雑然

日本史上最大のギャンブル

　日本の人口がおよそ1億2450万人。

　おそらく今日開催されるギャンブルは過去に日本人が参加した娯楽としての賭けの中でも最大規模だろう。

　参加人数は220万人。

　そう……ニンテンドーSwitch2の抽選販売である。

　ニンテンドーSwitch2……ほしい。

　Switchオンラインの継続加入1年、ゲームのプレイ時間50時間以上がこの賭けに参加するための条件として提示された時、世間は厳しすぎる！　この絞り込み方は全員当選に違いない！　と騒ぎになった。

　ちなみに私は3年以上加入しているし、50時間なんて適当なタイトル選んでくれれば1本でだいたい超えてる。

　ゼルダBoWで100時間やってるし。マリオオデッセイでもマリオカートでもどうぶつの森でもまぁそのくらいやってると思う。カービィは流石に50はいってないと思うけど。

　しかし、抽選結果が発表される4/24――潮目が変わった。

　任天堂の社長から220万人という想定よりも応募が殺到したため、多くの人が落選するだろうというリリースが出たのだ。

　しかも、第二回抽選を含めたとしても。

　そりゃそう。

　220万台は無理でしょ。

　しかし当日まで全員当選楽勝ムードが漂っていたSNSが一気に冷え込みましたね。

　こいつぁヤバいぞと。

　事前にきちんとリリースを出したのと、220万て……っていう信じられない数字が出てきたことで炎上とかにはならなかったですね。

　むしろ誠意がある発表だったと思います。

　で、発表当日なんですが待てど暮らせど当落の通知がこないわけですよ。

　任天堂が初期出荷に何台用意しているのかまったく読めないからみんな不安に駆られるわけですよね。

　夜の21時くらいからSNSには落選通知の投稿が増えてきます。

　一方で当選の投稿はないんですよ。

　どうやら落選者から順に通知が行っているらしいぞと。

　全員せーので連絡がくるわけじゃなくて、順番に脱落させられていくという。

　これ恐怖ですよね。

　めちゃくちゃ怖い。

　これまで早くメールこないかなーと思って待っていたのがいきなりガラッとゲーム性が変わるわけですよ。

　今度は連絡きたら死ぬという。

　あの1時間2時間の転落式抽選なかなか味わえない経験でしたね。

　久々にアドレナリン出た。

　220万人参加のギャンブルで当たる当たらないでドキドキするなんて、今後もう一生ないかもしれない。

　いや……Switch3の時にもっかいやれるわ。

　なんでこの落選者に先行して連絡していたかというと先に当選通知を出すと、それを模倣した詐欺メールが出回るから当選者を後回しにしたのではないか、という説がありましたね。腑には落ちる考え方だなと思いました。

　創作におけるリアリティっていうのはこういうことかもしれません。

　急に創作論みたいなことを言う。

　SNS上のアンケートによるとだいたい当選率25％くらいだったんじゃないかと言われていますね。

　50～60万台くらいじゃないかと。

　大当たり確率1/4なんてほぼ100％じゃないですか。

　我々ギャンブラーは1/4を4回に1回も当たるなんて楽勝って感覚ですよね。

　リプレイかベル引けばいいんでしょ？みたいな。

　普段1/319とか1/399とかでやらされてるわけですし。

　一般人は4回に3回ハズれるって考えるからハズれるんですよ。

　心で負けている。

　急なよくわからないオカルト理論。

　大当たり確率25％ですけど、第2回もあるので1回転勝負ではないんですよね。

　参加される方は楽しんでください。

　私はもう参加できないので……。

　言ったじゃないですか。

　普段大当たり確率0.3%の世界で戦っているギャンブラーにとって25％なんて100％だって。

　※この物語はフィクションです。25％は25％ですからね。

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　先週『噓つきは同じ顔をしている』という著作が発売になりました。

　思っていたよりもとても評価が高くてちょっとビビっています。

　『近畿地方のある場所について』の背筋さんが面白いですよって帯を書いてくれた補正があるにしても、こんなに好評でいいの？ってちょっと怖くなってきてます。

　いや、お金出して買ってくださった方には楽しんでいただきたいので好評なのはいいことなんですけど。

　皆さんも是非、SNS上でこの作品を買った感想を書いて、私を恐怖に陥れてください。

　饅頭もこわいし、好評もこわい。