心霊スポットに近いファミレスでバイトをしている私の話
@ku-ro-usagi
読み切り
心霊スポットの近くにあるファミレスでバイトしてる
だからかな
たまにでもなく水を多く出すミス多い
2人なのに3つとかはデフォルト
客がきた反応ないのにドアの内側に人がいたりして
「あれ?」
って思うけど
「いらっしゃいませー!ロイーズへようこそー!!」
って案内しちゃうよもう
本当に生きたお客さんだったら困るしね
生きた人間にくっ憑いてきたらもう尚更わからないし
働いてる側からすると
売り上げにならないし手間増えるだけから来んなよとは思うけど
生きていた時の習性なんだろうか
いつだったっけ
そうだ、夏休み直前
いかにもな肝試し後の客もまだ少なかったから
いつもは
夜は女の子は危ないからって店長が早く帰してくれるんだけど
その日は人が居なくて残ってたんだ
場所柄
深夜でもそこそこお客さんくるからさ
それでしばらく前に
その有名な心霊スポットのもーっと奥の廃墟で
集団自殺あって
なんかしばらくは店もざわざわしてたのを覚えてる
私が今住んでいるのは中途半端な地方都市で
でも田舎からの上京組も多くて私もその1人
ここのファミレスはそもそもが車必至は場所なんだけど
元はパチンコ屋とか他にも奥に店があってそのお客さんが来てたらしいんだ
でもパチンコ屋がだいぶ昔に潰れてしまい、他の店も徐々になくなって、ここも駄目かって時に
心霊スポットと呼ばれる場所が地元の若者の間で突如話題になって、帰りに寄ってくれるお客さんが増えたんだって
もうこのファミレスを最後に先に道はあれど灯りはパッタリ消えてしまう
その心霊スポットはね、雑木林の中に小さな掘っ立て小屋と井戸がある場所らしいんだ
そこが今までの割りとメジャーな心霊スポットだったんだけど
もう少し奥へ走ったその先は
ずっと雑木林でそれで行き止まりと思われていたんだけど
ギリギリ車が通れる道らしい道があってその先に元別荘だか何だかまだ状態のいい建物があった
そこを誰かが見付けて集団自殺の舞台にしたらしいんだ
幸か不幸か1人が生き残って通報して大騒ぎ
それでしばらく賑わってたけど
今はその「にわかの人たち」が居なくなって
よりタチの悪いマニアがやってきてる感じかな
それでその日は
夜の0時越えたくらい
夜のお客さんは特に長居しやすいのに、たまたまみんな帰っちゃって、お店が空っぽになった
店長とキッチンさんと3人で一息吐いてたら
駐車場に8人乗り?くらいのワゴン車が入ってきた
「わー人数多そうだな」
と思ってたらそうでもない6人
わいわい入って来ながら
「ねー大丈夫かなぁ?」
「すぐ迎えに行くし大丈夫っしょ」
「案外2人きりになれて喜んでたり」
「あ、ドリンクバー6人分で」
賑やかだけど
ちらほらと聞こえてくる会話からして
どうやら悪ふざけで
仲間を置きざりにしてここまで来たらしい
1人じゃなくて2人
くっつきそうな2人を
正確には男の方が彼女を好きで
彼女も満更でもなさそう?
で
「吊り橋効果で2人をくっつけちゃおう」
って
余計なお節介大作戦を決行したらしい
聞き耳立ててないよ
嫌でも聞こえてくるんだよ
だから、6人は30分も居なかった
ドリンクバーだけでも、みんな口々に
「ご馳走さま」
って言ってくれて
多分
悪い人たちではなかった
そのあとはもう
「お客様」
は来なくてね
片付けに入ってたら
もう数分でラストオーダーですよって時間になって
またさっきのワゴン車が凄い勢いで走って来たんだ
今度は店のドアの前に急ブレーキで停まってさ
さっきもまとめてレジで会計した男が自動ドアぶち破る勢いで入ってきた
「客が2人来ませんでしたか!?」
ってさ
「来てません」
って答えたら
それでも店内見回してから出ていくと
車に向かって両腕でバッテン作って見せてた
どうやら心霊スポットに戻ったら2人が消えていたらしいご様子
私はキッチンの片付け手伝ってた店長に
「先に上がりまーす」
と声を掛けると
あのワゴン車が街の方ではなくまた心霊スポットへ向かっていくのが見えた
うちの店はご存じの通り街中からは外れてだいぶ郊外にあるんだ
だからお客様用駐車場とは別に従業員用の駐車場が店の裏にあってね
愛車に向かったら助手席に女の子
普通に生きてる人
aちゃん
私の通っている大学の友人の、お友達
幼馴染みって言ってたかな
同じ県内の別の大学通ってて
私が通ってる女子大より偏差値が上の共学の子
友人を介して挨拶したことはある程度の顔見知りだったけど
お互いに顔は覚えてた
さっきのあの6人がドリンクバーの後に駐車場から出ていって
しばらくして
女の子が1人で入ってきたんだよ
車でもなかったから
(あれ、これ生きてる人かな)
って思ったけど
やたらめったら不機嫌そうな苛々オーラ出して入ってきたから
こりゃ生きてる人だなって
「いらっしゃいませー!」
ってメニュー手にして振り返ったら
お互いに
「ん?」
「あれ?」
ってなったんだ
それで
こんな所でどうしたと思ったら
友人の幼馴染みが
まさかの
あのワゴン車に置いていかれた女の子の方だった
しかもここまで歩いてきたと言う
ここまでは緩い下り道とはいえ距離はそこそこあり
通りにあるのは確か大昔に潰れたパチンコ店に整備工場とか、後は知らない
確かトタン屋根の空き家とか、後は雑木林が鬱蒼と続いているだけと聞いているし
かなり雰囲気あるし怖い道のりなはず
そう聞いている
それに
歩きなら戻って行ったお仲間のワゴン車とすれ違ってるはずだけど……?
