めがね、あるある

【KAC2024】お題「めがね」

　これを書いている時点でわたくし藤瀬（ふじせ）京祥（けいしょう）の視力は0・02。

　なかなかにいい視力である。

　かなりの近眼である。

　ド近眼

　おそらく世間ではそう言われるレベルに達していると思われるが、まだまだこれから先もレベルアップする予定がある。

　どんどんレベルアップすると思われる。

　不本意ながら……

　そのため日常的にめがねorコンタクトレンズが必要となる。

　ここまで視力が悪くなると日常生活にも支障が出るためだが、見えないことに慣れると、家の中ならばなんとかなる場面もあり、入浴時や、夜中にトイレに行く時などは裸眼でもなんとかなる。

　但しこれには条件があり、少しでもいつもと違うと詰む。

　蹴躓いてもなにが起こったのか、とっさにはわからないのである。

　蹴り飛ばしたそれを見てもぼんやりとしており、なにが起こったのかを理解するには記憶を探り、なにを置いたか思い出して（・・・・・）ようやく状況を把握するという。

　見えているのに見えていない、そんな矛盾した生活を送っているのである。

　近眼あるある

　日常的にそんな塩梅なので、めがねorコンタクトレンズは必須となる。

　そのめがねを作るのがまた厄介なのは、ひとえに藤瀬の顔の造形に問題……ゲフゲフ……いえ、課題がある。

　鼻の付け根が低い

　わたくしの亡父はいわゆる鷲鼻でなかなかの男前だったのですが、娘のわたくしには全くといっていいほど遺伝せず。

　全く以て無念千万。

　残念過ぎる

　ええ、男前なところすら遺伝せずです。

　片鱗すら……いや、ちょっとは似てるかな？

　父方の親族には、兄弟の中でわたしが一番父に似ていると言われた記憶がある。

　……ということは似ている。

　つまりちょっとは男前ということでいいでしょうか。

　自己満足

　まぁ男顔の自覚はあるんですけどね。

　そんな藤瀬の顔を見て、あるめがね屋の店員さんがはっきりと仰ったんですよ。

「鼻の付け根、低いですね」

「………………」

　まぁ事実ですから反論はしませんよ。

　しかも視力が悪すぎて、圧縮加工をしてもレンズの厚みが結構ある。

　厚みがあるということはレンズが重い……というわけで、鼻あてがしっかりしていないとめがねがずり落ちる危険があるということで……

「このあたりのフレームから選んで頂けますか？」

　限定ですかっ?!

　指定ですかっ？

　いや、まぁ　「このあたり」　と、一応範囲指定なので選ぶ余地はあるのですが、今時のめがねをお洒落に楽しむことは難しいそうです。

　それこそ　「文字を見る」「車を運転する」　などといった、めがねの使用が限定的な人ならともかく、日常使いというか必須アイテムの視力にまでなると、もうあれですからね。

　顔の一部

　ほんと、四つ目とはよく言ったものです。

　さらにはですね、視力が0・02までいきますと、裸眼との差が大きくなりすぎて目に負担が掛かるからと、1・0までしか矯正してくれません。

　ちなみに店員さんはちゃんと説明をしてくれたのですが、実はコンタクトレンズも同じく。

　ただわたしがお世話になっている眼科医はそういった説明をしてくれない方で、1・0のめがねと見える世界が同じということで気づいたという……

　まぁいいんですけど

　これからも視力はさらなるレベルアップが見込まれるので、めがねの着用につきましてもレベルアップすべく、ますます顔の一部として……いえ、いっそ埋め込むべく努力していこうと思います。

　だってほら、そうしたら落ちないじゃないですか！

　それこそね……

　鼻の付け根の低さなんぞクソ食らえっ!!　……です。　　　　　ー　了　ー