カーマ王国物語・短編集
田花 喜佐一
本編のあらすじと登場人物
短編で説明されていない部分の補足にお使いください
後ろの方に設定も置いてあります
本編2作は別のところに掲載しています
<兄弟出会い編>
十五歳のカーシュラードは天才的な剣術のうでを持ちながらも己を死蔵させていた。王立士官学校をサボっていたある日、父から会わせたい相手がいると外出を禁じられる。やってきたのは、蠱惑的な笑みを浮かべた家庭教師ヴァリアンテだった。向かうところ敵なしだと思っていたカーシュラードは初めての敗北を喫する。9歳年上の家庭教師に反発しながらも惹かれ、やがて恋に落ちていく。だが、ヴァリアンテには想いを受け取れない秘密があった。
<王子処刑事件編>
カルマヴィア王家が長らく秘匿していた王子の処刑が決まった。しかし、心と体が虚弱で表に出すことの叶わないと噂されていた王子は、魔神そのひとの伝承と瓜二つの姿を持っていた。処刑直前、王子は魔を解放し、顕現する。彼こそが魔神の再臨だった。少なくない数のカーマ人を巻き込んだ惨劇を憐れみ、生き残ったカーシュラードとヴァリアンテに真実を明かせと求める。そして魔神は継承第一位王太子の姫を誘い、姿を消したのだった。
(ヴァリアンテ30歳・カーシュラード22歳)
短編集はこの事件の後の時系列です。
■登場人物■
◆カーシュラード・クセルクス
(攻)クセルクス第四王家の次男。十八歳で金剛位を授かる。ダークエルフとの混血。現剣聖をしのぐ剣技を持つ。攻撃特化型。盾は持たなくても重騎兵相当。愛剣は
赤毛で黒瞳。長身。ぱっと見では王族だとはわかっても瞳以外でダークエルフらしさはほとんどない。
◆ヴァリアンテ・ゼフォン
(受)現剣聖の養子。孤児だが、王族の落とし胤。カーシュラードの九歳年上の実兄(なのでダークエルフの混血)。十七歳、カーマ史上最年少で金剛位を授かる。二刀流の魔剣士。防御に長ける。後のカルマヴィア王家親衛隊の隊長。
ミルクティー色の髪と朱殷に近い瞳。平均的カーマ男性よりはちょっと背が低い。
ダークエルフに体型や性質が似ている。耳の先がカーマ人より少し長め。
◆カラケルサス・クセルクス
第四王家当主。クセルクス家は顔がめちゃくちゃイイ。カレンツの母である亡き正妃をめちゃくちゃ愛してる。
◆カレンツィード・クセルクス
クセルクス家長男。ヴァリアンテの弟でカーシュの兄。継承権保持者。兄弟仲は良い。
◆ギラーメイア
ヴァリアンテとカーシュラードの母。ダークエルフ。カラケルサスの後妻だが、別に恋愛とかではない。ちなみに、ヴァリアンテはギラーメイアの妹に見た目が似ているらしい。
※カラケルサスが学生時代に出奔して世界を旅しはじめたときにギラーメイアに助けられ、そのまま一緒に旅をして、カラケルサスが帰国したときに別れた。その後ギラーメイアはヴァリアンテを産んで王都の孤児院に捨てる。カラケルサスは何も知らずに王族を娶り、カレンツィードが産まれる。数年後に妻が事故死し、絶望の淵に沈んでいたカラケルサスの前にもう一度ギラーメイアが現れ、カレンツの母代わりとなる。その後カーシュラードが生まれる。やることはやってるが恋愛感情はない。ギラーメイアは後の魔神復活を予見し、兵器となるべく子を仕込んだのかもしれない。
そういうのも全部わかっているけれど、カラケルサスは種を使われても別になんとも思わない程度には王族。純血のカレンツィードが存命で元気なので、ハーフエルフ兄弟のことは家族だけど継承者とは認識していない。
カーシュラードが成人するまで、ヴァリアンテが兄弟だと隠していた(そのへんのゴタゴタが出会い編です)。
◆イラーブルブ・ゼフォン
現剣聖。おじいちゃん。
◆クウィンデル・サムハイン
黒羆師団カーシュラードの副官。文官に転向してるけど戦えないわけではない。