おっとそうだった
私はお仕事中
「えっと、とりあえず座る?何か食べる?」
ラストオーダーギリギリだけど
aは黙ってかぶりを振り
「ごめん、タクシー呼ぶ間だけここに居させて貰える?」
って
チラチラ外を気にしてるのはどうやら雨が降りだしてきたらしい
「いいよ、でも、あの人たちを待たないの?」
君を探してるっぽいけど?
私の問いかけに
「絶対乗りたくない!!」
と吐き捨てるように声を上げた
あらら
相当腹を立てている
仲間の悪乗り大失敗
ならさ
「ね、ね、こっち来て」
aちゃんを店の裏に連れて行って
「送るからちょっと待っててよ」
愛車の鍵預けて助手席で待っててもらった
「いいの?」
驚かれたけど
「いいよ、もう上がりだから」
友人の友達だし
こんなことで安くないタクシー代使わせるのも勿体無い
幸い客用の道路沿いからこっちの車は見えにくいし
さっさと着替えてからお疲れさまーって裏口から出た
aちゃんは携帯を手に持ってはいたけど電源は切ってた
私は
あの悪乗り失敗ワゴンと鉢合わせしないように注意しながら車出して
aちゃんはまだ気持ちが収まらないみたいだし
私は話を聞きたいし
「ね、狭いけどうちに来る?」
と誘ってみた
部屋に帰る前にコンビニ寄って
甘いものと辛いものとお酒も諸々買ってさ
「お家の人に連絡しなくていいの?」
って聞いたら
「うちはみんな無干渉だから」
とさらりと返事
まぁあの時間に外をうろいてるくらいだから平気か
aちゃんはコンビニのプリンに酒を合わせられる人だったため
とりあえず強めに割って飲ませてみる
私は両膝抱えて柿の種の梅味をチビチビ食べてたら
その濃い目のハイボールを一気に煽り、それでも静かにグラスをテーブルに置いたaちゃんは
「ハーッ」
とまた大きく息を吐いてから
「ありがとう、……あと何だか色々ごめんなさい」
と深々と頭を下げてくれた
「いえいえ」
ただの好奇心と野次馬根性ですとは言い出せず
私は今度はチビチビと缶の檸檬サワーを飲む
今度はコンビニケーキを指で摘み頬張ったaの話だと
あの人たちはサークルの人たちで
夏の合宿の買い出しのメンバーだった
メンバーの1人男子bがaちゃんを好きらしく
それを知ったサークル仲間がbを応援しようと
それが買い出し後の
「心霊スポットへGO」
に繋がったらしい
心霊スポットに2人を置いていく企画
される方はたまったもんじゃないサプライズ
それでさ
周りが1つ勘違いしていたのは
aはその男子を何とも思っていなかったこと
「話しかけられたら普通に話してたよ、でもそれだけ」
そこは少し複雑で
更にこれは少し後に知ったことなのだけれど
aを気にしている男子がもう1人いて
仮にc君と呼ぼう
その男子c君を好きな女子がだよ
「aちゃんとbが付き合えば
cもaちゃんのことを諦めるだろう」
と
そんな淡い希望と期待で
「aちゃんもbを満更でもない」
と適当極まりない噂を広めたらしい
そしてその中心にいるのに何も知らされていないaちゃんは
元々怖いのは嫌いなのに無理やり心霊スポットへ連れていかれ
挙げ句何とも思ってない男子と2人きりにされたと
(うーん、そりゃ腹立つわ)
同情しつつも
ずっと気になっていた
「えっと、それでb君は?」
どこへ行ったのだ
「え……?……さぁ、わかんない」
何を思い出したのか眉を寄せて目を閉じてしまう
どうやらろくなことにはなってなさそうだけれど
私はまた黙って柿の種を摘まんでいると
aちゃんがゆっくり目を開き
「あいつら、他の子にまでに私が行方不明だとか連絡してないかな」
多分先輩たちをあいつら呼ばわり
aはバッグから取り出した携帯の電源を入れると
留守電の表示が何件も表示されており、aはわざわざ私にも見せてくれた
「電話、いい?」
「どうぞどうぞ」
留守電を聞いていたaちゃんは
また大きな溜め息を吐いてから
多分
あのワゴン車の中の1人に電話した
電話の向こうのざわめきや複数の声も漏れ聞こえたけど
aちゃんはそのやかましさにまた不機嫌そうに片眉を寄せると
「あの、私は1人で家に帰りましたしもう家に着きました
bさんの行方は知りません」
