W6 ワールド オブ サレス

モコローとサライはボンバーぺターキーとビームシとダンゴロを組み合わせた車に乗って、サレスの元へ向かうべく高速道路を走行してしまっていた。



















「……着いた」


モコローとサライが高速道路の中心へ辿り着く。



サレスが数々の車を見下しているようだ。



「サレス!…何しようとしてんの!」


モコローが彼女に向けて叫ぶ。



「……おやおや、また出会うとはねぇ。しかも その歩行器とも」


サレスは2人の存在に気づき、振り返った。


そして背伸び。



「さぁて、私の計画を邪魔しに来たんだろぉ?わかるさぁ」


「多分この高速道路の利用者を幼児化して、事故を起こそうとしたんでしょ?なんで!」




「その通り!!………なんで?さぁ、なんでなんだろう?

私は気づいた時から、こうだったから、全くわからないな。

とにかく、お前たちは私の計画を阻止しようとするだろう?なら勝負でもするかえ?

特に事故を起こす理由を見出せないし…お前たちが私との勝負に勝てたら、計画をやめてやっても良いなぁ」





「…………今ここで やめるつもりは?」


「無いね」


モコローの情けを振り払ったサレス。

モコローは頷いた。



「すぐに手を出すんだね。ならこっちも手を出すまで。行くよ、サライ!!」

「お、おう」




「ここは危ないから、マジックミラーでも張っておこうかな?」


サレスはローブを広げる!




すると景色が禍々しい絵の具のような空になり、地面が薄い虹色となった。


とても不気味。ボンバーぺターキーとビームシとダンゴロを組み合わせた車も どこかへ消えてしまった!!


「⁉︎…あいつらは⁉︎」





「私たちだけの問題だからねぇ。彼らには外に出てもらったよ」


彼女はマフラーを手のように操り、先端からビームを放つ。



「⁉︎…」



ズドカァァァァァァァァァァァァァァン


地面が抉れ、瓦礫が吹っ飛ぶほどの威力。


「あ、危ねぇ速っ」



サライが一瞬の素早い動きでなんとか避けたが、タイヤがパンクしてしまった。


しかしサレスは続けざまにビームを撃つ。

速射性能が高く、ビームを撃っていら間にもビームを撃つ事が可能なようだ。


ズドカァァァァァァァァァァァァァァンズドカァァァァァァァァァァァァァァンズドカァァァァァァァァァァァァァァンズドカァァァァァァァァァァァァァァン



サライはアクセルとブレーキを繰り返し、ビームをギリギリで避けていく!


「モコロー、これじゃ攻撃されっぱなしだ。何か良い手は無いか⁉︎」



「もうある」

「?」


モコローはサライから飛び降りて、サレスを睨む。

なんとモコローの姿がいつもと違っていた。


↓サライ

「(ん、何か能力を手にしてるな)」


どうやらモコローは、ダンゴロがいなくなる直前に彼を指鉄砲で撃ち、能力を手に入れたらしい。



「さぁ、私が来た!!」

↑モコロー


ウィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン


彼は凄まじいスピードで回転し、サレスに突撃する。


しかしサレスは浮遊している。地上をどれだけ避けにくく走ろうが、意味は無い。



「(所詮アホだな)」


彼女は嘲笑いながら、ビームを回転しながら走り回るモコローに向けて撃ちまくる。


ビームが地面にぶつかるたびに、瓦礫が吹っ飛ぶ。




モコローはそれを見逃さなかった。


「『ホイール波動』!」


彼の今までの回転力が嘘かと思えるほど回転力が上がり、摩擦によって火花が発生する!


「⁉︎」


その直後、周囲の瓦礫が全てサレスの方へ飛んできた!



「(⁉︎…クソッ)」


彼女の周囲の地面が針のように上へ伸び、飛んでくる瓦礫を砕く。


ズドォォォォォォォォォン


「(視認不可能な速度で周りの瓦礫を弾き飛ばしたのか。だが私には通用s)」



目の前にあるのは、火の玉と化したモコロー。

生物には出せない摩擦力が炎を生み出し、弾丸のように彼はサレスへ一直線に飛んだのだ。


ガツンッ



サレスはマフラーで火球となったモコローを受け止める!


マフラーが燃焼し始めた。



「(火炎耐性の魔法が かけられていたマフラーですら燃えるだと⁉︎おかしい!)」


バシャァァァァァン


彼女は帽子の中から大量の水を放出し、モコローの炎を消した。


「…は⁉︎」


「間抜けだねぇお前は」



サレスは笑顔でマフラーを針に変え、モコローの顔面に突き刺そうと試みる。





ズッ






ズダァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン










間一髪でサライによってモコローは救出された。


「チッ、溢したか!」


サレスは少し離れた所で動けなくなっている2人に呼びかける。

モコローは元の状態に戻っていた。


「おや、おねんね の時間かい?子守唄でも聞かせてやるさ」



ジャキッッッッッッッッッッッ



モコローの真横から、巨大な斧が倒れてきた!


「…⁉︎」


彼は避けようとするが、サライが気絶している!

このままではサライは斧によって真っ二つに切られてしまうだろう。



「待って!!」



ズバァァァァァァァァァァァァン




サライの真上に刃が来た瞬間、モコローが倒れてくる斧を手持ちの斧で抑える。


どうやら斧を撃って斧の能力を手に入れたようだ。


「(ゔっ、重い!この斧重い!)」



ドンガラガッシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン




突然 目の前から斧が消えた。



「⁉︎…あ、サライ!」


「さんきゆっ、モコロー」



どうやらサライが意識を取り戻し、斧と奮闘中のモコローを急いで自分に乗せて避けたようだ。


「これで終わらせる!」


「楽しい時間も終わりかい?」









モコローはサレスに向かって斧をぶん投げた!



サレスはマフラーで斧をキャッチする!


「これで良いのk」



モコローとサライは無視してサレスの下を通り過ぎていく。


「ハァ無視すんな…」


彼女は振り返ろうとした時、目の前にいたのは…。
























モコローだった…!


「…!」


モコローは彼女の持っている斧を蹴り、彼女の顔にぶっ刺す!




「(は…?)」









ブシャッ



















































このスターダストスピードウェイの事件は結局 未遂に終わったものの、サレスが逮捕されるのは当然の話だ。


しかし事件現場には戦いで破壊された道、モコローとサライ、そしてが残っており、彼女の姿は無い。



どこかへ行ってしまったのかもしれないが、なぜ服だけは残っているのか?


警察の手に負えず、目撃情報もモコローとサライとスネットのみな事もあってか、捜査は終わってしまった。


あのサレスという女は なんだったのだろうか?

とにかく、幼児化した者たちは元の年齢へと戻っていった。


























そんな事モコローとサライが気にするはずが無いが…。


「ねぇあの店、美味しいアイスキャンディーがあるらしいから行こうよ!」


「しゃーねぇな小僧モコロー



すっかり仲良くなった2人である…。

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