眼鏡越しの新世界
仲仁へび(旧:離久)
第1話
魔法の眼鏡という物語を書こうと思う。
ありふれたテーマかもしれないけど、今の自分にはちょうど良い。
なぜなら私は、初めて小説を書くのだから。
何か書こう。
そう思ったのは、つい先日の事だ。
頑張っていた高校の受験勉強が終わって、暇になって、だらだらと過ごしていたんだけど、それだとなんだとどこまでも怠惰になってしまいそうな気がした。
ほら、気のゆるみって時々とんでもないことを引き起こすじゃない?
だから、何かを始めてみようかなって思ったの。
それで注目したのが小説。
受験勉強中に国語で色々な文学作品を調べたから、ちょっと興味が湧いたのよね。
怠け防止にはちょうど良いかなって。
でもいざ書き始めると、なかなかうまくいかないわ。
簡単なテーマだからサクサクかけると思ったけど、意外と奥が深いのね。
筆が進まなくて、ちょと挫折しちゃいそう。
だけど、今までに考えなかったことを考えるようになったのは、新鮮。
街中で眼鏡をかけている人の数とか、顔とか、どんなこと考えているんだろうとか。
今までにあたり前にあった景色なのに、何でこんなに違って見えるんだろう。
町の中にある眼鏡ショップにも目が向くようになった。
今まではスルーしていた店なのに、小説を書き始めた途端に、その存在が目に入るようになったんだ。
新しい事をはじめると、こんなに世界が変わるんだ。
目の前にあるフィルターが交換されたとかで、視界が変わってしまったような感じ。
受験が合格して、新しい高校に入学した時も、こんな風になるのかな。
そんな事を考えながら、書き上げた魔法の眼鏡は、数週間で完成。
悩んだ末に、小説の投稿サイトに掲載することになった。
せっかく書いたんだから、自分だけで楽しむのはもったいない気がして。
すると、ちょっとだけど読者ができて嬉しかったな。
「面白い小説ですね」
「作者の方に興味が湧きました」
「続きの話あったりしますか」
何でもない感想がいくつか来て、なんだかこそばゆい。
今まではしなかったお洒落……伊達メガネをするようになった私は、レンズの向こうの文字を見て頬を掻く。
こうして見つめる画面も、眼鏡越しだとなんだか今までと違って見えてくる。
って言っても、レンズがあるからちょっと景色が違って見えるだけなのかもしれないけど。
それから私は自分が発見したことや、この小説を書くに至った出来事などを綴っていった。
眼鏡越しの新世界 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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