って一方的に告げてから
また電源を切ってしまった
「いいの?」
「平気」
aちゃんはそのままラグに両手を広げて後ろに倒れ込み仰向けの状態で
「はーぁ、最悪」
と呟いた
「ねぇ」
私はそんなaにローテーブルを経由して四つん這いでにじり寄り
aの額に新しい缶チューハイを当ててみる
「……」
aは目線だけで何?と聞いていたため
「向こうで、そのb君と何があったの?」
じっと見つめると
aは缶チューハイを受け取ってごろりと横向きになり
「なんかね、多分、bは初めは怖がってる私を大丈夫だよとか言うつもりだったらしいんだよ
でもさ
私はもう怖さとかよりこっちの気持ちは全く考えてないあいつらにも
目の前のbにもね
イライラしてきてたんだ
そしたらいきなり
『好きです』
って言われて
反射的に
『え、無理です』
って答えたらさ
何をどう勘違いしたのか目の前に立って
私のこと抱き締めてきたんだよ」
うわ怖い
「でしょ?
好きでもない相手からの抱擁なんて痴漢と同じだよ
びっくりしたよりも、もう気持ち悪いし
鳥肌立って目一杯押し返してさ」
「うん」
aの次の言葉までは少し間があったけど
「……そのまま走って逃げた」
怖さより腹立たしさでひたすらファミレスまでの道を競歩していたと
なるほど
そんな事があったのか
でも
「迎えにきた車とすれ違ったでしょ?」
「もう結構こっちまで歩いてきてたんだ、だから向こうが気づくより私が先に車の音に気づいて
ボロい空き家の外壁の影に隠れてやり過ごした」
なるほどね
さて
ではb君はどこへ
ワゴン車の男は「2人」と私に聞いた
心霊スポットにはb君もいなかったらしい
b君も歩いて帰ったのだろうか
店内から道は結構見えるけど
ずっと見ていたわけでもないから通り過ぎた可能性もあるけど
ファミレスって結構大きいでしょ
窓もね
道にも外灯あるから
歩いていれば姿を見掛けそうなんだけどな
aちゃんは
まだ少し躊躇うように視線を遊ばせていたけど
「なんか疲れちゃった」
とゴロリとまた仰向けに戻る
「このまま泊まる?」
私もうっかり飲んじゃって運転できないし
「いいのっ?」
aちゃんはパッと身体を起こして初めて少し笑みを浮かべたため
「いいよいいよ、飲も」
すでに2時も回る時間だけど
私たちの夜はこれからだ
「ハロー」
土曜日の午後にバイト先のファミレスに友人が店に来た
大学の私の友人でaの友人
「早上がりって聞いたから」
「うん、待ってて」
私はバイトしてる店で食事したりするのは
全然嫌じゃない方なんだ
多少の社割りもあるし
休日だけど雨のせいか客足も少ないから売り上げにも貢献しよう
友人を窓際の席に案内してから
着替えて店内に戻ったんだ
さっきまで一緒に働いてたバイト君に
「チョコパフェをお願いいたしますっ!」
と暗に無料での生クリームとアイス増量を頼み
「あの後どうなった?」
友人に聞いてみたけど
「事故で終わるみたい」
「そっか…… まぁそうだよね」
結果から言うと
あのね
b君は死んでた
あのアホたちがaとbを連れて行ったのは
元からある心霊スポットではなくて
更に奥の出来立てほやほやの集団自殺の現場だった
そこは元別荘だったみたいなんだよ
本当に昔のね
庭は景観が売りみたいで
要は割りと先がすぐ崖
当時でもよく申請通ったなって場所に建ってたけど
地震とか大雨で崖が更に崩れていたんだって
それでね
その別荘の元リビング辺りに置き去りにされた2人
いきなりbに告白&抱き締められたaは
恐怖でbを突き飛ばしてそこから逃げるように走って
bにもサークル仲間にも非常に腹が立ってたから
戻ってきた皆の乗ってる車をスルーして
とりあえず来る時にあったファミレスに寄ったと
うん
aから聞いていた通りだね
だからその時間は当然
aは勿論bもなぜか別荘にはいなくて
サークル車がまたファミレスにまで戻ってきた時は
aは裏手に停めてある私の車の助手席
そしてもう一度あの廃墟へ向かっている間に
aは私の車で私の部屋へ向かっていた
あの日の夜はね
飲み過ぎて昼まで寝てた
勿論aも一緒にね
でも二日酔いの私と違って酒に強いらしくaはケロッとしてた
一方
