237 フロントマン

おれが若い頃は

メガネをかけて

真面目で大人しそうな

風貌に

似合わずに

もの凄く

目立ちたがり屋だった


バンドを組んで

みんなで演奏するにしても

ドラムスなどという

脇役をやろうとは

端から頭に無く

リード・ギター兼

リード・ボーカルという

バンドの中で

一番目立つ

フロントマンを

やらないと

気が済まなかった


おれは年を重ねた

今では

若い時のような

目立ちたがり屋では

無くなった


それでも

今では何でも

自分が一番でないと

気が済まない


おれはそんな感じで

若い時の

目立ちたがり屋

だった頃の

片鱗は

残っているようだ

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