◆クリストローゼ・オクサイド
赤狼師団長。情報部出身。王族。クセルクス公と同年代
◆ドナ=デヴァナ・ニコリューン
赤狼師団の部隊長。武官の家系だが王族ではない。ヴァリアンテの親友
◆ラージャ・タンジェリン
カーシュラードの学生時代からの親友。商人
◆ヴァマカーラ・カルマヴィア
カーマ女王(「お見合い」「飴と鞭」時点ではまだ王太子)。ヴァリアンテの主
◆
カーマ建国の祖。魔王。眠りについていたが復活した。人間だった頃の名前はレグナヴィーダ・カルマヴィア。ヴァマカーラの甥だが年上
■この世界について
十の聖霊と竜と魔神と人間が、その都度小競り合いをおこしつつ、様々な国家や部族を作ってそれなりに平和に暮らしています。人間の営みには魔法が織り込まれ、生活にも戦いにも必要不可欠です。人種的な特徴は体毛色と虹彩に表れ、混血が進むほど体毛は灰色に近くなる。
1年12ヶ月432日、1か月36日、1週間12日、1日25時間、1時間60分
空に星と太陽と月があって、重力も潮汐力もありますが、惑星ではなく平面の世界です。四季も国それぞれ。世界の果ては誰も知らない。
魔(魔力)と聖霊は密接に関わっていて、うまく利用するとエネルギーとして利用することが可能です。カーマ王国などは研究が盛んで最大限の利用をしているので、上下水道や街灯や冷却設備など、生活の様々なところに使われています。
魔力値が高いと老化が遅くなるけれど寿命が延びるわけではない。
■カーマ王国
魔導国家と謳われ、この世界で最強の武力を誇る。国是により侵略は行わない。
その昔、魔神と聖神が世界の覇権を争い、魔神が辛勝しました。魔神は使い果たした力を回復させるため魔界で眠りにつくことになりましたが、愛した人間の魂に再びまみえるため、どれほどの年月がかかろうと復活することを告げました。魔神と共に戦った人間にその血の一滴をさずけ、復活のための肉体を作るべく、血を繋いでいくよう伝えました。カーマ人は魔神との約束を守り、数千年を経てなお神祖を待ち続けています。
正統王家カルマヴィア家と二十一の分王家がカーマ王国を治めています。
飲酒可能年齢:16歳。成人年齢:18歳。
(魔神に負けた聖神を崇める宗教国家ミネディエンスと大陸を二分している。停戦しているが国交断絶に近い。たまに小競り合いはある)
■カーマ人
魔神の血の恩恵で、高い魔力や武力を持つ。耳介の先が尖っている。瞳孔は縦。
魔力にもよるが、平均寿命は120歳。出産適齢年齢は50歳と長いが着床率が低い。
■カーマ王国軍
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■剣位(魔位)
異能とも賞賛できる能力を持つ者は、古の武具匠ギュスタロッサによって己に相応しい魔器を与えられる。魔器を与えられた者は最高位を『金剛』として、『紅玉』『金緑』『黄玉』『紅榴』と続く剣位魔位を授けられる。
金剛位の剣士は通常、剣士の中で最高峰である証として「剣聖」の称号をカルマヴィア家から与えられる。剣聖は複数人に与えられることはない。
■ダークエルフ
くすんだベージュの髪に褐色の肌を持つダークエルフ。魔族。不老不死(といわれているけど死ぬかもしれない)。魔神の眷属で主と仰いでいるので、その血の一滴が流れているカーマ人が困っていると助けてくれることがある。基本的に人間と交流はしないので、もし姿を見ることができたらとてもラッキー。
■
魔力値が高いと皮膚の上に浮き上がってくる紋様。本性を現すような模様になることが多い。カーマ人はわりと発現が多いというだけで、カーマ人特有のものではない。あまりに混血が進むと魔力が高くても霊印が発現しない場合もある。
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