196 自暴自棄

かつて

おれは自分のことを

愛せなかった

自分のことが

なかなか好きに

なれなかった

でもそんな自分も

終わりに近づいている


おれはかつて

自暴自棄だった

なかなか自分のことが

好きになれずに

そんな自分に

苛立って

親父やお袋含めて

周囲の人たちに

当たり散らした

でもそんな自分も

終わりに近づいている


おれはかつて

自分に優しく

なれなかった

自分を痛めつける

ことしか

考えられなかった

でもそんな自分も

終わりに近づいている


おれはかつて

孤独だった

なかなか

いい仲間に

恵まれなかった

そんなおれは

身を切るような

寂しさに

襲われたこともあった

でもそんな自分も

終わりに近づいている


おれはかつて

満たされなかった

いくら人から

優しくされても

おれの心は

ポッカリ穴が開いて

満たされなかった

でもそんな自分も

終わりに近づいている


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