第39話 大魔導士アミカ=マギステル
「ふふん、まずは
ロリババア
赤、青、緑、黄、そして黒。
色からしてそれぞれの
――5属性同時
――しかもあの大きさ……一発であたしのファイヤーボール何十発分の
――さすがロリマス……伝説の魔法使いだけのことはある。
――っていうかあれ受けきれんの? 1発で終わらない?
「
5つの魔力球が光り
同時に、大出力のレーザービームが俺
火、水、風、光、闇。
どれもかすっただけで
「この偽ロリータ! こんなの当たったら死ぬだろうが!」
さすがにこの威力の技は食らう余裕はない。
全力回避一択だ。
射線がクロスする前のわずかな
「クッキーのお返し、どうもありがとうございますよロリババア様! ちゃんとお礼できて
――
地面に接触する瞬間、いつの間にか覚えていた
サーフボードのようにそれに乗ると、アミカのいる位置に向けて走り出した。
この能力、どうやらスライムのような
ツルツル&ヌルヌルした柔らかい球は
今思うことじゃないんだけど、
――何だあの技!? 見たことねえ!
――スライムに乗ってるみたいに見える!?
――っていうか早ぇ!? ロリマスとの距離がもうゼロだ!
「そんな良い子にはプレゼントだ!
「わしお子様じゃから
雷を
「だろうと思ったよ! 土だけないのは不自然だもんなあ!」
俺は技を解除し、手持ちの無限袋からフライパンを選択。
レーザーと共に飛び出してきた土や石の
バッティングセンターの150km/hの球のような弾丸ライナーが1個、2個、3個!
「ちょっ!? お主、
「可憐な幼女はこんな
弾丸を受けきるため、アミカ側も魔法を解除。
弾丸ライナーから身を守ろうと、高速で光の盾を展開した。
ドゴッ! ボゴォッ! という、物騒すぎて普段日本じゃ聞けないような音が辺り一帯に
破壊された土砂で視界が
肘に太い
バリィン! という破壊音とともに盾が
「のわっ!? のわあぁぁぁっ!? あ、危なかったのじゃ! もう少しで脳天に直撃だったではないか!」
「あ、それはホントマジでごめんなさい……」
こんなの相手に手加減とかできないから、つい……。
「くぅ~っ! あまりのことにちょっとだけ
「うお!? 何だこれ!? 重くて動けねえ!?」
まるで上から誰かに押さえつけられているんじゃないかというくらい全身が重い。
脚一本すら動かすことができない。
――
――食した技術・経験が
グッドタイミング!
「
「なっ!? わしの術を………………でも、わしとは威力が違いすぎて解除はできないようじゃのう。あー、びっくりした」
「く、くそっ!」
アミカの言う通り、俺と彼女とじゃ魔法の威力が違いすぎて完全に押し返すことはできなかった。
せいぜい、ほんの少しだけ動けるようになっただけである。
「全く、料理といい何が飛び出してくるかわからんのうお主は。次に何かされる前にさっさと終わらせてもらうぞ」
アミカの周囲に6つの巨大な球体が再び出現。
またレーザーかと思いきや、現れた球体は一つに合体。
白色に輝く特大の球体へと
「
「そんなやばいなものを
「なーに、お主なら生きれる生きれる」
「行けるじゃないところが不安要素でしかないんだが!?」
「Sランク相当なら死にはせんじゃろ。死ななきゃわしが治してやるわ。なんなら
このロリババア……勝ちを確信したからって調子乗りやがって。
勝ち負けを
っていうか、あんなのぶつけられたら、しばらく料理ができなくなる。
何かここからできる反撃は……?
今の手持ちの手札でできそうな、あのロリババアに一泡吹かせられそうな方法は……………………これだ!
「ではさらばじゃ。
直径5メートルを超える巨大な白い魔力球が
俺はさきほど覚えた
全身の骨が砕けるかと思うくらいの痛みが
「な、何をしとるんじゃお主!?」
アミカの
これを内側から俺の
「え? え? え? どうなってるのじゃ!? わしの身体があやつの方に吸い
「なあアミカさんよ、ブラックホールって知ってるか?」
「ブラック……なんじゃ?」
「そっか、知らないか。俺たちのところじゃ有名なんだけど……まあ簡単に言うとだ。何でも吸い込むやばい星だな。空に空いた大穴って感じの」
「それが、何だと言うのじゃ?」
「ブラックホールは超重力を持ってるんだよ。光や時間すら吸い込むレベルのとんでもないものをな」
「お主……まさか!?」
「気づいたみたいだな! あんたの
この言葉を聞いてアミカの顔色が真っ青になった。
「の、のわあああぁぁぁぁっ!? や、やめるのじゃあああぁぁぁぁっ!」
「はははははは! だーれがやめるかクソババア! こんなもの俺に向けて
「謝る! 謝るから! すいませんでした! わし調子乗ってました!
「テンション上がった結果半殺しにされてたまるか! さあ、仲良く一緒に直撃だ!」
「いやああああぁぁぁぁっ!?」
俺と彼女、2人の身体が光に包まれる。
そして――、
――ドッゴオオオオオオォォォォン!
「何事だ!?」
「訓練場の方から聞こえたぞ!?」
大爆発が収まり、駆け付けてきたギルド職員の人たちの手により俺たちは救助された。
当然のことながらお互い全身ボロボロである。
俺もアミカも、死にかけのGのようにピクピクしている。
「あ…………とっくに3分過ぎておった………………」
「か、完全にいらん
――
――食した技術・経験が
ここで再び、か。
そりゃあ、こんなボロボロになるまで食らったんだし覚えるか。
全然怪我に見合ってないけど、とりあえず新技覚えたし良しとしとこう……。
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《あとがき》
勝負の結果は引き分けです。
新技覚えたんである意味勝ちかな?
《旧Twitter》
https://twitter.com/USouhei
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