第4話
その頃から僕の空想癖は酷くなった。
雑木林に入っては、竹藪や面白い形の木、おおきく窪んだ地形などあちこちに秘密基地を作って遊んだ。
スポーツは道具が買えず陸上しか出来なかったけど、野球では甲子園に、サッカーでも国立に何度も行って大活躍した。
好きなコがピンチになると、ウイングマンにチェイングして助けた。
あまりの自分の無力さに、都合良く酔える空想の世界に逃避した。
長距離走は結構速くて、小学校では1、2を争った。
もちろん箱根も山登りを走った、と言いたいところだが、実際にやっている事は限界を知っていた。
だから都合良い空想は出来なかった。
好きなコを助ける空想も、毎回彼女をピンチにさらさなきゃいけない矛盾が苦しくなって出来なくなった。
中学生になると、どうやら勉強や運動の能力で周囲に認められたし、新聞配達をして学校のモノも人並みに買い揃えられる様になり、一時空想する必要がなくなった。
なんだかうまくやれそうな気がしていた。
その頃、両親が離婚した。
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