第197話 脅威?アンドロサウルス!!
これから第2エリアのエリアボスに挑戦する。
事前に情報を集めた結果、アンドロサウルスという名前の機械の恐竜でそこそこ強いとだけわかった。
何でかはわからないけど、微妙な情報ばっかであまり役に立ちそうな情報が無かった。
あ、でも雷属性を使えるモンスターがいると楽ってあったし、もしかしたらブルーが大活躍するかも。
ボス部屋の中に入ると情報通り、機械の恐竜がいた。
半分だけ機械とかじゃなく、全て機械。首が二つ、尻尾が四本、背中には機械の羽。手と脚はそれぞれ二本とここだけ普通。
羽があるってことは飛べるのかな。うーん、飛べるとなるとちょっと面倒かな。
今回、雷属性が有効っぽいからラグニアには電光迅雷をコピーさせたから空駆は使えないしな。
あと、さっきから音が響いてるな。あれ、ジェット機が走り出す直前のような音!
ん?ジェット機が走り出す?
この時、俺の頭にはジェットラプトルの姿が浮かぶ。
ものすごく嫌な予感がしたが、何も起きない。
よくわからないけど、何も起きないし、アンドロサウルスも動きを見せない。考えるだけ無駄だと思い、先制攻撃を仕掛ける。
今日は学園終わりで時間も無いからこの1戦で終わり。出し惜しみする必要が無い。
「ブルー、
とりあえず、何が起きても対応できるようにブルーには全体攻撃の霹靂神を指示。
リーフィアとラグニアは念の為に待機だ。もしかしたら強力なカウンターが来るかもしれない。
だが、警戒するだけ無駄だった。
そして、ネットで情報を集めた結果、雷属性が有効以外にまともな情報が無かった理由が判明。
全身機械だからか雷で痺れて身動きができない上にあの音も消えた。これ完全に機能停止してない?
てっきり雷属性が弱点属性だと思っていたけど、雷属性の攻撃で痺れて動けなくなるからあそこまで情報が微妙だったのか。
痺れて動けない内に八雷神を放ったり、リーフィアに天空斬りと騎士王の風刃閃の合技でとにかく斬ってもらったり、ラグニアに使えるスキル総動員させて攻撃した。
終始身動きのできないアンドロサウルスのHPを削り切るのになんと3時間ほど掛かった。
これは誰でも微妙な情報しか公開できないわ。
てか、こんなのがエリアボスなの?確かに防御力はエグくて倒すのにめっちゃ時間が掛かったけど、第1エリアのジェットラプトルの方が遙かに苦戦した。それどころか第2エリアのマシンサウルスの方が強いんじゃ。
なんとも言えない後味の悪い勝利だけど、時間も遅いから俺は家に帰ることに。
部屋に戻ってスマホを取り出すと5時間前にシグマさんからメッセージが届いていた。
内容はアンドロサウルスについてだった。
俺が『侏羅の大森林』に挑戦してるのどこで知ったのやら。
しかも攻略状況まで正確に把握してなきゃ、俺がちょうどアンドロサウルスに挑戦する直前にこんなメッセージを送るなんてできないだろうし。まあ見てなかったから折角のご厚意を無駄にしちゃったけど。
えっと何々、
「蓮くん、『侏羅の大森林』に挑戦してるらしいね。第2エリアのエリアボス、アンドロサウルスはかなり手強いから要注意だよ。正面からあれに挑戦して勝てるプレイヤーはかなり少ない。蓮くんがあれに勝つにはボス部屋に入ったらすぐに雷属性の攻撃をすること。それだけだ。そうすれば、楽に勝てる!」
あ、うん。シグマさんのメッセージもやっぱり雷属性の攻撃で痺れて動けなくさせて倒すなんだ。
それにしても正面からあれに挑戦して勝てるプレイヤーはかなり少ないってとこが気になるな。
ちょっとシグマさんに聞いてみるか。
「その感じ、無事に勝てたみたいだね。おめでとう!それはそうと良い質問だ。蓮くんはアンドロサウルスがエリアボスにしては弱すぎると思っただろう?あれはあまりに
翌日、気になってもう一度アンドロサウルスに挑戦することに。
結果、アンドロサウルスが動いてから
ブルーのディバインシールドを易々を貫き、機械の鉤爪で引き裂かれ、少し距離を置いてブルーの左右にいたリーフィアとラグニアは機械の羽に轢かれ、3体ともたった一撃でHPが0になった。
ただ、ボス部屋に入ってからアンドロサウルスが動き出すまでに1分近く時間があるから全快みたいに雷属性の攻撃を使えば、容易に倒せる。
てか、シグマさんのメッセージには
動き出すまでの1分を含めても8分以上の差がある。
分と秒を間違えただけだよね?本気で10分って書いてないよね?ちょっと怖くて聞けないけど、シグマさんの間違いだよね。
ちょっと不安な気持ちで一杯になった俺は何をどうとち狂ったのか輝夜さんにも『侏羅の大森林』第2エリアのエリアボス、アンドロサウルスについて聞いていた。
輝夜さんから返ってきたメッセージには
「雷属性を使わずに戦う?まあそうね。今の蓮くんの実力なら
まるで示し合わせたように輝夜さんからも10分。
そう、10秒じゃない。俺はまだブルーたちが持っているポテンシャルを最大限発揮させられていないのでは。シグマさんと輝夜さんが全く同じことを言うってことはきっとそうに違いない。
ブルーはピナとモンスターファームではしゃいでる。ラグニアは毛繕い。今、手が空いてるのはリーフィアだけか。
俺はリーフィアにだけシグマさんと輝夜さんのメッセージに書かれていた内容を伝えた。
それを聞いたリーフィアは心底驚いた表情をしていた。あそこまで驚いているリーフィアは初めて見た。
でも、リーフィアも薄々気づいていたのかな。まだ最大限、力を発揮できていないって。
蜆景虎くんのブレイドとのバトルでリーフィアは初めて合技を使った。自由に戦ったらあんなに強いんだって思ったけど、まだ上があるのかって思ってたらリーフィアから訂正される。
「主が何を考えているのかわかりますが、それは違います。私もブルーにラグニアも常に全力で戦っています。今のは、まだ力を発揮できていないことに驚きを隠せなかっただけです」
リーフィアですら認識していないのか。シグマさんと輝夜さんが純粋に過大評価してるだけってこと?いや、それでもその評価に値する何かがある筈だ。
「リーフィア、明日から暫くアンドロサウルスに挑戦を続けたいんだけどいいかな?」
「もちろんです!」
今日わかったのはアンドロサウルスの攻撃は全て回避一択。ディバインシールドを貫きつつブルーを一撃で倒す威力の攻撃力。それに羽に轢かれてもダメだからそこも注意しないと。
それから4月終わりまで時間が許す限り、挑戦し続けた。
ただ、それだけだと楽しくないので、マシンサウルスやジェットラプトルと戦ったりもした。
特にブルーが負けっぱなしだとすぐに飽きてプル…って気落ちしちゃうから大変だった。
それでも挑戦し続けた成果はあった。最後の挑戦では自己ベストを更新して5分ほどは戦えた。
戦ってわかったのは確かに強いけど、動きは直線的。ただ、速すぎて回避が困難。最初に1分近く動かない時間があるから慣れるとアンドロサウルスが突撃してくるタイミングがわかって初手全滅は無くなった。それからはどれだけ回避できるかっていうゲームになった。攻撃を考えた次の瞬間には誰かしら倒されてるのが当たる前だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます