異世界美少女と異世界転移と思いきや、壮大な戦いに巻き込まれてしまった件
ちびだいず
異世界美少女と異世界転移
第1話 俺と異星人の遭遇
俺の名前は【
どこにでもいる、警察になることを目指す普通の大学生だ。
部活は剣道部に所属していて、これでも全国大会には出場しているぐらいの実力はあった。
あとは、大学のネームバリューを使ってアルバイトで家庭教師をしているし、わりと充実した大学生ライフを遅れていると思う。
ただ、残念ながら女の子と付き合ったことが無く、女の子の友達自体は多いものの付き合ったことはなかった。
つまり、童貞ってことだけれども、それは仕方がないかもしれない。
自分でもわかっている通りだが、いわゆる恋愛に関しては堅物なのだ。
決めたことは真っすぐ通す性格は、ヒーローものや刑事もののドラマを見ていたせいかもしれない。
そんなつまらない男を好きになる女性はなかなかいないというのが現実だった。
そもそも、親が転勤族のせいで幼馴染もいなければ、実は初恋だってしたことなかった。
そんな、物語的には普通のつまらない、だが俺にとっては満足している人生を謳歌していた大学3年制の夏。
衝撃的な出会いとともに、俺の人生は普通から逸脱してしまったのである。
それは、なんてことない大学生の夏休みの一幕。
大学3年生の夏休みともなれば、インターンシップが始まるわけだが、当然ながら春休みの時点で登録をしており、8月下旬に実施予定だった。
なので、俺は珍しく遠出をしてみることにしたのだ。
気分転換に山登り!
とは言っても、富士山みたいなガチの場所ではなく、弁天山のような、2時間ぐらいで登れる場所を選んで登ってみようと思ったのだ。
ただ、友人も誘ったけれども残念ながらこの時期はやはり忙しくて、予定の合う人がいなかった。
急に思い立ったし、仕方がないとはいえ残念な気分にはなる。だけれども、まあ仕方がないだろう。
そう前向きに切り替えて、俺は一人で山を登ることにした。
山道といっても、ちらほらと登山者とすれ違う。挨拶をしつつ、途中で知らないおば様方と談笑をしたりしながら俺は、山の中腹で休憩を取っていた。
「プハァ! 水がうまいなぁ!」
夏でも山の中は涼しいけれども、山登りは運動であるので汗が出る。
それに、都会の喧騒を離れ大自然の中で水を飲むというのは、いろいろな意味でリラックスできた。
本当に、空気がうまかった。
「しかし、本当に間が悪かったなぁ」
基本的に俺の友人は気のいい奴らで、誘えばなんだかんだ言えば付き合ってくれるのだけれども、今回は本当に間が悪かった。とはいえ、もともと一人でもいいかなと考えていたので、普通に一人で山に登っているわけだが。
それに、いつもの友達がいないのならば、山で作ってしまえばいいと思っていた。
同年代の連中もちらほら見かけるし、先ほどのように年上の方ともなか卯億なれば、楽しく山を登れるだろう。
そんなことを考えていると、急に空から何かが落ちてくる音が聞こえた。
ギュオォォォォォォォォン……!
「なんだなんだ?」
「まるで、飛行機が落ちてくるような音ね」
すると、その激しい音から考えられないくらい静かな衝突音が響き、地面が揺れた。
ズンッ!