サークルの愉快な仲間たちは
もう店は閉まっているファミレスの駐車場まで戻って
aとbにしつこく電話を掛けてた
そしたら
aは
「もう家に帰ってる」
と聞いたこともない低い声で報告され
bは着信は鳴るものの留守電に切り替わるの繰り返し
aは多分タクシーを拾って帰ったのだろう
bは
ろくな結果にならずこちらの電話も出にくいのだろうと
能天気な結論付けをして
街まで戻ってその日は解散したのだとか
そして翌日
と言うかその日の朝だね
aはともかくbはやはり電話にも出ず何の応答もない
女子が同行を嫌がったため男子3人で再びあの別荘まで向かい
別荘を隈無く探し
まだ昼の明るい時間
庭に出ると割りとすぐに崖下なことにビビりつつ
恐る恐る崖下を覗くと
bが仰向けで転がっている姿を発見した
高さはそこまでじゃないけれど
bが落ちた先に運悪く大きな岩が剥き出しになっており
そこに後頭部が当たり
即死だったそう
まぁ友人の言う通り事故なんだろうね
仰向けで落ちていたとしても
元はと言えば死んだのだって半分かそれ以上は愉快な仲間たち
お前らのせいだろと
私は思う
「お待たせしました、チョコレートパフェでごさいます」
私の前に置かれたチョコパフェは
生クリームもアイスも規定の量だった
「それで、aちゃんは?」
「うん、警察とかには何度も話聞かれたみたいで余計に腹立ててたけど元気」
「そっか」
aとは連絡先を交換してたけど
あの日起きて携帯の電源を点けたaはまた苦い顔をしていた
送ろうかと言ったけど
タクシーで帰るから大丈夫だと言い
バタバタしてそうだからこちらからは連絡しなかったんだ
案の定忙しそう
早く落ち着けばいい
「ね、結局合宿には行くのかな?」
確かあの人たちは合宿のための買い出しメンバーだったはず
私は長いスプーンで下のチョコソースを掬いながら
ふと気になり疑問を口にする
「えー、まさか行かないでしょ」
友人は苦笑いしながら背凭れに身体を預けると
「……行くのかな?」
ファミレスの高い天井を見上げる
「さぁね」
aは当然サークルを辞めたと目の前の友人伝に聞いたし
そもそもきっかけも
大学に入ってから出来た友人に
「1人だと心細いから一緒に入って?」
の誘いで入っただけのサークル
aには特になんの思い入れもなかったらしい
「あ、そうだ」
大事なの忘れてた
と、背凭れからぐっと身体を起こしてこちらに顔を寄せた友人が
「例の、aを好きだったもう1人の男子c君」
「うん」
「その男子c君を好きで、aとbの両思いの噂を流したのがね
aに
『一緒にサークルに入って』
って誘った女子なんだってっ」
「それはまた」
なんとも難儀な話だね
友人は私よりも更に下世話な好奇心が強いのか
いつもよりテンションが高い
私は呼び出しボタンを押して
「チーズケーキ追加、クーポン利用で」
社員限定の紙のクーポンを見せる
「売上に貢献しろよ」
「やだよケチ」
それに今は私は客なんだから敬語使え浪人生め
「生クリームもアイスも増量してくれなかったことを私はしばらく根に持つからね」
私のそんな言葉に浪人バイト君は笑いながら戻っていく
次は頼まれてもシフト替わってやらんからな
おっと話が逸れた
それで
話を聞く限りさ
本当にただの事故だよ
aは被害者だと言ってもいいくらい
好きでもない男と心霊スポットに置き去りにされた被害者
友人も
「だろうね」
って不機嫌そうな顔をしていたし
でも
周りはそうは取らなかった
面白おかしく噂して話を大きくして揶揄して
aがbを突き落とした
aがbに乱暴されそうになった
された
そんな嫌悪感しか沸かない噂話まで広がり始めたらしくて
aは結局
夏休み明けて1ヶ月も経たずに大学を辞めてしまった
「ヤホ」
「aか、おはよ」
まぁ次の年度からうちの大学に来たんだけどね
おっとりした浮世離れしたお嬢様も少なくない女子大だから
向こうの大学の嫌な話までは流れて来ない
「君は今日もバイト?」
「うん」
あぁそうだ
bが死んだお陰で、その後のファミレスの売上が若干伸びてるよ
みんな大好き心霊スポット
集団自殺の後に事故死だもんね
忙しいのは嫌じゃないかって?
