桔梗ヶ原の狐

最時

第1話 プロローグ

 今日は長野県塩尻市の商店街にある、市民交流センターえんぱーくの市立図書館で調べ物をさせてもらった。

 塩尻市は長野県の中央あたり松本盆地南部に位置する。

 古くは中山道を通して、奈良井宿は今でも宿場町の建物が多く残る塩尻の観光地だ。

 現在でも交通の要所になっている。

 郊外の桔梗ヶ原はブドウとワインの産地で、生産量は山梨県に次ぐ長野県内で一位のワインの街だ。

 というのは現在の話で、昔の桔梗ヶ原は地質や水の問題で農耕に適さない広大な原っぱだった。

 そこには多くの狐がいて玄蕃之丞(げんばのじょう)という、いわゆる化け狐の伝説ができた。


 私は各地の狐の伝説を調べている。

 それぞれ地域の特徴が出ていてユニークな話が多い。

 今回図書館で玄蕃之丞伝説を調べさせてもらったが面白い。

 街道の街らしく玄蕃之丞一味は大名行列に化けたり、交通の要所らしく汽車に化けたりとなかなか規模が大きい。


 夏には玄蕃之丞にちなんだ玄蕃祭りという盆踊りが行われていてDVDで映像を見させてもらったが、楽しいお囃子と踊りだった。

 少し前に野球でキツネダンスが流行ったが、これが元祖キツネダンスじゃないかな。


 キツネはかわいらしいイメージもある。

 塩尻市でも「げんすけ」や玄蕃之丞の娘という設定の「玄蕃サラ」と言ったキャラクターが人気のようだ。


 ただ、玄蕃之丞の話の中には自然環境を思うような話もあって、考えさせられるものもあった。

 塩尻に来て良かった。

 私はえんぱーくを出て駅へと向かう。

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