視力矯正

ぱぷぅ

眼鏡には目がねぇ

 異世界で鍛えられたのは体だけではない。

 魔力を使って視力も自由自在に調整できるようになった。

 そんな俺にもオサレ眼鏡をかけたくなる時はある。


 俺の友人作者が言ってた事がある。


「視力検査の一番上に、人を小ばかにしてるんじゃないかって思うような大きさのランドルト環があるだろ?

 あ、ランドルト環ってあの視力検査のマークの事ね。

 もう俺、あれが見えないんだぜ……へへ………」


 そんな友人はオサレ眼鏡とやらがあまり好きではないらしい。

 必要に迫られてどこからどう見てもオタクにしか見えない眼鏡をかけるのが苦痛らしい。

 かといってコンタクトは面倒との事。

 特に最近老眼が始まって、すぐ度が合わなくなるから使い捨てコンタクトも作りづらいらしい。


「ズラ被ってるハゲの前でこのウイッグかわいいーとか言ってる女の子見たらエグいって思わない?」


 ちょっとだけ理解できた気がする。

 でも、俺には眼鏡パワーが必要なのだ。


 だってゴリラ扱いが酷いんだもん!!!



 ──そんな昔のやり取りを思い出して現実逃避していた俺は、改めて現状を確認した。


 召喚された目の前には眼鏡に長い白髭小太りジジイの魔法使い。

 思わず眼鏡足したダンブ〇ドアかよ!と突っ込んでしまいそうな、いかにも頭がいいですアピールが酷いジジイである。

 周りに並んでいる弟子っぽいのもマッシュルームカットだったり出っ歯だったり個性はあるけどみんな眼鏡である。


 眼鏡だからって頭がいいと思うなよ!

 眼鏡かけてないからって脳筋扱いはやめろ!いや、脳筋だけど!


「よく我が求めに応じ馳せ参じてくれたのう」


 ジジイ口調である。

 しかもなんか普段使わない口調でちょっと意味わかんない。


「ジジイ、俺、呼んだ、理由、早く言う。」


 片言になったのは決して気後れしているからではない、ちょっとイライラしているからであるウホウホ。


「ジジイなど失敬な……これだから異世界人は知能が足りんのだ。」


 よし、眼鏡割る。

 友人が言ってた。眼鏡押さえつけるように叩かれると鼻の所がむっちゃ痛いって。


「異世界にはこんなに曲げても戻る眼鏡もあるウホ。」


 そう言いながら、一瞬で眼鏡を奪った後、耳にかける部分を持ってねじるねじるねじる。

 ※良い子はマネしないでね!

 さすがに2週とかするともう戻らないらしいけど。


 と、ここまでは単なる暴力的なゴリラが暴れただけの話である。

 ここはKAC2024も最後という事だし、少しひねったネタを試してみよう。


「じゃあ君の眼鏡は瞬きしたらハン〇ィチェーンソーが出るようにしておくね。」


 直後に出てくるソファミレかドリーム団かはわかんないハンディチェーンソー。

 どっちもLEDランプついてるし、ロゴ以外一緒だろアレ。

 ちゃんとバッテリーと充電器付きである。ここ100Vコンセントとか絶対無いけど。


「次の君は、まばたきしたらアカモクが出るようにしよう。

 明らかに水じゃないっすよね!ウェーイ!」


 瞬きする度に少しずつ出てくるぬるぬるの海藻。

 食べれば美味しいらしいのでどんどん生産して欲しい。


「君の眼鏡はどう改造しようかなぁ……そうだ!ドリーム多機能ポータブルプレイヤーが出るようにしよう!

 ……この世界にデーブイデーもワンセグもドリーム団も無いだろうけど。」


 もはやパロディのチキンレース状態である。

 いつ怒られるのかはわからないが、消されない程度に抑えておく必要があるだろう。

 全部ネタが分かった君は1級ゴリストとして認定します。


「次は~根昆布〇汁ねこぶ〇しとフコイ〇ンどっちがいい?

 どっちも海藻だけどな!」


 とりあえずドロドロとした何かが出るようになった。

 美味しいし健康にもいいからぜひ飲んで欲しい。


「せっかくこの流れで来たんだから、次はダイエット器具か補正下着か……」


 最後に残ったのはダン〇ルドアメガネの召喚ジジイである。

 BSのCM縛りでもまだまだ沢山アイテムはあるのだ。


「やっぱりお題も眼鏡だからここはアレかな、ハズk……じゃなくて、ドゥー〇クティブ!

 度数調整はつまみをまわすだけ!

 老眼が来てそうなジジイにはお似合いだな!」


【作者に120のダメージ】


 眼鏡から工具とか小型家電とかぬるぬるする海藻とか美味しい液体とか変わった老眼鏡がボロボロ出てくる意味不明な状況である。


 よし、この部屋封印して帰ろう。

 もちろんドアを固定するのは魔法……のようなゴ〇ラテープ!


 おい!オチ部分を伏字にするな!

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視力矯正 ぱぷぅ @papu

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