今日も藤巻刑事は新人を育てる その六 最後の事件
久坂裕介
出題編
「
川べりの空き地に
「そうですね。久しぶりに見ますが、やはりインパクトがありますね」
そして
「
郡司は鑑識作業をしている、女性に答えさせた。彼女の説明によると、死因は腹部を刃物で刺されたことによる、出血多量死。傷の大きさからすると、おそらく包丁。さらにその包丁のようなモノで首を
「すると死体の
女性鑑識官は首を
「いえ。この
藤巻刑事は、彼女から名刺を受け取った。
「えーと、
と首無し死体のスーツを確認した後、スマホを操作した。
「えーと、片山マネキン株式会社は
すると奥野は、真剣な表情で呟いた。
「うーん。昨日、倒産した会社の社長が、首無し死体で発見されたか……」
それから藤巻刑事に、提案した。
「あっちの方に、ブルーシートと
すると藤巻刑事は、
「そうですね。そうしましょう」
その時、郡司は呟いていた。
「それにしても、
奥野と藤巻刑事はまずは、左にある小屋に向かった。奥野が、聞いた。
「すみませーん、警察なんですけど。向こうに首無し死体があるんですけど、何か知っていることはありませんか?」
すると小屋から出てきた男は、答えた。
「首無し死体? いや、知らないな。これから仕事だから、出かけたいんだが」
小屋の奥には、
「そうですか、ありがとうございました。でもたまには、お
それから二人は、真ん中にある小屋に向かった。警察なんですが、話を聞かせて欲しいと言うと、小屋の中で寝転がっている男は
「警察? ふん、警察なんかに話すことなんか、何もねえよ!」
それでも奥野は、食い下がった。
「あの、向こうに首無し死体があるんですが、何か知っていることは……」
すると男は、再び喚いた。
「だから警察なんかに話すことなんかねえって、言ってるだろう! 首無し死体? 知らねえよ、そんなもん!」
小屋の中には、男が寝ている布団だけがあった。他には、何も無かった。奥野は、礼を言った。
「そうですか、ありがとうございました。でもたまには、お風呂に入ったどうでしょう。ちょっと、臭いますよ?」
そして二人は、右側にある小屋に向かった。奥野は、聞いてみた。
「あの、警察ですが、向こうにある首無し死体について何か知りませんか?」
小屋の中で寝転がっていた男は起き上がり、答えた。
「首無し死体? いや、知りません。お力になれず、申し訳ない」
小屋の奥には、十個ほどのマネキンの首が
「あの、それらのマネキンの首、ちょっと気持ち悪くないですか?」
すると男は、微笑みながら答えた。
「いえ、実は私、
当然、奥野は聞いた。
「えーと、それは一体、どういうことですか?」
男は、説明した。私は人の視線が、大好きなんです。私に向けられる視線は、私が注目されているという
奥野は一応、頷いた。
「はあ、そこまでしますか。そこまで視線に、『目がね』えですか……」
死体があった場所まで
「さて、この事件、君はどう考えますか?」
すると奥野は、キッパリと答えた。
「はい。犯人の修平が今どこにいるのか、分かりましたよ。『木を
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