第3話

なにも出来ない。

笑ってしまうよ。

脳みそないんだ。

きっと、足りてないんだ。

はりきり、がんばり、なにかをすれば。

ぜんぶ裏目だ。

わるいこと。

息を潜めていれば良い。

それでもおひさま、たまには浴びたい。


「わたしは良い奥さんだと思うよ」

君は言った。

言わせてしまった。

だけれど、僕には何も出来ない。

誰かが居たら。

ずっと側に居て。

しっかりものの奥さんが。

そしたら少しは違うかも。

そしたら少しは良い事あるかも。

君は側に居なかった。

今も側に居ない。

だから悪い奥さんだ。

10年前も、10年先も。

だからさよならしたんだよ。

だれか、支えて。

しっかりもので、ずっと側に居る。

片時も離れず、そんな誰か。

かわいいひとがタイプです。

まるで赤ちゃん、世話ないね。

そのうち誰もがネグレクト。

ひとりで痩せて、死んでいく。

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バ行 双葉紫明 @futabasimei

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