【KAC20248】 黒猫サファイアとトリさん

るしあん @猫部

天知る、地知る、トリさんは知る !

【サファイアside】


 妖怪テレビの仕事が終わり、家に帰ったボク。

 リビングに山に成った『トリぐるみ』に思わず、っ……点に成ってしまった。


「どうしたのさ、コレトリぐるみ ?」


 七之助の手伝いをしていた八重が、


「この間、お父さんに作ってもらったメガネトリのストラップをスポーツバックに付けて学校に行ったらね。

 クラスの友達達で人気に成ってね。

 何処で買ったのか聞かれたの ! 」


 なるほどね。

 七之助の無駄に器用な特技が役にたった訳だ。

 栞ちゃんや十八番エース、家族だけでなく居候している妖怪達もメガネトリのストラップ作りの手伝いをしている。

 あのグータラな、ぬらりひょんまで……


「断れなかったんじゃ !

 栞ちゃんにに頼まれた上に幻の日本酒『高天ヶ原』を提供してもらったんじゃ !

 儂は名酒にえんじゃ ! 」


 チョ チョロ ! ぬらりひょんがチョロいと云うより栞ちゃんが策士だったのかな ?

 どうやら、ボクのいたのか、だったようだね。


「コレ、カクヨムのスズメ? ウズラとか鳳雛ほうすう、フクロウなど、カクヨム運営公式Discordサーバーでも話題に成っていたようだけど、何のトリなのさ ? 」


 しかし、七之助も栞ちゃん、八重、十八番や妖怪達も顔を見合せるだけで答えが出ない。


 ♬♫♪♩♬♫♪♩♬♫♪♩


 何処かで聞いたようなアニソンの曲が流れた。


「そこまでだホ ! 」


「誰 ? 」


 ボクが聞くと同時に皆が探したら、


「山を越え谷を越えて、やっと着いたっホ !

 都会育ちのボクには辛かったっホ !

 空を飛べども鳥でなく、人語を解せど人でなく、しかしてその実体は・・・!?

 カクヨム世界のアイドル、トリさんっホ ! 」


 カクヨムのトリさんが七之助の家に現れた !


 八重も十八番も目を輝かして喜んでいる。


「今日、来たのはっホ、偽物のトリさんストラップの噂を聞いて来たんだっホ !」


 トリさんが七之助の手作りのメガネトリを見ている。


「いやいや、これは私が製作したメガネトリの『芽鐘めかねちゃん』なんですよ~♪」


 誤魔化す七之助だけど、


「嘘を付くと、垢BANするっホ ! 」


 顔を真っ青にした七之助は正直に白状した。

 よわっ ! そんなにカクヨムの垢BANが恐いんだ。

 七之助のを聞いたトリさんは、


「悪意は無いみたいだし、初犯だから見逃すっホ !」


「よっ、太っ腹 !」


 さくら猫又が合いの手を入れると、


「止めて欲しいっホ !

 最近、運動不足で気にしているっホ ! 」


「東京から飛んで来たんじゃないの、トリさん ?」


 八重が質問するとトリさんは、


「長距離は飛べ無いっホ !

 電車を乗り継いで来たんだっホ ! 」


 シュールなことを言うトリさん。

 七之助の手作りメガネトリ芽鐘ちゃんは没収に成り、KADOKAWA本社に送ることに成った。


「当たらないから、作ったのに……夢くらい見せてよ 」


 落ち込んでいる七之助を慰めている八重と十八番。

 人の夢と書いてはかないというけど、さすがに落ち込んでいる七之助には言え無いよね。


「それじゃあ、帰るっホ !」


 トリさんが帰るのを見送りながら、ボクは……


「カクヨムからリストラされたらウチにおいでよ、トリさん ! 」


 ギクッ !

 少しビクビクしながらトリさんは、


「そっ そんなことは無いっホ ! 」


 強がりを言いながら帰ったトリさん。

 だけど、ボクは知っている。

 KADOKAWAで人気のアノお三方がトリさんの座を狙っていることを !


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