暇だと時間経つのが遅いんだよ
だから私は多少忙しい方が好き
多少ね、多少の混み具合がいい
「aは今日は?」
「cが大学まで迎えに来てくれるって言うから、午後にモール行ってくる、最近出来たでしょ、あそこ」
aは
cと付き合っている
aがサークルも辞め
嫌な噂やひそひそと遠巻きにされている間
サークルはもちろん辞めて
気にせず話をして一緒にいてくれたのは
時を同じくしてサークルを辞めたcだったのだそう
aが大学を辞めると伝えたら
「まだ告白は待とうと思っていたけど、このまま離れるのはイヤなので俺と付き合ってください」
って告白されたんだって
青春だ
あのサークルに限ったことじゃないけど
結局
周りの誰も彼も
渦中にいる人間の意思はまるで考慮せず
ただの噂をあてにしてこぞって見当違いなお節介は張り切って焼くんだ
面白がってね
それで結局起きたのがあれ
『活動的な馬鹿ほど恐ろしいものはない』
ゲーテの名言
まさにこれだよ
愉快な仲間たちの不幸な結末
一つも笑えないね
2
午後に大学サボってモールデートしてたaがバイト先に来たんだ
「泊まらせてー」
ってね
うん
aはうちによく泊まりに来る
私は上京組で一人暮らしだからね
ファミレスまでは彼氏に送ってもらったらしい
そのまま彼氏の部屋にでも泊まればいいのに
あぁ彼氏も地元の実家組か
「お待たせ」
「お疲れ様」
車に乗り込むと
「ね、あの別荘寄ってくれない?」
シートベルトをしながら唐突にaに頼まれた
「……えぇ?」
意図が分からずaをまじまじ見てしまうと
「私、あれからまだ一度もbに手を合わせてなくてさ
昼間も人が多いでしょ
平日のこの時間ならまだ少なそうだから」
確かに
でも普通はお墓じゃないの?
そう思ったけど
私はaの気持ちを汲んで少し怖かったけど行ってみた
無理無理無理無理カタツムリ
まだまだ人がいる
しかも沢山
更にヒャッハー系
女2人なんて到底無理ゲー過ぎて
空き地でUターンして逃げるように戻ってきた
バイト先が繁盛してるんだから気づくべきだったよ
バイト先のファミレスも通り過ぎ
しばらく先の交差点の赤信号で初めて顔を見合わせ
肩を竦めて2人で苦笑いした
けれど
私は思う
aはまだ
「何か」
を気にしているのだろうか
その何かは
私には見当も付かない
それからしばらくもしないうちにね
あの別荘の持ち主の代理人?みたいな人が見つかり
あの別荘は取り壊されることになった
手前の旧スポットも市が問題視してやっと何かしらするらしい
私は
(売上減りそうだなぁ……)
と思った
大学では私は友人とaと相変わらず仲良くしてる
それで3人で
スキースノボのオフシーズンに
ゲレンデを花畑にしているところあるでしょ
リフトで上まで行って苦労せず花を鑑賞できるの
あれに行こうと計画立ててたんだ
日帰り旅行ね
なのに
前日に友人が熱出して
「せっかくだし2人で行って来て……」
って友人もガラガラ声で電話してくるし
aとは
友人がいなければ間が持たなくて辛いという関係でもないしね
お土産買ってくるよと2人で行くことにした
aは免許はあるけど運転のセンスはない
私も別にセンスはないけどaよりはマシ
aに運転を任せてあのbと同じ世界線に立つのは嫌なので
運転は始終私
ドライブ途中で
「ラベンダーソフトはトイレの芳香剤の匂いする」
「チョコミントなんか元祖歯みがき粉味だろ!!」
「チョコソフトはうんちクリーム」
「お前な!全人類のチョコ好きに謝れ!!」
まさにクソみたいな不毛な喧嘩をしつつね
うん、馬鹿だね
それでも
スキー場のリフトから見下ろす花畑は綺麗だったし
その土地の名物らしいお蕎麦も美味しかった
名前忘れたけど滝も見た
春雨だか白滝だかの
ところでさ
マイナスイオンって、何?
