第7話【悩みを】現実の世界は残酷で【聞いてくれ】


51:名無しさん@ダンジョンマスター:

>>50

死ぬなら1回しか挑戦できないけどなwww


52:名無しさん@ダンジョンマスター:

>>50

世界の滅亡を止めるとか自分の力過信しすぎだろ


53:名無しさん@ダンジョンマスター:

>>52

今はダンジョンがあるんだぞ!

可能性あるやろ!


54:名無しさんはロボ娘愛好家:

でも挑戦って大切だよな

何もせずに諦めるのと一回挑戦して諦めるのは価値が違う


55:名無しさん@ダンジョンマスター:

>>54

いいこと言うじゃん


56:名無しさん@ダンジョンマスター:

>>54

こんな安価スレじゃなくて人生相談スレで悩み聞いてやれ


57:名無しの雷帝:

もしやる気があるなら鍛えてあげてもいいよ


58:名無しさん@ダンジョンマスター:

そのコテハン…もしかしてあの雷帝さん…?


59:名無しさん@ダンジョンマスター:

ヒィッぃ!雷帝が何故こんなスレに!?


60:名無しさん@ダンジョンマスター:

もしかして自分より可愛い美少女を消しに…?


61:名無しさん@ダンジョンマスター:

流石は雷ばばっ…おっと


62:名無しさん@ダンジョンマスター:

>>61

死んだなこいつ


63:名無しの雷帝:

違うわ!最近このスレの女の子が話題になってるらしいからぜひ勧誘にって思ってたんだけど、なんか人生相談してて凄い出にくかったのよ…


64:名無しさん@ダンジョンマスター:

何だ、ただの勧誘か…え!?勧誘!?!?


65:名無しさん@ダンジョンマスター:

流石は百合ババア…手が早いな…


66:名無しの雷帝:

は?


67:名無しさん@ダンジョンマスター:


68:名無しさん@ダンジョンマスター:

オイオイオイ


69:名無しさん@ダンジョンマスター:

タヒぬわあいつ


70:名無しさん@ダンジョンマスター:

ま、そんなことは置いといてだ(汗)

人生の大先輩である雷帝さんも答えてあげたらどうだ?

迷える子羊を導いてやってくれ


71:名無しの雷帝:

世界が滅亡しそうだったらっての?

そんなの迷う必要もないでしょ? 

滅びの原因が分かってるなら全部ぶっ壊せばいいのよ


72:名無しさん@ダンジョンマスター:

おお?


73:名無しさん@ダンジョンマスター:

雑だなおい…


74:名無しの雷帝:

そりゃね

悩んでても変わらないのならとりあえずやってみればいいのよ


75:名無しさんはロボ娘愛好家:

流石は雷婆

言葉の重みが違うな


76:名無しの雷帝:

北海道の探索者だっけ?ロボ娘愛好家さんって


77:名無しさん@ダンジョンマスター:

だからあれほどコテハンはやめろと…!


78:名無しさん@ダンジョンマスター:

ありがとうロボ娘愛好家

ルエルたんは俺が面倒見るからゆっくり休んでくれ


79:名無しさん@ダンジョンマスター:

ナチュラルにルエルたんの所有権を主張するな


80:名無しさん@ダンジョンマスター:

ルエルたんは僕の嫁だぞ!




…………………………


……………


……



「まあ、そうだよな」


 やはり、みんな崩壊するのなら好きなことをしようと言っている。当然だ。世界の滅びなんて人間に止められる話ではないのだ。


 ……だが、選ばれた安価は…


「頑張る……か…」


 薄っぺらい言葉だ。


『滅びが止められるものなら頑張る。無理なら諦める

でも、どうせ死ぬなら、止められるかどうか1回くらいは頑張ってみるかな』って…


 笑わせてくれる。可能性があると知っていても、実際その時になれば何もできないものだ。


「ふっ…ロボ娘愛好家さん乙っと…」


 掲示板にそう文字を打ち込む。


 このスレの住民たちは本当に人生楽しそうだ。


 気楽で、馬鹿みたいに騒いで、楽しんで、馬鹿にして…最期は皆死ぬ。


 どれだけ幸せでも、最期は意味不明な化物によって飲み込まれて…


 だが、俺には関係のないことだ。元々俺がいなければそのままこの世界は滅びていた。俺がいてもいなくても、その未来は変わらないはずだ。


 だから無理だと投げ出そう。諦めよう。俺はそうやって生きてきた。


 小学生の頃は親や先生、友人と誰かの機嫌を伺いながら過ごしていた。中学生の頃は厨ニ心を隠して誰にもバレないように教室の隅で漫画を書いていた。高校生の頃は初めて付き合った恋人の好きなことに合わせて、優しい恋人を演じていた。


 大学生の頃は…初めてのひとり暮らしてテンションが上がって、誰にも何も言われず、左右されない人生に感動した。


 無情な天使は何も言わない。スレッドの住民たちも何も言わない。この世界を生きる人たちも救ってくれなんて言わない。


 だから…


「ふざけんなよ…」


 このスレを立てたのは俺だ。安価に従わない安価スレがどこにある…?


 安価とは絶対的な『命令』だ。安価に従わなくては、彼らは飽きてこのスレを去ってしまう。


「なら…やってやろうじゃんか…」


 恐怖で手が震える。そりゃそうだ。普通に過ごしていればあと80年は生きられる命を捨てようとしているのだから。


 ……いや、これはただのこじつけだ。自分を奮い立たせるための嘘。他人のせいにしないと生きていけない自分の弱さ。


 だが、それでもいい…それでもいいから…!


 そうして、ある掲示板の安価スレッドに、一つの安価が書き込まれた。




112:ナナシノダンジョンマスター:

今日からダンジョン運営しながら世界救うんだけど、まずは安価で俺の装備募集するwwwwww

武器 >>180

装備 >>200

質問は受け付けてるぞw

あとナナシって名前捻りなさすぎだからセンスあるやつ誰か名付けて

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る