無限の可能性 進化と退化の軌跡 Let's Monster Battle

第4話 ブルーのLv上げ

　今日は進化したブルーのLv上げをする。

　その前にブルーのSPを振っていなかったので、それを素早さに2振った。

　これでブルーの素早さが4になった。

　まずは昨日行ったダンジョン『ゴブリンの集落』に向かう。

　そこでブルーがどれだけ強くなったのか確かめる。

　俺とブルーはダンジョン『ゴブリンの集落』では昨日とは違って奇襲はせずに正面からゴブリンと戦うことにした。

「ブルー、プチファイア」

　ゴブリンがギャギャギャと叫びながらナイフを振りかぶってブルーに向かってくる。

　ブルーはその場から動かずに小さな炎の球（プチファイア）をゴブリン目掛けて放った。

　ゴブリンは咄嗟のことで避けることができず、ブルーの放った攻撃に当たり、怯む。

　俺とブルーはその隙を見逃さなかった。

「ブルー、追撃の体当たり」

　プヨン、プヨン、プヨン、ドカッ

　ブルーの追撃の体当たりが決まり、ゴブリンを倒した。

　その後ゴブリンメイジとの再戦を果たす。

　ゴブリンメイジが先制でプチファイアを放つ。

　ブルーはそれをマジックシールドを使い凌ぎ、負けじとプチファイアを放つ。

　ブルーのプチファイアがゴブリンメイジに直撃し、その後体当たりを当ててゴブリンメイジを倒す。

　前回バトルした時に大ダメージを負ったゴブリンメイジ相手にほぼノーダメージで勝利することができた。

　やっぱり、ここにいるモンスターではLv上げには向いていないな。

　ブルーも進化したことで格段に強くなっている。

　ここからさほど遠くない場所にあるARダンジョン『嘆きの墓地』に向かうとしよう。

『嘆きの墓地』は寂れた墓地がモチーフとなっているFランクARダンジョンで攻略推奨Lvは10。

　ここではゾンビやグールなどが多数出現するが、火属性と光属性が弱点だ。

　その為、ブルーとの相性が良いが、別の問題がある。

　ゾンビやグールは捕まえても戦力にはならないし、合成素材も使い道が無いと言われるほどのものだ。

　ショップで売却してもゴブリンの合成素材（小角）と同じで1個1ポイントにしかならない。

　ブルーとの相性が良いから行くが、それ以外の理由で行くメリットが一切ない。

　いろいろとメリットは少ないが、まだGランクだから仕方ないと割り切ることにした。

『嘆きの墓地』に入るとすぐにゾンビの集団と遭遇し、バトルになった。

　ゾンビは全部で4体いる。

「ブルー、プチファイア！できる限り動いて距離を詰めさせるな！1体ずつ確実に倒す」

　ブルーはゾンビたちと距離を取りつつ、プチファイアで確実にダメージを与えていく。

　プチファイアはクールタイムがかなり短いので、すぐに追撃に2発目が放てる。

　レベルでは格上のゾンビだが、弱点属性の攻撃なので、プチファイア2発で1体倒せた。

　そのまま1体ずつ確実にダメージを与えて、倒していく。

　3体目を倒した所でゾンビに接近を許したが、ギリギリの所で攻撃を避けてカウンターの体当たりで怯ませた所をプチファイアを当てて4体目も倒すことに成功した。

　その後もゾンビやグールと戦い続けてブルーのLv5になり、体当たりLv3、プチファイアLv2になった。

　ここからはプチファイアLv2になった影響からゾンビやグールを一撃で倒せるようになった。

　完全にブルーが無双している。

　気づいたら最奥にあるボス部屋の前まで来ていた。

『嘆きの墓地』のボスはスケルトンナイト。

　これは事前に情報を集めていたから知っている。

　厄介なことにこのスケルトンナイトはゾンビやグールと違って火属性が弱点ではない。

　このダンジョンが不人気なのは、ボスであるスケルトンナイトが強いからというのもある。

　ゾンビやグールは倒してもメリットはあまり無く、ボスであるスケルトンナイトは初心者には強すぎる。

　このダンジョンの攻略推奨Lvは10とされているが、これはLv10のモンスター3体掛りでスケルトンナイトと戦う前提の話。

　ブルー1体だけで挑むとなると推奨Lvは20近くなるだろう。

　しかし、ここまで来てボスに挑戦しないという選択肢はない。

　俺はここでブルーのステータスにSPを割り振る。

　ブルー（フレアスライム、一般種）Lv1→5

　HP：130

　物理攻撃力：3

　物理防御力：8

　魔法攻撃力：8→10

　魔法防御力：5

　素早さ：4→6

　SP：0→4→0

　スキル：体当たりLv2→3、マジックシールドLv1、プチファイアLv1→2、火属性耐性Lv1

　よし、ステータスの割り振りは完了した。

　スケルトンナイトは動きが素早い為、素早さに2、火力増強の為、魔法攻撃力に2振った。

　本当はどちらかに4まとめて割り振った方がいいのかもしれないが、俺にはどちらだけに全振りはできなかった。

　それに体当たりは威力15、プチファイアは威力20まで上昇している。

　今まで通り、戦えば何とか勝てると思う。

　ブルーも小さく震えてる。

　一緒にボスと戦おうと言ってくれてる気がする。

　俺とブルーは一緒にボス部屋に突入する。

　ボス部屋の奥でスケルトンナイトが立って待ち構えている。

　俺にはその姿が自分と対等に戦える挑戦者を求めているように見えた。

　でも、ボス戦を行う上でそんなことは関係ない。

　先手必勝！

「ブルー、プチファイア！」

　ギリギリ届くであろう距離からブルーはプチファイアをスケルトンナイトに放つ。

　スケルトンナイトは左手に持つ盾でプチファイアを防ぐ。

　この時、スケルトンナイトのHPはミリも減っていなかった。

　つまりは盾を掻い潜ってプチファイアを当てる必要がある。

　じゃないとまともにダメージを与えられない。

　しかし、そんな余裕は与えないと言わんばかりにスケルトンナイトはブルーとの距離を一気に詰める。

　右手に持つ剣をブルーに向かって振り下ろすが、ギリギリの紙一重で回避に成功。

　そのままプチファイアを顔に直撃させる。

　ブルー渾身の一撃でスケルトンナイトのHPがミリ程度減った。

　ミリ程度しか減らず、顔に攻撃が直撃したのにも関わらず、何事も無かったかのように攻撃してくる。

　最初の2、3撃は躱すことに成功したが、4撃目がまともにブルーに直撃し、ブルーのHPは全損した。

　それと同時に所有モンスターが全滅した俺はボス部屋退却するようにウインドウが表示された。