花を見る者

ねこつう

第1話 プロローグ



■プロローグ


先生、心配かけてごめんね。私が元気無かったから、心配してくれて手紙書いてくれたんだよね。

いまどき手紙でっていうところが先生らしい。

だから私も頑張って手紙で書いてみたよ。私、字が下手だし、作文苦手だから、パソコンで書いて印刷したんだ。

結構な枚数になっちゃってごめんね。


船橋駅の南口を出て、駅前通りをまっすぐ歩くと、柱みたいなものに二人の少女が座っている銅像がある。その奥に大きな建物、船橋文化ホールと中央公民館の建物。そこに続く階段があって、その左側。あずまやみたいになっていて(屋根がないけど)、石碑、そして、木があるよね。その木には、夏にはピンク色の綺麗な花が咲く。先生なら、これだけで、わかるよね。

そう。「そのとき」まで「それ」を私は気にかけたこともなかったんだけどさ。


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