めがね

夢美瑠瑠




セピア色の眼鏡めがねをかけると、なんだか風景が懐かしいニュアンスを帯びる…


誰でも?まあ8割くらいの人は知っていることです。


青色をかけると未来都市みたいになる。

紫だとなんだか素敵にゴージャスな別世界になる。


「暢気眼鏡」という昔の作家の随筆があって、これは、苦労の多い日常を、滑稽なものとして、気楽にとらえる工夫として、「暢気」に見える眼鏡をかけていよう…


 そういう意味だと思います。で、文学史に?まあ残るような名随筆とされているみたいです。


 今で言う「脱力エッセイ」ですか…まあ心が病んでいるような人にはこういう肩の凝らない優しさのバイアスというかスパイスというか?そういうものがかかっている世界が処方箋として有効かもしれない。



 物事の解釈は結局脳みそがしていて、厳密な本然の事実は知りえない。極端に言うとすべては単なる幻想かもしれない。

 ソリプシズム、あるいはデカルトのコギト?

 こういう発想はだから、思索をつきつめていくと当然表れるわけで、普通はそこまで考え詰めないのでなあなあでなし崩しに生活していけるけれど、神経症とかでナーヴァスになっていくと、限りなく異様な様相を帯びることもありうる…


 色川武大さんの「狂人日記」という著書に描かれているような「狂気の世界」の異質さは鬼気迫るものがある。精神というものの紡ぎ出しうるイメージの極北のような、さながら次元という観念すら超越した異次元?狂気に侵された脳髄の投影するロールシャッハは、お手軽な解釈すら完全に拒絶している。


 シュールなダリの絵画でも、精神の暗黒は、底知れぬ合わせ鏡のブラックボックス。?つまり、整然と秩序付けられた昼間の意識は、砂上楼閣で、ぐちゃぐちゃになった、なっているフェイズが、炙り出しのようにいずれ浮き出てくる。


 熱平衡状態でしかない、冗長な言葉の堆積のような、壊滅したパンドラの箱。


 それが、歪んだ眼鏡でしか現実を観れない、不完全な私たちの運命かもしれない…


 その底に、希望は、…?

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めがね 夢美瑠瑠 @joeyasushi

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