第2話 プロローグ
かつて大きな戦争があった。
クレイニアム大陸中の国々が獅子王国率いるアニモル連合、そしてナバナ国率いるフローツ連合の二つの派閥に分かれて互いの戦力を削り合った。
それは単純ではあったものの、被害が途轍もなく甚大でもあった。どちらも多くの兵がなくなり、最終的には死者数が両陣営合わせて1000万人を超えたと言われている。
当時の人々はこの戦争はどちらかが滅びるまで終わらないとまで思っていただろう。だが、そんな戦争でさえ最後はあっさり終わってしまったのだ。
戦争が始まってから終始優勢だったアニモル連合がフローツ連合の国々を滅ぼし出したのである。フローツ王国の国々はこのままではジリジリ押されて負けてしまうと考え、短期決戦に出た。彼らの持つ最高戦力を集めてフローツ特戦隊を作り出し、アニモル連合の長である獅子王国本部にぶつけたのだ。結果フローツ特戦隊は七人いるうちの四人が亡くなったものの見事獅子王とその側近を打ち取る大金星を挙げた。フローツ連合はアニモル連合が体勢を立て直す前に総攻撃に出て大打撃を与えた。その後徐々に形勢が逆転し、アニモル連合側が敗北を認めて戦争が終結した。
それから2年が経ち、ボロボロだった建物が修繕され、経済が立て直し、国々で交易が行われ始め、子供達も飢え死ぬことが少なくなり、人口上昇の兆しも見え始めた。そう、平和な時代の幕開けである。
余裕のなかった時代から一気に状況が変化した。
これはそんな時代の物語である。
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