「何かが落ちた?」
「隕石か?」
「隕石が落ちたら、クレーターになってるぜ」
俺は、周囲のざわめきになんだか胸騒ぎがした。
直感ともとれる嫌な予感ってやつだった。
「……みなさん! 登山は中止して降りましょう! なんだか嫌な予感がする」
「そうねぇ、隕石か何かが落ちたみたいだし、避難しましょ」
俺の言葉に、先ほどのおば様方が同意してくれる。その言葉を皮切りに、この場にいた登山者たちは山を下りだす。
「小野寺くんはどうするの?」
「俺は、既に山に登った人たちに声をかけてきます。大丈夫、俺って体力があるんで!」
「そう? まあ、それだったら任せるわね。あたしたちは下山したら警察に通報しておくわ」
「よろしくお願いします」
実際、隕石が落ちた時の管轄が警察なのかは俺にはわからないが、こういう時に市民が頼りにするのが警察だ。俺自身もそうあれかしと思っているので、俺は急いで登山して、山頂の登山者の様子を見に行く。
しばらく進んでいくと、俺の耳に聞きなれない言葉が聞こえてきた。
「من أنت」
「ربما قرد محلي」
「امسحها」
その言葉を発しているのは、見たことがない宇宙服を着た、軍人だった。
軍人だとわかったのは、武器を携帯しており、統率された動きをしていたからだった。
俺の頭の中で激しい警鐘がなる。
「お前ら、何者だ?!」
そう言うが、言語が違うので通じるはずもない。
すぐさま、宇宙服を着た連中は俺に発砲してきた。
俺はすぐさま横に飛んで回避する。
発砲音がしなかったし、飛んできたのはレーザーだった。俺は茂みに身を隠す。
「انتظر!」
俺は咄嗟に、道に落ちていた太めの木の枝を拾う。
あのレーザー銃は通常の銃器と同じで、貫通はしてこない様子だった。
それにしても、全身を宇宙服で覆っているからか、連中の顔が見えなかった。何者なんだ?
様々な疑問が頭をよぎるが、まずはこいつらを何とかする必要があるだろう。
なんでこんな日本の山にいるのかとか、観光地にこんな物騒な連中がいるのかとか、理解できないことだらけではあるが、とにかくこの窮地を脱しなければ話にならない。
俺は、不用意に近づいてきた奴のメットに木の棒で面を当てる。
「メェェン!!」
不意打ちに面食ったのか、運よくクリーンヒットしたらしい。
木の棒は折れてしまったが、宇宙服のメットにヒビが入る。そのヒビから水が漏れ出した。
「هل أنت بخير?」
「أحسنت لك」
俺は咄嗟に隠れる。
一瞬だが、確認しただけで3人の小隊のようだった。
音もなく、銃撃の嵐が降りかかるが、幸いにして森の中。武器となる木の枝ならばあいつらの攻撃のおかげでそこら中に落ちていた。
身を隠しながら接近して、攻撃を仕掛ける。
「こてぇぇぇっ!!」
俺は叫びながら、銃を持っている手を狙う。
これまでの剣道での鍛錬が実を結んだのか、正確に連中の一人から銃を奪取することができた。
「عليك اللعنة!」
「لقد سُرقت بندقيتي!」
俺は、本当は殺すことなんてことはしたくない。
だけれども、むざむざ殺されるわけにもいかない。
話も通じないし、いきなり銃を撃って殺してこようとするテロリストに、俺ができることはそれほど多くなかった。
「南無三!」
別に、銃は苦手ではない。警察官ならば銃の取り扱いもできる必要があると思い、モデルガンなんかで練習していたし、サバイバルゲームも嗜んでいたからだ。
だから、完全に無力化するためにも俺は銃口を別の奴に向けて撃つ。
「ギャアアアアア!」
「خاص!」
レーザー銃は、AKシリーズと使用感はさほど変わりなかった。
トリガーがあり、そこを引けば光線銃が発射されるという銃の基礎は変更がなかった。
ただ、高性能にもかかわらず、撃つ人物を認証する仕組みは導入されていないようだった。
俺は一人を無力化すると、足元の制圧した奴も無力化する。そして、メットを割った奴も無力化した。
「はぁ……! はぁ……!」
ひとまず、現状の危機は乗り切った。
だが、確認している暇はそんなにない。もしかしたら他にもテロリスト連中に襲われている人がいるかもしれなかった。
だから、人を殺したことに対しての罪悪感にさいなまれている暇はなかった。
とはいっても、俺はつい自分の殺した相手のことが気になってしまい、そのメットの中を覗き込んでしまった。
そこには、驚愕の事実があった。
「ぎょ……魚人!?」
水で満たされた宇宙服の中には、魚人の姿があった。
宇宙からの侵略者ではなくて、海底からの侵略者?!
ただ、そうだとするならば山の中にいることに違和感しかなかった。
「ど、どっちにしてもだ。最悪の事態になる前に何とかしないと!」
俺は、光線銃を手に、山頂に急いだ。
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