それで
そんなんで散々はしゃいだ帰り道
すっかり陽が落ちた帰りの高速の渋滞中
あまりにおとなしいため助手席で寝てると思ったaが
「ね……」
と小さな声で話しかけてきた
「ん?」
「……あのね、あの時さ」
どの時
「しらばっくれないでよ、ファミレスで会った日」
「……」
あの日か
「私がbを突き飛ばしたのは本当」
「うん」
「……でも、初めはbは尻餅付いただけだったんだ、女の力なんて大したことないから」
「そうだね」
先の道で合流がありますます車が進まなくなる
「でも、それで言われたの
『本当はcが好きなんだろ』って
私はさ
本気で、はぁっ?って思ったよ
好きな人なんていなかったし
cの事もその時は何とも思ってなかった
でもね
私
『それでこの人が諦めてくれるなら』
って思ってね、頷いちゃったの」
山の影からゆっくりと月が顔を出してきた
「そしたらbがね
『じゃあ今からcに電話してそれを教えてやるよ』
って携帯弄り始めてさ」
「……」
子供かって突っ込みたいけど
bの中身は本当に子供だったんだろうね
周りのお節介に安易に乗って
玉砕したら冗談でもそんな幼稚な嫌がらせをしてくるくらいには
「私はね慌てて
『やめてよ』
って尻餅ついてるbに駆け寄ったら
bは笑いながら庭に逃げていったの
室内はキャンプ用の明るいランタンを置いていたけど
庭は真っ暗でしょ
bも私も先が崖になってるなんて知らなくて
私は
暗がりの先で振り返ったbの携帯を取ろうとして
でも足場悪くて
その場につんのめってbの胸当たりを思いっきり押しちゃったの」
遠くで高いクラクションの音が聞こえてきた
「そしたらふっとbがいなくなって
すぐにね、ゴッてなんか鈍い音がした」
「もういいよ」
車の中は逃げ場がない
「ダメ、共犯者になって」
無茶言うな
「でももう大した話はないから大丈夫
私はその場に屈んでね
bがいた場所に手を伸ばしたらもう地面がないこと知って
何度かbの名前を呼んだけど返事ないし
bの携帯の灯りも凄い小さくて遠いし
bがどうなってるのかなんてもう知りたくもなくて
部屋の中のランタン持って道路まで出て道端に置いて
そこからはもう話した通りに戻ってきただけ」
aはふっと息を吐く
「あの時はもう怖さよりも
もうbを含め
周りに好き勝手される怒りしかなくて」
あの時の
不機嫌さを隠さないぶっきらぼうな口調のaの顔を思い出す
(あぁ……)
この渋滞はどうやら事故渋滞だったらしい
事故処理が終わったのか段々スムーズになっていく
「それで?」
「……聞いてほしかっただけ」
嘘吐け
「aは悪くない」
せいぜい優しい声で言ってやる
「……うん」
一人で抱えていたものを、やっと吐き出せたのだから
「何も悪くないよ」
本当に
「……ありがとう」
小さな声は微かに震えている
なにより
「ね、あれはただの事故」
何より警察がそう判断した
そう
だからあれはただの事故だ
それより
「aはcとはまだつき合うの?」
「え?何、急に……?」
ヘッドレストから頭をもたげたaは怪訝な視線を送ってくる
だって
「aとbが両想いって嘘の噂を振り撒いた
cが好きな女子へのさ
その、多少は当て付けでc付き合ったのかと……」
チラッと思ったりしたのだ
頭の隅でね
ほんの少し
aはさぞ怒るかと思ったが
「違う違う、待って、そもそもそんな話も初めて聞いたよ
なにそれ?
2人きりにされてbの気持ちを何となく知りはしたけど
bが死んだ後は
私はもうみんなから遠巻きにされてて
サークルの人間はこっちから無視したし
全然知らなかったし耳にも入って来なかった」
ん?そうなのか
「うん、多分cもそんなの知らないんじゃない?……あいつ色々鈍いから」
惚気と取っておこう
では
友人が言っていた
「aをサークルに誘った同じ大学の女子が嘘の噂を流した」
は誰からの情報なのだろう
てっきりaからだと思っていたけれど
a以外に向こうの大学に知り合いでもいたのかも知れない
3
季節はどんどん過ぎていき
私達3人は進学
バイト先の浪人生ことバイト君は無事
浪人生から大学生へと昇格し、以前aがいた大学へ入学した
バイト君に話を聞くとaのいたサークルは普通に存続してるって
ははぁあれだな
『大事な仲間を失った可哀想な俺達』
に酔ってるタイプと見た
死んだ仲間を異様に美化するタイプの人間
一生解り合えないし解りたくもない
そんな下らない事を考えていたせいか
無意識に寄っていた私の眉間に何を思ったのか
「気になるなら俺がそのサークル入ってみようか?」
だって
どうしてそうなる
私が馬鹿なせいか全く理解できない
しかも
今更入ったって何か分かるとも思えない
そもそも
私は何を知りたいのか
それすら分かっていないのに
あぁ
えっとね
バイト君はbが死んだ時からやたら話を聞きたがり
aに許可取ってから、ある程度は話していた
それで何をするわけでもなく
話を聞いて満足してたみたいなのに、いきなりどうした
「自分の好きなサークルに入ってせいぜい楽しい青春送りなよ」
あんな人殺しサークルなんぞに好んで足を踏み入れなくても
「いや、シフト何度も変わってくれたお礼」
