7年前に仲良くなった女の子が7年後とんでもない美少女になってかつての約束を果たす為に社畜の俺の家にやって来たんだが?

アキノリ@pokkey11.1

第一章 7年前の約束

社畜の家に現れた華

第1話 約束と再会

社畜として働いてから既に3年が経過した。

まあ何というか22歳から働き始めて3年もクソ下らなくダラダラとよくもっているものだと思う。

一応自らではイケメンとしている顔も今はやつれまくってもはや面影はない。


どんな職業かといえばサラリーマンだ。

正直、今となって医者とか看護師みたいな資格とか持っていれば良かったなとか思い始めたこの頃。

一人暮らしを充実させる為に、だ。


そう考えながら今日、2月11日に珍しく仕事が17時に全て終わったのでそのまま帰って来た。

今日こそはゆっくりしてやるわクソッタレ。

それから一人暮らしのアパートの鍵を開け...あれ?

鍵が開いている気がする。

俺は「まさか。鍵を掛け忘れたかな」と言いながらドアを開けた。


「お帰りなさい。祐樹さん」

「ああ。ただい...は?君誰...?」


俺は衝撃を受けながらその制服を着ている女子高生らしき人物を見る。

腰までの薄茶の黒の長髪。

小顔でモデルの様でアイドルの様な顔立ちをしている。

2本の髪留めを前髪にしている美少女。

それから柔和な顔をしているが...っていうか俺はこんな女子を知らない。


「...俺は1人暮らしだ。女子高生の強盗は聞いたことが無い」

「はい!?強盗って酷いですね。夢洲祐樹さん。私ですよ。飯田桜子(いいださくらこ)ですよ!...もー」

「馬鹿な。桜子は7年前まで小学生...は!」

「いやいや。その時から7年も経っています。...そりゃ色々と成長しますよ」

「お、お前...7年前に生き別れたのになんで...」

「随分探しましたよ。...約束を果たして下さいね。...私と結婚して下さい」


その言葉に俺は世界が色づく感じがした。


この物語は...俺と桜子の。

将来の道のりを描いたストーリーだ。



社畜になったのは3年前の事だ。

そして今はよれよれのスーツを着た様なクソ馬鹿の人間になった。

アパートと会社を行って帰りするだけの社畜。

お金だけが貯まっていって...休みの日もすることが無いつまらん人間だ。

当然だがお金を使わない無趣味なので...女子に振り向かれる事も無い。


そんな人間だった。

社会から孤立した感覚はするが。

もう仕方が無いだろうな、と思い諦めている。

それから俺は今日、20XX 年の2月11日も社畜として働き帰って来た。

のだが帰って来て衝撃を受ける。


何故なら許嫁になりたいと主張する女子高生。

もとい、かつての俺の妹の様な存在が居たからだ。

でも生き別れた筈だった。

あの頃は...彼女はスマホを持ってなかったしな。

連絡手段が無かったのだが。


「それでまあ...よく俺を見つけれたな」

「祐樹さんの事は随分と人に聞いて回りました」

「...俺の親にもか?」

「そうです。合鍵貰いました」

「...あのなぁ...男の部屋に1人の女子高生ってのは危ない」

「え?祐樹さんってそんな人ですか?」


違う。

この子耐性が無いな。

思いながら俺は額に手を添えながら「良いか。桜子。7年経ってお前は綺麗になった。雪の様にな。...だから」とまで言うと。

目の前の桜子は目をパチパチしてから真っ赤になっていた。


「...そ、そうですか」

「...そ、そうだ」

「...」

「...」


何だこれは?

16歳の女子高生と社会人の男?

構図が危なすぎる。

俺は考えながら首を振ってから聞いてみる。


「そいでお前...結婚って何だ」

「そうですね。7年前に約束しましたよね。結婚しましょうって」

「...お前が9歳の頃だな。いや。約束って...あれはただの軽々しい口約束で...」

「でも私は本気で花嫁修業をしました。その約束を叶える為に」

「しかしお前...俺は16歳の女子高生に...」

「?...恋に年齢って関係あります?」


訂正。

これめっちゃ危ない。

そんな事を思いながら俺は顔を引き攣らせる。

それから「とにかく。叔母さんの許可をもら...」とまで言うと桜子は「はい。大丈夫です。許可済みです。寧ろ婚約まで応援するそうです」と言ってくる。

俺はずっこけた。


「...しかしお前。差が有る。幾ら何でも年上すぎるだろ俺は」

「???...さっきも言いましたけど...年齢って関係有ります?」

「...お前...」

「私、同級生、上級生、後輩。色々な人から告白されました。だけど全部断って今に至ります」

「...お前マジか...」

「はい。だって私は貴方しか目が無いですから」

「...」


まあ口約束だけの約束だ。

そのうち彼女は忘れてくれるだろう。

そう思いながら居ると「それはそうと」と口を膨らませた。

それから俺を見てくる。


「何だ」

「よれよれすぎです。スーツが...もー。全部整えます」

「いや。そんな事をしたらお前。帰る時間が無いだろ」

「?...私、今日からここに住みますよ?」

「...なんだ...と」


俺はどこぞの死神の話みたく言う。

それから俺は「待て。お前の家族とか俺の家族が」と言う。

だが桜子は「公認済みです」と笑顔になった。

そして柔和になる。


「両方の親御さんの許可は貰っています」

「馬鹿な...行動がクソ速い!」

「そうです。だって祐樹さんが先に知ったら絶対に「だが断る!!!!!」と言いそうですもん」

「...」


外堀が埋められていっている。

俺は「...一人暮らしの社畜の家に住むとか危険がある」と言う。

すると桜子は目をパチクリしてからにへらとする。

それから親指を立てた。


「「そんな根性はアイツには無い」というお達しです」

「...あのクソ親...」


すると桜子は「まあまあ」と言いながら「とにかく脱いでください。カッターは洗濯します。それから...」とテキパキする。

俺はその姿に赤面した。

いやちょっと待って。

これ暮らすの?この元小学生の女子高生と社会人の俺がマジに?

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