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目次
220 温かい家庭
ウチの親父は
昔から
頑固で厳格で
気が短かったが
その一方で
お袋を誰よりも
大事にしたり
自分のことよりも
わが子のことを思う
優しい一面があった
そんな親父は
口に出そうとは
しなかったが
明るく温かい家庭を
望んで
夢見ていたの
かもしれない
親父に限らず
みんなそうなんだろうな
夢や願望を
現実と
混同して
ウソをつくことは
無かったが
世の中には
孤独で
寂しい現実から
逃れるために
ウソをつく
哀れなジジイもいる
ウソが大嫌いな
真っすぐで
生真面目な
父親だった
だから
年老いても
自分を
大きく見せたり
同情を買うために
ウソをついたりは
しなかった
おれの親父は
そんな父親だった
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