第91話 蓮VSオリヴィア②
誰もが決まったと思ったが、まさかまさかの方法で回避に成功する。
咄嗟に四足歩行に切り替えてダブルショットを回避した
「
ガブリ!
あの一撃で決めるつもりだったからアルマのスキルは全てクールタイムに突入している。
咄嗟に手に持っている双銃でガードしたものの次の手が無い。
再びデュアルエッジモードに切り替えるにはクールタイムが明けるまで、あと1分ほど待たないといけない。
アルマに今できることは
手に持っている双銃を手放して
「逃がすな
素早さはほとんど同じくらい。
プチファイアで牽制したことで一瞬だが、アルマの足が遅くなる。
その瞬間に距離を詰めた
これで両モンスターのHPは残り2割ほどとなる。
状況は五分のように思えるが、実際には回復魔法が使える
ここでアルマは一部スキルのクールタイムが明ける。
「アルマ、デュアルエッジモードに切り替えて!」
先ほどライトファングから逃れる為に双銃を手放し、仮にスキルのクールタイムが明けても攻撃手段が無かったが、モード切り替えで対応する。
フィールドに無惨にも転がっている双銃は消えて、アルマの両手には双剣が現れる。
しかし、この作戦は露骨過ぎる。
急に攻撃が来なくなったことでオリヴィアとアルマはすぐに気づき、それを逆に利用する。
「アルマ、エネルギー充填」
「あ、ヤバ、っ!」
ほんの数秒、タッチの差だが、蓮は
エネルギー充填によってアルマはクールタイムを無視して直前に使ったスキルが使える。
常にエネルギー充填による連続攻撃を警戒しながら戦わないといけなくなる。
プレイヤーが警戒してながらこうもあっさりとエネルギー充填を使わせるのは些かモンスターとの意思疎通ができていないと言わざるを得ない。
これによって確実にバトルの流れはわからなくなった。
蓮は焦っているが、アルマに流れが傾いている訳ではない。
だからと言って先ほどまでのように
くっ、
お互いの認識が違ったからアルマにエネルギー充填を使う隙を与えてしまった。
でも、まだ大丈夫だ。
まだ流れを完全に覆された訳じゃない。
「意外だな。蓮とモンスターの連携は完璧だと思ってたよ」
「そうね。これを見ると
「いやいや、そこは敢えてブルーを選出から外してるかもしれないぞ」
「蓮、ブルーのことでいろいろ苦労してそうだけど、流石にブルーじゃなきゃカーラの相手は厳しいでしょ。リーフィアの技量ならワンチャンあるかもだけど、それだけでブルーを外すとは考えにくいし」
「んーでも、エルナとのバトル中にブルーの動きが一瞬だけど、固まった気がするんだよな。そこと関係あるかもだろ?」
「ああ、あれね。後でエルナが教えてくれたわよ。ブルーから蓮に嫌われたかも、どうしよう的な相談を受けたって。蓮に嫌われたかもしれないってことがショック過ぎて動きが固まったみたい。まあこれはブルーの勘違いみたいだったけど」
「それ蓮は知ってるのか?」
「……たぶん知らないと思う」
「それが謎の硬直が理由でブルーを選出してないとか」
「さすがにそれは、ない、と思いましょ」
だが、それも時間の問題だろう。
クールタイムが明けたらすぐに回復魔法を使ってチマチマと
もちろんアルマも黙って何もせずにHPを回復させていないが、ほんの少しだが与えるダメージ量を回復が上回っている。
この状況を唯一打開する術はエネルギー解放を使うことくらい。
蓮と
最大限、警戒しているから先ほどエネルギー充填を使った時のように連携の綻びから生まれる隙をついて使うは厳しい。
「アルマ、ダブルスラッシュ」
「
徐々に流れは
アルマの残りHPも遂に1割を下回る。
このタイミングでオリヴィアは一か八かの最終手段に打って出る。
「アルマ、デュアルブレイク、エネルギー解放、デュアルブレイク」
「え?、!
割とあっさりと警戒していたエネルギー解放を使うので、思わず、え?と口にしてしまう。
しかし、これはチャンスだ。
ここを凌いで返しの太刀でアルマを倒せたらバトルそのものの流れを引き寄せることができる。
その為に出し惜しみせずに総攻撃に転じる。
プチシャインとプチファイアは躱されるが、問題ない。
残るシャインダイブとライトクローの二つでアルマのデュアルブレイクを相殺できればそれでいい。
ここで決める。
両プレイヤーのその思いはモンスターにも伝わっている。
そして
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