プリンセスナイトと助っ人
シロウは自分の装備が変わっていることに気がつき騎士の様な格好をしている。メニュー画面を開きステータスを確認する。
シロウ レベル50 【プリンセスナイト】
【ドラゴン族】
装備
武器
プリンセスソード
【STR+200】
変幻自在+
【STR+200】
【MP+150】
防具
騎士の鎧
【VIT+80】
騎士のシャツ
【VIT+43】
騎士のズボン
【VIT+32 AGI+25】
騎士の靴
【AGI+77】
スキル
【加速アクセル】【器用貧乏】【隠密】【鑑定】【剣の心得Ⅳ】【スラッシュ】【クロススラッシュ】【サークル・ソード】【シグナス・スライサー】【状態異常耐性(大)】【物理耐性(中)】【魔法耐性(中)】【気配察知】【体術Ⅳ】【投擲】【料理】
【魔道書庫】【形態変化】【魔法の心得】【MP強化(中)】【MPカット(中)】【MP回復速度強化(大)】【魔法威力強化(大)】【火魔法Ⅲ 】【水魔法Ⅲ 】【風魔法Ⅲ 】【土魔法Ⅲ 】【闇魔法Ⅲ】【光魔法Ⅲ 】
【ブレス】【覚醒】
騎士の様な格好になっていることに気がついたのだが、その全てがユニークシリーズと書かれていた。
【プリンセスナイト】
パーティにいる仲間及び自身のステータスを上昇。自身のレベルに比例してステータスが上がる。
【ユニークシリーズ】
ソロでかつボスを戦闘で撃破しダンジョンを攻略した者、各エリアにある隠しダンジョンのボス撃破や、確率は低いが宝箱やレアモンスターからのドロップ、イベント限定用のフィールドに存在するボスや謎を解くことなど、攻略者だけの唯一無二の装備。ガチャなどにも出現する。
一ダンジョンに一つきり。
今装備している物は装備者のレベルに応じて強化されるみたいだ。シロウが持っている変幻自在もユニークシリーズで、イベントの浮遊島の図書館の仕掛けを解いたことで手に入れたのだ。
は迷いの森にあった。その名の通り、人を惑わす迷路のような場所であり時間が経つことに道が変わり、目的地が遠ざかる。なかなか骨が折れたが、シロウは何度も試行錯誤の末なんとか迷いの森を攻略して、浮遊島酷似した図書館を見つけて仕掛けを解いて手に入れたのだ。
魔道書庫というスキルも謎を解き手に入れた。全部で七つあるみたいで、残り四つを集めると完成するらしい。シロウは全部を集めたらどうなるのか楽しみだ。
レジェンドオブアストラルには種族があり。
【人間族《ヒューマン》】
【魔族】
【エルフ族】
【
【人間族】は特に変わった特徴はなく、他の種族に比べて熟練度やスキルが少し伸びやすい。【魔族】はツノと尻尾が生えて、身体能力が高くとMPが多い。【エルフ族】は耳が長く尖っており、MPが少し多い。【獣人族】は身体能力が高いなどだ。
スキルを取得すれば性能の差など関係なく、あくまで見た目が変わるものだと思えばいい。
『アストラル』においてレベルというのは、基本的に種族のことである。レベルが上がるとHP、MP、を表示するバーの最大値が上がるが、それだけで攻撃力や敏捷力が上がったりしない。
そちらは様々なスキルの取得や熟練度によって上がるのだ。
シロウのドラゴン族アバターは獣人族なのだがこれは本来、未実装のアバターなのだ。実装される予定だったのだが、実装はされずに隠しデータとしては残っている。
シロウがドラゴン族のアバターを持っているのは、ネット友達で人に貰ったのだ。オフ会もしたことがあり、現実でも何度も会う仲なのだ。
彼女はなぜか七冠に反感と対抗心を抱いてるのだ。裏の世界では凄腕の闇ハッカーとして有名らしい。
美人でミステリアスで色々と謎が多い女性なのだ。シロウは彼女から色々と教わっていて師匠的な存在なのだ。
何度もゲームで対戦しても勝てずに全敗している。いつか絶対に勝つと意気込んでいる。
ドラゴン族は【獣人族】の亜種でツノと翼、尻尾が生えている。翼を使って飛ぶことはできないが、滑空することはできる。
スキル【覚醒】と【ブレス】はドラゴン族専用スキルで【ブレス】は使えるのだが【覚醒】は現在使用不可と表示される。何か条件があるみたいで、今は使うことができない。
シロウ達はエリア『鉱石の洞窟』に行く。洞窟に着くと入っていき、中には光る鉱石があり、松明代わりにあるのでまったく暗くはなかった。
ボスへの道は一本道なので迷うことはなく、洞窟をうろつくモンスター達を倒しながら、目的のボス部屋まで進む。
さすがにボスのいる洞窟だけあって、なかなか強いモンスターが多かった。しかし、落ち着いて対処すれば勝てない敵ではない。
逃げられる敵からはなるべく逃げるようにし、無駄な戦いは避けて急ぎつつも慎重に洞窟を進んでいった。やがてシロウらは少し広めの場所に出た。目の前にはボス部屋の大きな扉がある。
「いよいよだな…」
「うん、準備はいいかな?」
