【KAC20248】髪が金色がかったピンクで、めがねっ子で、猫耳・・・僕の彼女は、いろんなキャラを欲張ったようなアイドルみたいな天使なんだ。

猫野 尻尾

第1話:徐符絵留(ジョフエル)

この世に天使がいるなんて誰も信じてないだろう?


でもいるんだ、天使って。


金色にピンクが混ざった色のことをアプリコットピンクって言うらしい。

その上、めがねをかけて・・・猫耳って・・・。

いろんな可愛い系のキャラを欲張ったような、そんなアイドルみたいな

天使が僕の彼女。


髪の色がアプリコットピンクで、めがねをかけて猫耳なその天使の名前は


徐符絵留ジョフエル」って言う。


なんで名前がわざわざ漢字なんだって思うけど、これは日本にやって来たサッカー

選手が自分の名前を当て字にしてるパターン・・・あれと同じらしい。

それも自分をアピールする一環。


彼女の持つスピリチュアルイメージはピンク。

ピンクは愛の色。

無条件の愛、大いなる美、創造の次元、喜び、心地よさ、慈愛、人間愛、上昇、豊かさを表す普遍的な色。


そんな彼女と僕の出会いはネットだったんだ。

彼女は天国でSNSを利用して自分をアピールするためネット配信していた。

いわゆる、かまってちゃんの部類の入るのかな?


配信は天国ばかりじゃなくて、地上・・・人間の世界にも届いていた。

自分をアピールするには人間界のほうがいいに決まってる。

天国より、圧倒的に人間の人口のほうが多いからね。


で、その「徐符絵留ジョフエルちゃん」のことをネットで初めて知った僕は

一気に彼女のことが好きになって、せっせと歯の浮いたようなコメントを書いて

送っていた。

僕が欠かさずコメントを書くもんだから、そのうち彼女から反応があった。

彼女と少しづつ交流を深めていた僕は、プライベートでも仲良くなりたくて

会えないか聞いてみた。


そしたら会ってもいいって・・・ラッキー。

だから僕の家の近所の公園で待ち合わせることにした。


最初は彼女のこと、天使だなんてこれぽっちも思ってなかったんだ。

だから人間の女性だと思ってた。

彼女が僕に言った私は「天使だよ」って言った「天使」ってワードは自分を

アピールするためのキャッチコピーだと思ってた。


彼女は言った。


「あなたは天国に会いに来れないから、私が地上に降りて行くから」って・・・。


天国?・・・降りて行くからって?・・・何言ってるんだろうって思った。


そしたら「徐符絵留ジョフエルちゃん」は、自らをアピールするように

満を持して天国から降臨した。

彼女が言ったとおり空から降りてきたんだ。


信じられない光景だった。


それは、まぎれもなくパソコンのデスプレイで見ていた可愛さ満載の彼女だった。

髪の色がアプリコットピンクで、めがねをかけて猫耳な天使、まんま。


彼女は僕を見るのは、はじめてだったけど、躊躇ためらううことなく、快く

受け入れてくれて、そして僕たちは季節とともに、お互いを認め合う恋人同士に

なった。

そうやって彼女は時々天国から降りて来ては地上で僕との愛を育んでいった。


で、彼女の髪の色がアプリコットピンクで、めがねをかけて猫耳なその出で立ち

だけど・・・天使も普通に近視になったりするんだって思ってたら、伊達めがね

だって・・・近眼じゃないんだって。

「めがね」は狙いでかけてるんだそうだ。

めがねをかけてたら、賢く見えるからだって。

猫耳も同じ・・・自分を可愛くよりよく見せるための演出。


まあ、たしかに「徐符絵留ジョフエルちゃん」には人間にはない、可愛さ

美しさがある上に自らのプロヂュースによってさらに可愛さを増している。


そんな幸せ色を持った天使に愛されたとしたら・・・それは理想的と言える。

だから僕は運が良かったんだと思ってる。

天使と仲良くなれたんだから・・・。


普通に生きてる人は天使に巡り合えることなんかないし、また天使の存在を

信じてる人など、ほぼいないだろうし、天使は伝承にの中だけの空想のキャラ

だと、みんな思ってる。


僕だって最初はそうだった。

天使が普通にネットを利用してるなんて思わなかったからね・・・でも今は

みんな自分をアピールするそんな時代なんだって思う。


たとえばもし「徐符絵留ジョフエルちゃん」が目の前に現れて


「私、天使です」


って言われても冗談でしょ?って言うか、頭のおかしな女だと思ってしまう

だろうな。

だけど、現実に天使はいて天国で人と同じようにリアルに生活している。


そんな中で天使が彼女って、なんて幸せで贅沢なんだろうって思うね。


髪の色が金色にピンクが混ざったアプリコットピンク・・・めがねをかけて

しかも猫耳って・・・。

いろんな可愛い系のキャラを欲張ったような、そんなアイドルみたいな天使が

僕の彼女。


天使は伝承や空想の中だけのキャラじゃない・・・君の隣にだって普通に

天使はいるかもしれないよ。


おしまい。







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