
「これ、読んだら感想聞かせてね」
「もちろんです」
俺は貸し出し手続きの終わった本と貸し出しカードを受け取った。
「そういえば、図書委員の人はいないんですか?」
「いるわよ。今は返却された本を本棚に返しに行ってるわ」
「そうなんですね」
(さて、どうするか)
図書委員がいるのなら、ここで水谷に『催眠術』のスキルをかけてイチャイチャするのは危険か?
そのスリルを味わうのももちろんいいが、俺の頭の中にもう一つ候補が浮かんだ。
俺は『催眠術』のスキルを水谷に使った。
水谷の目の中にハートマークが浮かんだ。
「先生。三十分くらい席を外すって図書委員の人たちに言ってきてください。伝えたら保健室に来てもらっていいですか?」
「分かったわ」
頷いた水谷は椅子から立ち上がると図書委員のところへと向かっていった。
「さて、俺も移動するか」
俺は図書室を後にして保健室に向かった。
保健室に向かう理由は一つ。
天羽がいるからだ。
俺が思い浮かんだもう一つの候補とは保健室で天羽と水谷と三人でイチャイチャすることだった。
☆☆☆
次回更新4/24(水)7時
この続きを書いていいものか(笑)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます