"Wednesday's Loop"ループする水曜日

@kaiji2134

第1話 時の祠

探検だと小学生じゃあるまいし……」

「別にいいじゃねーか。それに提案したのは晋也だよ。陽菜も来るぜ」

 目の前にいるこの男、東龍二は俺の幼馴染みで、こいつが居るだけで気温が三度は

上がるくらいの暑苦しい熱血野郎だ。晋也と陽菜というのも幼馴染で腐れ縁だ。

「それに探検と言ってもどこに行くんだよ」

「今日の水曜日の夜に宿直がいねーから、その時に学校の地下の『時の祠』って場所に忍び込むんだと」

「『時の祠』だと、どこだそれは?」

 俺は龍二に聞いた。

「学校の地下にあって心霊スポットで有名な場所なんだと」

「お前ら相変わらずそう言うの好きだな……」

 俺が呆れた顔で言った。

「楽しみにしていてくれよな」

「相変わらずのバカだなって……おい何かってに俺をメンバーに入れてんだ!?」

「え?どうせ暇だろ」

 龍二が俺に聞いて来た。

「確かに暇だが」

「じゃあ決まりな」

 そう言って龍二は食堂から去っていった。

「はぁ……暇だったしちょうどいいか」


水曜日

俺と龍二と陽奈と晋也は校門前に待ち合わた。

「『時の祠』は地下にあるとか言ってたが、どうやって行くんだ?」

「ああ、それなんだがな。普段は入口に宿直がいて入れないだが、水曜日の夜だけは居ないから入れるんだ」

 俺は洞窟の前で俺と龍二と陽奈に声をかける。

「結構不気味な所だな」

 洞窟の前には立ち入り禁止の看板が立てかけており、洞窟もまさに廃墟と言ったような場所だった。

「雰囲気あるだろう?」

 確かに心霊スポットとしては何か出そうな雰囲気でそうな場所ではある。

「立ち入り禁止って書いてんのに入っていいのかよ」

「後で謝ればいいだろ」

「何かあったら逃げればいいじゃない!」

「それもそうだな」

 龍二、陽菜お前らまで流されるな。

「じゃあ行くぞ」

 俺たちは晋也の後について行くと少し開けた場所に出た。

「ちょっと待て、あれを見ろよ。『時の祠』ってあれじゃないか?」

 晋也が指さした先には祠らしき物がポツンと一つ立っていた。


「つーかなんでうちの学校はこんなもん隠してたんだ?ただの祠じゃねーか」

 龍二の言う事にも一理ある。なんでうちの学校はこんなもの隠してんだ?

「来て損したわね」

 俺と龍二と陽菜と晋也が帰ろうとした瞬間に背後から女性の声が聞こえて来て、

「あなたにしか助けられないの……」

「なんだ………この声は!?」


 その瞬間、俺達は気絶してしまった……

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