437 音楽の先生

おれが高校生だった時に

そこで音楽を

教えていた

女の先生のことが

好きになってしまった


おれはその先生に

恋文を書いて

先生の自宅に

郵送した


先生は後日

そのことで

おれと二人きりで

話し合いの場を

設けてくれた


おれは先生の前で

自分の正直な 

気持ちを

打ち明けると

先生は嬉しそうな

顔をして

おれの気持ちを

受け止めてくれた


しかし

相手は既に

30歳という 

年齢で

おれはまだ

その半分ぐらいの

歳だった 


当然のことながら

ウマくいく 

訳がなかった


おれも

その先生も

お互いに

心に傷を

負ったまま

おれは高校を

卒業して行った


だけど

あの先生が

いてくれた

おかげで

おれはその後の

人生で

女は大事にしないと

いけないモノだと

いう意識が

芽生えた


おれは

あの先生を

計らずも

傷つけて

しまった


だからおれは

あの先生のおかげで

女は傷つけては

いけないモノだと

その後の人生で

ずっとそう

思うようになった


おれはいくら

傷つけられても

構わない

でも

女は傷つけては

いけないモノだ

おれはいつでも

そう思える

ようになった


それもみんな

あの先生が

いてくれた

おかげなんだ

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