礼ならもっと別のもので寄越せ
「とりあえずサークル覗いてみるよ」
話を聞け
それに
「待って、何を知りたいわけでもないんだよ」
本当に
aからあの時の話を聞いてから
もうだいぶ経つ
バイト君があの大学に受かったからたまたま思い出しただけ
「分かった、じゃあお礼はバイト辞めるまでに何か考える」
「うん、そうして」
そう言ってたのに
「元凶となった、噂を流した先輩いたから話聞いたよ」
5月だったかな
「俺、人の懐に飛び込むの得意だから」
犬だったら尻尾振ってそうな顔をしている
それもあって
頭を撫でない代わりに
「聞きたくない」
とは言わなかった
バイト先のファミレスは
しばらく前から閉店時間が早まってて
(心霊スポットがなくなって深夜に客が来なくなったからね)
仕事終わりのまだ早い時間に
街中のチェーン店のカフェに腰を落ち着けた
「でもよく分かったね、そんな事」
向こうだって話したくない事ではないのか
「それは簡単
自分が一番って思ってそうな人を探して目星付けて
ひたすら話を聞きながら
『僕はあなたの辛さすごく解ってますよ』
みたいな事を言えばすぐにペラペラ話してくるよ」
何でファミレスなんかでバイトしてんの君
「新入生の確保も大変そうでさ、あの事故の事もイベント感覚で話してくれる人もいたな」
バイト君が言うには
3人目で当たりを引き
「その先輩曰く
私はaが誰を好きかは知らなかった
でも
入学当時にしばらくうちの大学の子じゃない子が混じっていて
気が合ったからその子がサークルに来なくなってからも
個人的にやりとりをしていた
正式にサークルの子じゃなかったから
気軽にcのことが好きとかも話せた
でもすぐにcはaのことが好きなんだって気づいて落ち込んでいたら
その子が
『aはbが好きだよ』
って
『aは奥手だし自分の気持ちを伝えるの苦手って言ってたから
外堀から埋めてあげようよ』
的な事を言われたらしい
その先輩は決して悪意などなくて
自分への利益と他者への純粋な慈悲と邪魔者排除の気持ちだけだったそうだよ」
それ十分悪意に匹敵する
私は思った
もっとしっかりこのバイト君を止めておくべきだった
余計な事をするなって
大きなお世話だって
言うべきだった
「それで、なんだっけな?
そうそう
『結局あんなことになって
aは大学辞めちゃうしcまでサークル辞めちゃって
サークルの空気も最悪
今更他サークルへ移るのも理由が理由だけに受け入れてもらいにくいし
今は残った人は惰性でみんなあのサークルにいるだけ
cともうまくいかなかったし
なんでこんなことになったの本当に可哀想な私』
要約するとこんな感じだった」
そっか
「……ありがとう」
私の平坦な礼の言葉を茶化してくるかと思ったのに
バイト君は
何だか少し寂しそうに笑うだけだった
何か知ってたのかな
このバイト君は
私と違って
頭いいしね
多分
サークルで噂を広めた彼女と仲良くしていたのは
私の友人でもあり
aの友人で幼馴染みでもある
「友人」
bが死んだ数日後にファミレスに来た「友人」は少しテンションがおかしかった
なにせあの噂を広めさせた張本人だったのだから
その結果があれ
あの時
「友人」
はどんな気分だったのだろう
むしろ噂を広げただけだと、なんとも思っていなかったのか
噂で幼馴染みを酷く傷付け退学までさせているのに
それまでは別に聞く必要もないし聞いたこともなかったけれど
aに聞いてみたら
「うん、あの大学は一緒に受けたよ
でもあの子は落ちても全然気にしてなかったな
女子大は受かってたし
『こっちは記念受験みたいなものだったから』
ってさらっとしてた」
あくまでも表面的にはそうだったらしい
でも実際は
そんな事はなかったんだと思う
「サークルに?うん、来てたよ、こっちのサークルだけ入ろうかなってね
でもやっぱり通ってる大学の方が合うんだろうね
そのうち来なくなったよ」
そう教えてくれたaは
電話口で
「……ねぇ、なんでそんな事聞くの?」
と不安気に聞き返される
そうだよね
ごめん
aと仲良くなってから分かったことだけれど
aの家はどうやら少しでもなく
かなり裕福そうだった
話の端々からそれとなく伝わるし
持ち物や小物1つ取っても安物ではなさそうだ
家には頻繁に県だか市だかの偉い人が訪ねてきているとか聞いたこともある
aは三兄妹の、兄、兄、妹の末っ子
末っ子の娘を溺愛し尚且つ嫌われたくない父親がとにかくaに甘く
無断外泊なども渋々許してしまうらしい
うちにちょくちょく自由に泊まりにくる理由も分かった
「締め付けすぎると反動が怖いから」
ってパパが言ってたよとa
そんなものかね
一方
「友人」
はどうなのだろう
友人も地元で実家暮らしだから気を遣うし遊びに行ったことはない
けれど
私立の女子大に娘を入学させるくらいだ
大学でも私やaより友達は遥かに多いし
楽しそうに見える
よその大学のサークルにデタラメな噂を広めて何をしたかった?
aが確実に面倒に巻き込まれるのに、
自分の利益のために噂を広めるような、そしてaに比べたら到底浅い付き合いの友人の応援をなぜする?