「はい、いつでも構いません」
「二人とも頑張れよ」
レメは二人に声援を送った。両開きの扉を力を込めて開ける。
ギギギと油の切れた音を発しながら扉が開ききり中の部屋へと、慎重に入ってくると部屋が明るくなっていき、ちょっとした広場くらいの広さがあった。
そこにのそりと赤みがかった毛色の大きな熊が現れた。
体長は五メートルはあるか。肩、胸、肘から先の四本の足にゴツゴツした岩のようなものが付いている。爪は鋭く、目は赤く、その全身でシロウらに対し殺気を放っていた。
この洞窟のボス【レッドベア】だ。
『GooooooGAAAAAAAAAAA!!」
咆哮すると空気が振動して肌がピリピリくる。シロウ達に向かって突進してくる。レッドベアの横をすり抜けながらシロウとセレナは一撃を加える。
レッドベアは鋭い爪を振りおろしてくる。避けつつセレナとシロウは斬りつけていく。
「【ファントムラッシュ】!」
「【クロススラッシュ】!」
分身したセレナが四方八方からレッドベアに斬りかかった。続いてシロウもスキルを発動した。二人で三割ほど削っていく。
「グラアアアッ!」
レッドベアがやたらめったらに爪を振り回して二人を近づけさせまいとする。二人は避けつつすれ違い様に斬りつけていく。
HPを半分まで削りきると。
「グラアアアッ!」
咆哮を上げてレッドベアは後ろ足にエフェクトがかかり、叩きつけた地面が爆発した。
「「【
加速を使って後ろに大きく下がったが、爆散した石の礫が飛んでくる。横に転がり回避する。
素早く立ち上がるとセレナの方へ向かってきたレッドベアは後ろ足に爆発するようなエフェクトがかかり、頭突きをするような形でロケットのように突っ込んできた。
慌てずに表情を変えることもなく、セレナは紙一重で交わしてナイフベルトからスローイングナイフを三本取り出して【投擲】する。レッドベアの背中に放ち、そのままバックステップで距離を取るとシロウはスキル発動した。
「【サークル・ソード」!」
数千の剣がレッドベアに降りかかる。そのうちの一本の剣がレッドベアの片目に突き刺さった。
片目を潰されたレッドベアの動きが止まる。その間にできるだけのダメージを与える。
「【シグナス・スライサー】!」
「【アクセル・ファング】!」
勢いよく前進してシロウは斬りつける。高速でセレナは六連撃を叩きつけて斬り込んだ。
「ゴガアアアアッ!」
HPが半分になるとレッドベアは怒り狂い両足に爆発するようなエフェクトを纏わせて、再びロケット頭突きで飛んでくる。
二人は一直線に突っ込んでくることを見越して横に避ける。避けては攻撃をいれて削り取っていく。
「グルアァ……」
唸り声を上げてこちらを片目で睨むレッドベア。残りHPが一割を切っているレッドベアにとどめを刺すべく決着をつけようとしていた。
「「【加速】!」」
二人は加速してレッドベアに接近する。
「【クロススラッシュ】!」
「【ファントムラッシュ】!」
二人は一斉にスキルを放つ。
攻撃を身に受けたレッドベアは断末魔の叫びを上げてその場に崩れ落ち、光の粒子になって消滅した。
「お疲れ様でした」
「そっちもね」
「お疲れ様だぞ! 二人とも凄かったぞ!」
レメはボスとの戦いが終わると出現し、三人は互いの健闘を讃えてハイタッチする。
「討伐報酬とかがが気になるでしょうが、シロウ様の体が心配なので街に戻ってログアウトしましょう」
すっかりボスとの戦いに夢中で忘れていたシロウは、セレナに言われて思い出した。
「そうだね、急いで街に戻ろうか」
「ああ、そうだな」
道中のモンスターとの戦いは避けて街に戻った。
「今日はお疲れ様。手伝ってくれてありがとうね」
「いえお気になさらず、昴様がご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
「あはは、全然気にしてないから大丈夫だよ。色々と会ったけど楽しかったからね。これからは仲間としてよろしくねセレナ」
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
シロウとセレナは今後仲間として手を取り合った。セレナの表情はわからないままだったが、なんとなく微笑を浮かべているように感じがしたのだ。
ログアウトボタンを押すと今度は無事にログアウトできて、シロウは現実に帰還することができた。
「昴さんは……いない。財布無事だね。……うん、何も盗られてない」
真白は辺りを見渡すと外はすっかり暗くなり、昴の姿はどこにも見えずいなくなっていた。
ーーこうして、真白は迷宮寺日明に会ったことによりアストラルの運命を左右する事件に巻き込まれていく……
To be comtinued
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