第7話 入学式
今日は高校の入学式。
俺の通う
例えば、大会などに出場する時は学校を休んでもOKとか。
ランクの高いプレイヤーになればなるほどそのサポートは手厚くなり、最終的に単位の方もどうにかしてくれる。
学園としては高ランクプレイヤーが在籍しているのは一つのブランド的価値があるので、何としてでも辞めて欲しくないという事情もある。
それほどまでにこの『Let's Monster Battle』というゲームは人気がある。
世界中にこのゲームをしているプレイヤーがいるくらいだからな。
その証拠に最強のプレイヤーである12神もいろんな国のプレイヤーが混じっている。
それに序列1位のプレイヤーは日本人だから日本では尚のこと人気がある。
俺以外にも『Let's Monster Battle』のプレイヤーはたくさんいる筈だ。
いろんな人たちと仲良くなって、バトルしてみたいな。
その為にもまずは3体目のモンスターを捕まえてPvPが解禁されるFランクに昇格しないとだな。
今日、学校が終わったらFランクダンジョン『見晴らしの草原』にでも行ってウルフを捕まえるのも有りかな。
ウルフは低ランクから高ランクプレイヤーまで幅広いランク帯で愛用されているモンスターだ。
よし、『見晴らしの草原』は学校の近くてウルフの出現するダンジョンだから行ってみよう。
入学式の最中にそんなことを考えていたら学園長先生の話が始まった。
「皆さん、まずは高校への入学おめでとう!これからは楽しい高校生活が幕を開けることでしょう。………
学園長先生の言う通り、高校生活を楽しいものにしたいな。
その為にはこの学園では『Let's Monster Battle』のプレイヤーランクをD以上にするということが大事になってくる。
年に一回の学年別個人トーナメントで活躍してプロプレイヤーになった人もいるくらいだ。
それもあってこのトーナメントは凄い盛り上がって、上位ランクのギルドも視察に来るほど。
とにかく、みんなこのトーナメント本戦出場を目指して1年間頑張る。
学園長先生の話も終わってそのままの流れで式は閉幕する。
その後は各クラスに別れてこの学園についての説明や自己紹介がある。
クラスメイトに2人ほど有名人がいたのが印象的だった。
最近、人気急上昇中の読者モデル。
肩に若干かかるかなってくらいに伸ばした黒髪の毛先のみを赤色に染めている。
スタイルも良く、顔も可愛いと男性だけじゃなく、女性ファンも多数いる。
それに噂では最初のモンスターが幻想種の天使と言われている。
天使といえば、悪魔と双璧をなす準最強種。
召喚石で召喚されるモンスターは完全ランダムで天使や悪魔などの幻想種や最強種の竜は召喚できないのではと囁かれるほどに確率が低い。
姫島莉菜はありとあらゆる点で持っている人と言える。
もう1人は
二階堂郁斗は中学生の頃から〇チューバーとしてゲーム実況を行っていた。
ゲームの腕はプロ級で高校からは『Let's Monster Battle』一本でいくという宣言は一時、世間を騒がせた。
二階堂郁斗は髪をメッシュにしており、常にワックスで髪型を整えている。
顔が良く、性格も良い。
欠点を挙げる方が難しいレベル。
最初のモンスターは妖怪種の妖狐。
最初のモンスターとしてはかなりの当たりだ。
こんな有名人とはまともに話をすることすらなく、3年間が終わるだろうと思っていたが、すぐにそんなこと無くなった。
「ちょっといいかな?」
「えっと俺?」
なんと二階堂郁斗が俺に話し掛けてきた。
俺は『Let's Monster Battle』をプレイしていると自己紹介で話したけど、まだGランク。
既にモンスター3体捕まえてFランクになっている二階堂郁斗は俺とは別世界の人間と言っても過言ではない。
一体なんの用だろう。
「君だよね、鬼灯蓮くんって?」
「そうだけど……」
「いやあ、まさかこんな所で会えるとは!その様子だと昨日のモンスターニュースは見てないのかな?今、ちょっとした有名人だよ」
昨日のモンスターニュース?
有名人?
一体何が何だか……。
「GランクにしてFランクダンジョン『嘆きの墓地』を攻略してスケルトンナイトを捕まえた。しかもスライム一体での攻略ときた。鬼灯くんとは一度話がしてみたいと昨日ニュースを見た時から思ってたんだ!」
「そんなことになってたんだ。全然知らなかったよ」
そもそもGランクのプレイヤーがモンスターニュースに載るって普通じゃあり得ない。
恐らく、昨日のニュースに載せるネタが弱すぎた結果、俺のFランクダンジョン『嘆きの墓地』攻略が載ったのだろう。
モンスターニュースは基本的に毎日見てるけど、昨日は疲れて見ずに寝たから知らんかったし、そんなことになっているとは思わなかった。
道理で俺が自己紹介で名前を名乗った時にざわついた訳だ。
「何でスライム1体で挑んだか聞いてもいい?」
「勢いでボスに挑戦したら瞬殺されて、それが悔しくて。それでLv上げをしてその日の内にリベンジ」
「でも、それでその日の内にボスにリベンジを果たすのは凄いな!それに鬼灯くんはまだGランクってことはモンスター3体捕まえていないのか……。でも、ちゃんと
間に合わせる。
その言葉が意味するのは一つだけ。
この新入生代表トーナメントで1位から4位は白黒学園新入生代表としてタッグEトーナメントに出場できる。
タッグは1位と2位、3位と4位で組んで戦う。
しかもこのタッグEトーナメントは本来Eランクでないと出場できないが、白黒学園の名義でFランクでも出場がてきる。
ただ、GランクとDランク以上は出場できない。
つまり、新入生代表トーナメントの出場資格はFランクもしくはEランクであること。
今の俺はGランクだから出場資格を満たしていない。
「もちろん。間に合わせるさ!」
「なら問題ないな。戦えるのを楽しみにしてるからな!」
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