結果
あの最悪な惨事となったことをどう思っているのか
ほくそ笑んでいるのか
1人の時には腹を抱えて笑っていたのか
もしくは
まだ物足りないのか
それでも
今でも私は「友人」と仲良くしている
何も知らないふりをして
そうすることが私にとってもaにとっても
それが今の最善策だと
私は思っているから
4
「友人」の中では
aが元いた大学より偏差値の低いこちらに来たことで何かしらの溜飲が下がったのか
それからも特にaに言われもない噂などが広がったりもしていない
そして私は幸運にも「友人」から妬まれる対象では全くないようで
実際おかしな噂を流されることもなかった
そして「友人」は最近は別のグループとよく絡んでいる
それでもaは別に気にした様子もなく
「ね、また遊び行こ、旅行も行こうよ」
と私を誘ってくれるため私はaと2人でいることが多い
私は「友人」が私たちから離れてからも
ずっと
それこそ卒業まで「友人」の動向をさりげなく気にしていた
見ていると友人は定期的に色んなグループに移っていたし
色んなサークルにも顔を出していた
華があるしコミュ力が高いから出来ることなのだろう
初めは皆楽しげだ
しかし「友人」がいるグループはいつも少しだけ
段々とそこはかとなくギスギスしたものが生まれていく
表面上は仲良くしている
けれど
ふとした時にお互いを盗み見るような視線が絡み空気が軋む
それがとうとう隠せなくなってきた頃に
「友人」はまた別のグループにすり寄る
きっとお得意の根も葉もない
しかし、いかにもそれっぽい信憑性のある噂をうまく流しては
グループ内の関係がギクシャクするのを楽しんでいたのだろう
一度拗れた関係はそうそう簡単に元に戻るものでもなく
大概はそのまま崩れていく
いつだったか
「ここ数年、うちにしては休学と退学が少し多いですね」
「時代ですかねぇ」
学生課の職員が話しているのが聞こえた
ううん
別に「友人」のせいなどとは思っていない
それこそこじつけにも程がある
でも一人か二人はもしかしたら
消えていく原因の一つくらいにはなっているかもしれないとは思っている
5
心霊スポットが綺麗さっぱりなくなり
バイト先のファミレスは私の卒業を待たずに潰れてしまった
本当に長年、心霊スポットのみで持っていた稀有な店だ
大学を卒業後
「友人」とはこちらから一方的に連絡を絶てば、またろくなことにならなさそうだし
卒業後もメッセージが来たら返す程度の交流はあったけれど
ある時からふと連絡が途絶えた
今時
「ニートじゃなくて家事手伝いなの」
と言ってのんびりと働きもしないaが私の地元に遊びに来た
私は地元に帰って就職したからね
「ねぇ、あの子から連絡来てる?」
カフェでプリンパフェを頼むとaが私を見てきた
「来てない」
2人の間で「あの子」は「友人」のことだ
「そっかぁ」
aはそう深刻そうでもなく、もうどうでもよさげに壁のポスターに視線を移す
花火大会のお知らせ
「家、近いんじゃなかった?」
幼馴染みなのだ
「なんかね、お祖父ちゃん亡くなってご両親が九州の方に帰るって、もう家も売って今は空き家だって親から聞いたよ」
そうなんだ
それなら友人も両親に着いていったのかもしれない
aも何かしらを察しているのか、aからは一度も連絡を取っていないと言う
私とaの間ではもう「友人」の話題は終わり
「花火大会だって、これ観たい」
「いいよ、また泊まりに来る?」
「来る来る、ね、夏に海行こうよ」
「えー?」
私達の間では、あっという間に「友人」の存在は
ただ過去の人になって消えていく
欠片も残らずに
それっきり
ただの一度も「友人」からの連絡はない
aも「友人」名を出すことはない
思い出話の時も
まるで初めから存在すらしていなかったのように名は出てこない
それは私も同じ
大学で世話になった教授が倒れそのまま帰らぬ人になり
葬式へ出席したけれど
そこでも多くの同級生に会い挨拶などは交わす中
誰も「友人」の名を出さない
それはもう存在したかすら疑わしい程にただの1人も
不自然な程に誰も
でも
それでいい
きっと私が思うよりも早く
「友人」には何かしらのしっぺ返しが来た
それだけの話だ
ただ
それだけの話
心霊スポットに近いファミレスでバイトをしている私の話 @ku-ro-usagi
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