9話 ママのドレス
そして死を迎えなかった―――
「えっ…?」
俺は自分の体を見て愕然とした。
傷一つない。服は破れてもいない。
まるで、何事もなかったかのようだ。
「ど、どういうことだ…?俺は、確かに…」
「ケンタ!あなたの選んでくれたドレスが、私達を繋ぎとめてくれたのよ…!」
「このドレスの加護は、バフスキルを人にも適用するの」
「たった、1回限りだけどね」
ママが涙を流しながら言う。
今度は俺の頬も、歓喜の涙に濡れていた。
『ケンタ、リエ、あなた達の愛の絆は素晴らしい』
『妾は深く心を打たれた、これからもその絆を大切に生きるのだ』
そう言い残すと、女神は光となって天に昇っていった。
地上に舞い降りた奇跡の光を浴びながら、
俺とママは新たな人生の一歩を、異世界で踏み出すのだった。
―――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます