201 一世風靡

実にいい気分だ

こんなにいい気分に

なったのも

生まれて初めて

かもしれない


おれはまだまだ

こんなモンでは

ないと思うが

おれが死んだとしても

誰もおれの死を

惜しみもしなければ

顧みる人も

誰もいないというのは

あまりにも

寂しい


世の中の

大半の

人たちは

仮に死んだとしても

その死を

惜しまれも

しなければ

顧みる人も

ほとんど

いないんだろうな


でもおれは

そんなのはイヤだし

当分の間は

くたばりたくない

どうせなら

大勢の人たちから

惜しまれたいし

顧みられたい


有名人でも

いっときは

人気が出て

一世を風靡したが

いつの間にか

世間から

完全に

忘れ去られて

しまった

人たちも

たくさんいる


人間どこで

どう動くか

誰にも分からない

おれはこれからに

かかっている


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