第28話 蜂の魔巣③
これならいける。
俺たち4人はこのまま『蜂の魔巣』最奥にあるボス部屋にいる
ここで勝たないと第2エリアの『蟻の魔巣』に挑戦することができない。
「みんな準備はいい?」
莉菜の言葉にみんな頷く。
みんなの準備が整っているのを確認し、莉菜を先頭にボス部屋に入る。
奥には巨大な蜂が待ち構えている。
距離があるから正確にはわからないけど、大きさは5メートルくらいはありそうだ。
ブーーーーーーー
そこから数えきれないほどの
まるで女王を守護する近衛兵みたいに俺たちの前に立ちはだかっている。
「コン、影分身、陽炎、蜃気楼」
「カーラ、ダークウェーブ」
まずはコンがこちらのモンスターを敵からどこにいるのかわからないように隠す。
そしてカーラのダークウェーブが
さすがに全てを巻き込むことはできず、何体かは逃れているが、こちらは後回しだ。
まずはダークウェーブが当たっている取り巻きを全てカーラが一掃する。
エルナとブルーは今は何もせずに待機だ。
エルナとブルーの出番は取り巻きがいなくなってからだ。
「カーラ、ナイトメア!」
ここで俺たちは予想外の事態に陥った。
想定していたよりも
ナイトメアをくらった
エリアボス、
しかもこの取り巻きを倒さないと奥にいる
こうなったら仕方ない。
「ブルー、ファイアボール、プロミネンス」
「エルナ、ロックオン、シャインランス!」
これだけ数がいると適当に撃ってもどれかには当たるな。
エルナは取得したばかりのロックオンを使い、確実に狙った相手にダメージを与えている。
ロックオンがクールタイムに突入したらブルー同様に適当にプチシャイン、プチファイア、ファイアボール、フレイムランスを放っている。
逆に警戒すべきは
状態異常を付与されるとエルナのキュアヒールでしか解除できない。
それにキュアヒールがクールタイムに突入するとこちらも解除する術が無くなる。
できる限り、状態異常を付与されないように立ち回る必要がある。
この状況下で何とか戦えているのは完全にコンのお陰だ。
本体の陽炎と蜃気楼のコンボの効果時間が限界に達した瞬間、コンの影分身が再度陽炎と蜃気楼のコンボを発動している。
予想していた通り、本体と影分身でスキルのクールタイムは別になっているようだ。
これはかなり大きい。
純粋にこちらの戦力が1体増えた訳だから。
それでいて狐火で時折、攻撃もしている。
そして、カーラはダークウェーブとナイトメアのクールタイムが明けるのを待ちつつ、プチダークやダークボールで確実にデバフや状態異常を付与しつつ、ダメージを与えている。
カーラは兎に角優先的にまだデバフや状態異常を付与されていない個体を狙っている。
ナイトメアを少しでも多くの
「カーラ、ナイトメア!」
ここでカーラのナイトメアのクールタイムが明けて2発目が放たれる。
どうやらダークウェーブの方がナイトメアよりクールタイムが長いみたいだ。
まだダークウェーブのスキルLvが低いからそこは仕方ないか。
それでも2発目のナイトメアは十分すぎる戦果を上げた。
残り2割の
それでも徐々にブルーとエルナ、コンの攻撃で
「カーラ、ダークウェーブ!」
遂にカーラのダークウェーブのクールタイムが明けた。
今度は全ての
それに加えて、8割近い
残りの
今のところ、奥に控えている
先ほど、コンの狐火が偶然
自分と戦いたければ取り巻きの
何にせよエリアボスである
正直なところ、数が減ったせいで
エルナだけはロックオンで確実にダメージを与えることができている。
あまり、状況としては芳しくない。
「カーラ、もう一度ナイトメア!」
ここでこのバトル3回目のナイトメア。
しかし、
残りHP3割じゃダークウェーブでも削り切れない。
もう一度、ナイトメアを使わないといけない。
しかし、そろそろコンの影分身の陽炎と蜃気楼のコンボに限界がくる。
コン本体の方のクールタイムが明けていれば、何とでもできるけど、もし明けていなかったら…。
数が減ったとはいえ、あの数の
コンの陽炎と蜃気楼のコンボが無ければ、一瞬でHPが全損させられてもおかしくない。
「エルナ、ロックオン、フレイムランス!」
今まで
倒すのではなく、ダメージを与えて残りHPが1割ほどになるようにしている。
なるほど、カーラのダークウェーブで一掃できるようにダメージを与えているのか。
「ブルー、エルナと同じように攻撃だ!ファイアボール、プロミネンス」
「コン、俺たちもだ。狐火」
ブルーとコンは俺と郁斗の言いたい内容を即座に理解し、実行に移している。
ここでコンの影分身による陽炎と蜃気楼のコンボが限界を迎えた。
今まで姿を隠しながら攻撃できていたが、しばらくはそれができない。
それでも問題はない。
この状況下で揺らがないように手は打った。
「カーラ、ダークウェーブ!」
ここでカーラがダークウェーブで
その数、
素早さがかなり低下しており、状態異常によるスリップダメージもある。
倒すのも時間の問題だろう。
「チャンスよ。エルナ、ロックオン、ファイアボール」
エルナのロックオンからのファイアボールによって
近づいてきた
これにより、
残った3体の
ナイトメアの方が先にクールタイムが明けていたが、この後に控えている
エルナ、ブルー、コンも同様に回避に専念してスキルを温存している。
その為、カーラのダークウェーブ以外のスキルは全てクールタイムが明けている状態で
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