めがね

川向こうのジェロ吉さん

第1話 桜前線!

月曜日学生の俺は素直に学校に行く、全ての授業が終わって久しぶりに部活に行く。


俺の部活は園芸部と言う所、先輩も卒業して最上級生だ。


部室に行くと机の上には一人目、床には二人目が、寝ている。


「お前たちどうした! 何故寝ているんだ?」


床に寝ている同級生を起こして揺さぶる。


「おいおい起きろよ、何があったんだ?」


「あゝサダ君、外の桜を見てくれ、俺たちがあんなに剪定して頑張って育てた桜達の芽が芽がねえよ、二人で見た時に力が抜けて倒れた」


俺は外の桜達を見る、確かに蕾はまだ付いていない。

テレビでは桜前線とか桜の開花予想など賑わっているが、確かに目の前の桜の木にはまだ無いな!


「仕方ないだろう、此処は暖かい九州と比べても1ヶ月近く遅いんだからまだまだだよ」


「だってテレビであんなにアナウンサーが、朝も夕方のニュース番組で言っているんだぜ、楽しみで此処に来たのにやはり無いとなると仕方ないだろう、倒れるしか無くなったんだよ二人とも!」


まあ気持ちは分かるが、俺はメガネを拭いてよく見てみる。


「うーん、少しは枝の先に卵型の物が付いているぞ、二人ともよく見てみろ!」


おれと同じでメガネ族の二人、よくメガネを拭いて見てくれれば良かったのにな。


「あれ、本当だ!同じ色だから気が付かなかった」

「おお、よく見れば付いてる、今年から俺達が初めての当番だから分からなかった! 桜の芽はあんななんだなハハハ」

「よし明日は昼休みに昼の放送で学校中に言ってもらおう!」


「お前たちそんなんでは、冒険者証を取れないぞ!視力検査で落ちるぞ」

「視力検査ってあるんだ?」


「あゝ運転免許証と同じで、目の検査も常識テストもあるぞ、運動神経のテストもね」


「さすが俺たちの先を行くマサシには敵わないな!」

「あゝ俺も来月には試験を受けて冒険者になるぞ!」

「俺は夏休みには冒険者試験を受けるぞー」


もうすぐ桜咲く4月。


高校三年生に成る彼らの先に桜の花道が出来るだろー。










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

めがね 川向こうのジェロ吉さん @fin77

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