容姿
キザなRye
第1話
「眼鏡かけてるのとかけてないのどっちの方が好き?」
僕は彼女の
「えー、どっちでも良いけど眼鏡かけているのに慣れたから全然そのままでも良いよ」
僕と心咲は高校で出会った。当時は周囲に上手く馴染めず、それを助けてくれたのが心咲だった。僕に話しかけてくれてその日から学校に行くのが楽しくなっていった。いつからか、僕の学校生活は心咲が必要不可欠になっていた。どうやら心咲にとっての僕もそのような存在になっていたようで1年生を終える頃に僕と心咲の関係性は変化した。
2年生以降は心咲とクラスが同じになることはなかったが、テスト期間に一緒に勉強したり、一緒に駅まで帰ったりした。ほんの短い時間でも心咲と一緒にいられるだけで良かった。
高校卒業後は僕も心咲も大学に進学した。受験期は塾の帰りに駅まで行くくらいしか接触する場面はなかったが、“勉強頑張れば心咲と話が出来るんだ”というモチベーションでいられた。
僕と心咲は違う大学に進学したが、通学経路が類似していたので定期的に会うことが出来た。帰りの時間を合わせて週に1回は待ち合わせをして一緒に帰っていた。休みの日に時間を取ってどこかに行くのは長期休暇のときくらいであまりなかった。互いに忙しくて予定を合わせることが難しかったのもあるが、一緒に帰って話をするだけでも十分なくらいに楽しかったし幸福感が感じられていた。
高校のときから仲が良い友達と会ったときに僕は眼鏡じゃない方が良いのではないかと指摘をされた。高校のときは授業のときだけは眼鏡をかけていたが、普段からは眼鏡をかけていなかった。大学に入ってからは普段から眼鏡が必要なくらいな状態になっていた。自分の中でも眼鏡をかけていない方が良いのかなと思いつつ、コンタクトを入れるのが少し怖かった。
眼鏡とコンタクト、どちらが良いのかは彼女の心咲に聞くことが1番良いだろうなと思った。
「眼鏡かけてるのとかけてないのどっちの方が好き?」
「えー、どっちでも良いけど眼鏡かけているのに慣れたから全然そのままでも良いよ」
心咲曰く、大学に入ってからはずっと眼鏡姿の僕を見てきていたので眼鏡をかけていない方が違和感になり始めているらしい。
「まあでも、
容姿 キザなRye @yosukew1616
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます